12年後・後痛い筈なのにそれ以上の気持ちよさに逆らえずに声を漏らした。自分でも分かるほど甘くて媚びを含むそれに耳の奥がむず痒くなる。 けれどそれを堪えることも出来ない刺激に押し流されて、中をリボーンでいっぱいに満たされた。 ずぷりと後ろを貫かれる姿はきっとひどくみっともない。動物の交尾のようだと思うのに、そう思う端から興奮して我慢しきれず2度目の白濁を吐き出した。 どこがイイかなんて今更隠すことも出来ないぐらい知られているせいだといい訳をしていれば、硬くて太いそれに中の気持ちいい場所を幾度も擦られて押し出されるように白濁が起立の先から零れる。 先ほどよりも少ないながらもパンストとレオタードの中を更に汚した精液は、奥を揺さぶる起立の動きに耐え切れず腿を伝い落ちていった。 なんとも気持ち悪いその感触に身震いをする。なのに横から入り込んだリボーン自身は止まることなく突き上げてくるから堪らない。 ハッハッと短い息を吐き出す唇は閉じることを忘れて、床の上を唾液で汚していた。 「随分と乗り気だな…」 耳の横でそう呟かれて、はじめて腰が動いていたことに気付く。もう恥ずかしいもクソもないと思うのに、それでもわざと言葉にされれば平静ではいられない。 顔を伏せて視線を下げるとパンストを破られ白い精液に濡れた自分の股間と、リボーンの逞しい太ももがはだけたズボンからチラリと覗いて、それを見たオレは余計に中がぞわりと疼いた。 耳朶に落ちてくる息遣いも徐々に熱を帯びてくる。 2度も吐き出した自分自身はまた性懲りもなく硬く膨らみレオタードとパンストを押し上げていて、脱ぎかけの胸元はツンと2つとも赤く尖っていた。 足繰りを後ろから引き上げられながらの挿入はいつもより少し不自由で、だけどより深く快楽を拾おうと勝手に腰がのの字を描く。 ぐぐぐっと深く突き入れた先があっさりと引かれてしまいそうになって、逃すまいと飲み込んだ自分がいやらしい。 頭を振って小さく懇願する唇は同じ言葉だけを繰り返していた。 「…ね、がい…おねがい…っ!」 イイところを掠めるだけの刺激に気が狂ってしまいそうだ。そこをしっかり擦られたらどんなに気持ちいいのかを知っているから余計に我慢できない。 オレの懇願を聞いたリボーンは、身体を起こすとオレの膝裏を掴み上げ体勢を変えると床の上に腰を据えた。 胡坐を掻いた上に抱え上げられたオレは自重でより深くリボーンを咥え込む。やっと膝裏からリボーンの手が外れてホッと息が漏れるも、すぐに別の吐息が口から零れた。 奥で蠢く接合から逃れようと足を床に乗せても、ストッキングは床の上を滑ってしまいどうにもならない。 深すぎる繋がりはリボーンの逞しいそれが腹の底まで届いている状態であるが故に、満たされるというより犯されているようでとても苦しい。 恐る恐る膝を床についてわずかに腰を上げると、その瞬間を狙っていたとでもいうように下からイイところを突き上げられた。 「やぁ…ッ!」 リボーンの膝に縋るように手を伸ばしてどうにか床に突っ伏すことだけは避けたが、ガクガクと笑う膝は今にも崩れ落ちてしまいそうになっている。 そんなオレに手を伸ばしたリボーンは、腹の上でたわんでいたレオタードに手を差し込むとパンストを押し上げて直接股間を撫ではじめた。 「うぁ…ぁ、っ」 確かめる手付きに声が漏れる。中を擦られながらペニスを弄られるよさに逆らえない。こんな大きな声では聞こえてしまうと思うのに喘ぎ声は止められなくて、そんなオレの声を聞きながら悪戯な手はその下にまで伸びていく。 剃ったばかりのそこを指の背で擦られてクツリと背後から聞こえた笑い声に顔を染めた。 「なんだよっ!」 「…いや、よく剃ったと思っただけだぞ」 するすると肌の上を滑る指は下生えがないことを確かめるとゆるゆると下に伸びてリボーンを咥え込んでいる窄まりへと辿り着く。 後ろから足繰りを引っ張られているとこにリボーンの手が割り込んできたのだからきつくて股間に食い込んでいる。 「これじゃイケないだろう?どうしたい…」 背中を齧りながらそう言われ、コクコクと顔を上下に振るとリボーンの手が抜けて腰に手が添えられた。 まだ足りないと食んだままの窄まりからズルリと起立を抜き取ると、邪魔なレオタードを脱ぎ捨ててパンストへと手をかけたところでその手を取られた。 腕を引かれ貪るように唇を啄ばまれて蕩けていく。 オレの背に手を回して意味のなくなったパンストの裂け目に手を伸ばしたリボーンは、中途半端に煽られてみっともなく疼いている後ろに手を伸ばすと容赦なく3本の指を突き入れて掻き回した。 「ひぃ…っ、ひぁあ!」 ぬぷぬぷと卑猥な音が部屋に篭る。口付けの合間に漏れる声がイキたいと切迫感を増していき、眦から涙が滲んだ。 それを見つけたリボーンは、唇を離してオレを床に押し倒すと目一杯オレの足を掴み上げてから笑う。 「前からがイイんだよな?」 「う…うんッ!」 だから早くと手を伸ばすと、やっと待っていた重みが身体の上に伸し掛かってきて掻き抱くように手を広い背中に回す。 言葉もなく、ただ求め合うだけの口付けを繰り返せば、後ろを食い破る勢いで奥まで起立を押し込められて回した腕が背中に縋った。 仰け反る胸の上を這う息の熱さと、中を擦られる硬さに散々焦らされた身体はすぐに昂って昇りつめる。 腰を掴まれ、小刻みに中を掻かれてパンストの中のオレ自身が震えた。 胸の先に齧りついていた口から荒い息遣いが漏れて、自分だけがいいんじゃないと伝えてくれる。 リボーンの肩に新たな傷をつけた指がその後頭部に伸びて、ぐいと上に引き寄せると中の起立が膨らんであっと思った時には既にリボーン共々弾けていた。 奥に迸った熱さを搾り取るように痙攣させていれば、下腹で起立を擦られてじわじわと白いものが溢れていく。 黒髪を引き寄せて熱い息のまま舌を絡ませるも、主導権なんてすぐに奪われて目の前の存在に縋りついた。 上も下もドロドロで気持ち悪いのにそれがいい。 重ねた唇から飲み込みきれなかった唾液が零れ落ちて、最後の一滴まで中に出したリボーン自身が動く度に尻を伝って床の上に落ちる。 もう止まりそうにもなかった。 言葉もなく唇をなぶっていたリボーンは、その薄い唇をオレの肌に押し付けて齧りだす。 本当に兎になって狼に食べられる気分を味わいながら、中で大きくなっていく熱塊に身体を期待に震わせて顔を上げた。 「今年はいい年になりそうだぞ」 「…」 そういえば12年前にもそんなことを言いながら、ウサ耳をダメにするまで勤しんだ覚えがある。 あれは若かったからだと思いたい。 嫌な予感に顔を引き攣らせながら、それでも半笑いを浮かべて手を伸ばせば、リボーンはその手を取って床の上に縫い付けた。 「とりあえず、そのカフスと蝶ネクタイが取れるまでは付き合ってやる」 何に?イヤイヤイヤ!付き合うってまさか。 意外にがっちりと留まっているそれらを知っているオレは、慌ててブンブンと頭を横に振った。 だというのにウサ耳が取れない。外れていない。 そのことに気付いたオレは、目を見開いたままリボーンを 「12年前のあれはすぐに壊れちまったと言ったら、そいつをくれたんだぞ。なんでもマイクロファイバー製らしい。動きにフィットして壊れ難いんだと」 ろくでもない話を聞いて知らず涙が溢れてきた。 「どうした、泣くほど嬉しいか?」 「んな訳あるかっ!おま…まさか壊れた理由を言っちゃってなんかないよな!?」 「言うに決まってんだろ。そこが肝心だと京子も言ってたしな」 「ふぎゃぁああ!」 同窓会に行かなくてよかったのか、それとも行かなかったからこうなったのか。 真相は闇に葬られたままでいようと思った、うさぎ年のある一日の話。 終わり |