昨日はまさくんと感動の再会をして、名前の気分は最高潮!しかもまさくんお家まで送ってくれてママとパパに挨拶もしてくれたの!ああもうすっごい幸せだなあ、これからはずっとまさくんの傍にいられるなんて、夢みたい!鞄を肩にかけてるんるんと学校を目指す。今日は嫌いな物理の授業があるけど、昨日まさくんからいっぱい元気もらったんだもん!頑張らなくちゃ!

「名前ちゃんおはよー」

てこてこといつものように学校まで道のりを歩いていれば、後から聞き慣れた声がかかって肩が叩かれる。見慣れた橙色の髪を揺らして微笑むさっくんにおはよーと返そうと開いた口を慌てて塞いだ。さっくんは、おとこのこだ!!

「?どうしたの?名前ちゃん」
「さ、さっくんとはお話できないの…!」
「え?」

両手でお口を塞いだままもごもごと口を動かす名前に不思議そうに首を傾げるさっくん。ああああどうしようまさくん!

「ま、まさくんと、おとこのことはお話しちゃダメって言われてるの…!」
「え…?まさくんって、名前ちゃんの初恋のひとの?」

琥珀色のちょっとだけ垂れ目な目を大きく見開いたさっくんはこくりと頷いた名前の手をがしっと掴んだ。

「連絡ついたの!?」
「あ、うん!昨日アメリカから帰って来たの!」
「やったじゃん名前ちゃん!しかもその様子じゃあ約束覚えてくれてたみたいだし!」
「そうなの!」

きらきらと瞳を輝かせるさっくんは心の底から祝福してくれてる。さっくんはおとこのこだけど、かわいいものとかふわふわしたものが好きな、所謂オトメン。名前や鶴ちゃんとの恋バナに一緒にきゃっきゃっ言ってくれる名前のおともだち。うーん、さっくんはおとこのこだけど、名前のおともだちだし…きっとまさくんも許してくれるよね!そのあとは昨日のことをふたりして朝からハイテンションでお話した。教室に着いて鶴ちゃんに抱きつかれるまでお話は止まらなかったのでした。


110910