リボツナ4 | ナノ



12年後・中




サテンのように薄い生地の上からの刺激がもどかしい。
ベストの奥へと入り込んだ指は見てもいないのにきちんとそこを摘み上げた。
表面がつるりとしているせいで親指と人差し指がひっかかりなく滑っていき、悪戯を繰り返す指にすぐに息があがる。

「ぁ…っ!」

逃げようと足を崩して床を蹴り上げても胸の尖りをいじる指は逃げた分だけ追ってくる。しまいにはガクリと体勢が崩れてしまい、どうにかついた肘で辛うじて転がることだけは避けたが、ただそれだけの姿勢にまでなっていた。
後ろの兎の尾っぽの上に尻を乗せた形になっているせいか、腰が思うように動かせない。
フローリングの上をツルツルと滑る足先に焦りながらも、どうにか距離を取ろうともがいていればリボーンに膝を掴み上げられてグイと股座(またぐら)を広げられた。

「バカ、変態!ド助平!」

片足で器用にオレの膝を押さえながらの体勢のために、ただでさえ心許ない生地の隙間からわすかにオレのものがはみ出してしまっていた。
黒いパンストとレオタードの隙間から覗くそれを隠そうと慌てて下肢に手を伸ばせば、それより早くリボーンの手が胸の先をぎゅうと捻った。痛さとその後に湧き上がる快感とに背中がしなる。
リボーンは膨らみのないそこをいじることが好きなのか、前戯のたびに摘んだり転がしたり噛んだりを執拗に繰り返す。そんなことを重ねていれば嫌でも身体は覚えてしまうというものだ。
リボーンの指先の行方を追うオレは、下を触られてもいないのにパンストの中がじっとりと湿りはじめた。篭る熱がひどく恥ずかしい。

首を振ってやり過ごそうとしても、それを許さない動きにただ切ない声を漏らして身体を震わせる。
ベストを二の腕まで落とされたせいで遮るもののなくなったそこを確認すれば、自分のものなのにそこのあまりの卑猥さに喉が鳴った。
はっきりと浮き上がった乳首は薄い生地を押し上げていて、鈍く光るサテン生地のテカリ具合がいやらしい。
じわりと滲んだ起立の先に顔を赤くして唇を噛んでいれば、オレの視線を釘付けにしたままリボーンは2つの先に舌を這わせてきた。
指はきゅっと尖った先を摘みながら押し付けるように捏ねていて、もう片方の先は舌先でなぞる。唾液で濡れる生地が肌に纏わり付いて舌が動くたびに擦られた。
見ていられなくなったオレは瞼を閉じてフローリングの上に転がって顔を手で覆う。こんな顔なんて見られたくない。
男がそんな場所を弄られるだけで逆らえなくなるほどよくなるなんて死ぬほど恥ずかしいのに、リボーンはそれを知った上でいつも時間をかけてそこだけをいじめ抜く。

「い、やぁ…!」

頭を横に振り、口は拒絶の言葉を吐いても身体はリボーンの思うがままに反応していく。肌の上にかかる息遣いがリボーンの興奮を伝えているようでオレの息も荒く忙しないものへと変わっていく。
膝を掴んでいた手がもっとだというように膝裏を抱えて開いた身体の上にリボーンが割り込んできて、伸し掛かる勢いのままレオタードに噛み付くと膨らみのない胸はいとも容易く尖った先を露わにされた。
上からの視線に顔を隠しただけでは耐え切れず、身を捩ろうとしたオレの背中に手を伸ばしたリボーンは、するりとオレの腰を辿るとリアルファーで出来ている兎の尾っぽへと手を滑らせた。

「真っ赤に熟れた実はどうして欲しいんだ?」

「…ッ、」

恥ずかしさに唇を噛んだまま逃げられない体勢で腰をもぞもぞと動かしていれば、尾っぽを握っていた手がぐっと尻の間にそれを割り込ませてきた。
レオタードの足繰りから少しはみ出していた起立は後ろの動きによって余計に外へと零れてしまい、その先からはじわじわと透明な先走りがパンストの上に浮かんでいた。
して欲しいことなんて決まっているのに、毎回言わせるリボーンの悪趣味さに唇を尖らせる。
だけど言わなければ貰えないことも知っているから、性質の悪い笑みを浮かべているだろう顔を極力視界に入れないようにしながら口を開いた。

「ぱっくんして、それから…吸って」

小さいけれどはっきり聞こえるように呟けば、オレの顔を見ていた視線がゆっくりとそこに落ちていく。
もどかしい刺激のせいでジンジンと熱を持って膨らむそこは、リボーンの口付けを待つように赤く染まっている。
少しずつ近付いてくる吐息に痛いほど期待して張り詰める胸の先。湿り気を帯びた気配に思わず背中をしならせた。

「っとに…お前はエロくて可愛いな、ツナ」

わざと唇を硬く尖った先に押し付けながら喋られて、少しの振動すら貪欲に拾う肌は焦れたように小刻みに震える。
もっと…と口端から零れそうになる甘い声が自分のものだなんて思いたくもない。なのに唇の間に挟まれて、その柔らかい感触に包まれると抑えようもなく甲高い声が響いた。

「ひぅ…っ、あぁ!」

リボーンの顔に押し付けるように胸を反らせて声を上げると、尾っぽを撫でていた手が黒い後ろのラインを辿って膝裏まで伸びてきた。
その間にもリボーンの舌は尖った先をネロリと舐め上げクスリと笑う。

「な、に?」

含みのある笑い声に朦朧としながらもどうにか問いかければ、顔を上げたリボーンは唾液で濡れたオレの赤い膨らみにふうと息を吹きかけた。

「いや、陰毛がねぇなと思っただけだぞ」

言われて下肢に目を遣れば左右に割られたことによってレオタードの足繰りから出てしまっているそれが晒されていた。
パンストの上からレオタードを履いたせいで、下に履いたパンストそのものが伸ばされてしまえば下着を履いていないのだからはみ出て当然だった。
自らの手で剃り上げたそこを確認され、かぁ…と赤らんだ頬は羞恥とそれから興奮を伝えてしまう。
恥ずかしい。けどもっと見られたい。
2つの相反する気持ちが身体の奥を疼かせて、じわりと先から体液が滲んだ。

黒いパンストを盛り上げている自分の起立は触られてもいないのに先走りを噴出し、ぐっしょりと濡れているオレの股間を見たリボーンは、そこを無視したまままた乳首に唇を落としていく。
ちゅうと音を立てて吸い付かれ顎が上がるオレを見ながら、唇で形を確かめるように幾度も吸われ、そして舌先を押し付けるように唾液を塗り込められた。
放置されたままの下肢はパンストの中で見る見る膨らんで硬く勃ち上がりレオタードを押し上げる。
舌のざらついた感触と甘噛みを繰り返す歯と、それから吸われる刺激に声が抑えきれなくなって甘い声を漏らし続けた。
揺れる腰が尾っぽのせいで別の快楽をも拾ってまた乳首がしこっていき、コリコリと歯で咥えられながら先をチロチロと弄られてしまえば、もう耐え切れない。
締め付けるパンストの中で白い精を漏らしたオレは、ビクビクと震える起立をじっくりと上から見られながら最後の一滴まで吐き出した。

「ふっ…はあ…」

肩で息を吐いているオレの膝を抱えていたリボーンは、イったばかりのそこを放置したまま手を太ももへと滑らせてきた。
久しぶりだったせいか、結構な量を漏らしたせいでべっとりと肌の上をぬるつくそれは時間を置けば置くほど冷たくなる。
纏わりつく不快感に眉を寄せてどうにか起き上がろうとするも、リボーンの手は離れなくて気持ち悪さにキッと下から睨み上げた。

「どうした?」

どうしたもこうしたもない。手を離してくれなければ脱ぐことすら出来ないのだ。掴まれている足を引こうとしてもパンストの裏を辿る黒い線をなぞっている指は止まることを知らなくて、そのままレオタードの中にまで入り込んでくる。
尻の間のわずかな隙間へと滑り込んできた指は、そのままつぷりと生地に爪を立てるとあっさりと破れてしまった。
糸と糸が引き攣れる音を立てて引き裂かれ、薄いとはいえ肌を覆っていた生地がなくなるのだから不安なんてものじゃない。
もぞりと腰を動かせば、指はパンストの糸を吊り上げてわざと穴を広げていくせいで少し肌寒く感じた。
履いていることも恥ずかしかったが、脱がされることはもっと恥ずかしいしその後が怖い。
手でこれ以上破られないようにと押さえていても、滑る指を止める術はなくて見る間にところどころ肌色が覗くいやらしい姿へと変えられていった。

「これじゃ、出来ないだろ?」

だから手を離せと覆い被さってきた身体を突っ撥ねるも、引き裂いたパンストの隙間から手を差し込んだリボーンはオレの冷たくなった精液をぬぐい取って、そのまま股間の奥へと手を差し込んだ。
下着を履いていない下肢はその手を止められる訳もなく受け入れて塗りつけられる。ここまでくればしたいのはオレも一緒だった。
目の前の首に腕を巻き付けて酷薄そうにうっそりと笑う唇に自分のそれを重ねると、すぐに舌がからまって息も浅いそれへと変わっていく。
肉付きの薄い尻は簡単に片手で持ち上げられてその間を広げるために指が差し込まれた。
白濁のぬめりを借りて蠢く指とは逆に、パンストとレオタードが邪魔でいつものように動いてはくれない指はじれったいほどゆっくりと奥を撫でていく。
円を描くように周りを弄る指先のもどかしさに切ない息を漏らすと、指を引き抜かれて身体の向こうからジッパーを下げる音が聞こえてきた。

「やッ…まだ、ダメだって」

中途半端にしか広げられていないそこに熱い滾りを感じて慌てるオレをうつ伏せにすると、レオタードの片足の足繰りの裾を引っ張り上げてそれを宛がわれた。
いくら胸を弄られて気持ちよかったとはいえ、指一本がやっと入るだけの状態では挿入なんてとてもムリだと背中越しに後ろを振り返ると見覚えのある黒い獣耳をつけたリボーンの顔を見上げた。

「お前、それどうしたんだよ」

呆れるよりほかない。見覚えがあるのも道理でおそらくあれは12年前にリボーンがつけていたものに違いなかった。
よくも捨てずに取ってあったと半ば感心すらしながらマジマジと見上げていれば、力一杯レオタードを後ろに引っ張られて股間を締め付けられて悲鳴が上がる。

「イタ…!」

「何言ってんだ。ツナは痛いのもイイんだろう?」

「そんな訳な、い」

否定する傍からまたも起立を布で擦られて息が乱れる。浅く荒い息遣いにパンストの裂け目をビリビリと引き裂いていき、その手がするりとオレの股間をまさぐった。

「あっ!」

「ほらな。またこんなに濡らして…後ろもこんなにヒクヒクしてるぞ」

言われたせいで余計に自分の窄まりの卑猥な動きを拾ってしまった。嘘だと頭を振っても宛がわれた怒張の先を飲み込もうとする蠢きを身の裡に感じて言葉もない。
先走りを纏った熱塊が身体を引き裂くように奥へと入り込んでくる。
床に爪を立ててゆっくりと息を吐き出していれば、そんなオレの努力を笑うようにずるりと奥まで押し込められた。

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