パパのお仕事の都合で大阪に来て2年。関東と関西の習慣の違いにも慣れ、わたしもようやく小学6年生です。

「ホンマむかつく」
「どしたのぴかりん。顔怖いでー」

同じ登校班で副班長の財前くん。ちなみに班長はわたしで班員はゼロ。この辺財前くんとわたししか住んどらんのよねー。一個下だけどなんとも生意気な5年生である。まあこのくらいの子の生意気さなんてかわいいもんだ。それに彼も将来が有望なイケメンだしね。

「ハゲ沼がいちいちうっさいねん」
「あー、またピアスのことなんか言われたんだ」

ぴかりんは小学5年生にして両耳にピアスを開けている。今の小学生ではそこまで珍しいことじゃないらしいけど、前世で22年生きて精神年齢34歳なわたしはその事実に口をあんぐりと開けたものだ。おしゃれ好きなママや澪ねぇのおかげで大分個性派おしゃれガールになってるわたしでも、まだピアスは開けてない。中学上がったら開けようかと思ってるけどね。

「まぁ気にすることないんやん?わたしは好きやで、ぴかりんのピアス」

よう似合っとると思うし。規則だなんだってうっさいけどさ、そんなん個人の自由やん。ただ、規則を無視するならそれに伴う責任はちゃんと取らなあかんけど。

「…やっぱ名前はええな、わかっとる」
「はっは、ぴかりんはまだまだ子どもやねー」

悩めばいい。ぶつかればいい。そうやって自分の生き方見つけてったらええねん。それが計34年生きたわたしの結論。

「なんや、名前おばはんくさいわ」
「うっせ、黙っときー」

あながち間違ってないから悲しいよね。


1018(中途半端な関西弁やなー、我ながら)



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