4.メリメリと音を立てて押し入ってくる塊の圧迫感と引き裂かれる痛みに、背中を仰け反らせて悲鳴を上げた。 それに構わず奥に向かう起立は熱さを伴って蹂躙していく。 頬を伝ったのは涙だったのか、汗なのか…それすらこの痛みの前ではどうでもいいことだった。 「いたっ…!たすけ…て…」 縛られた両手で机の角にしがみ付くと余計に深く差し込まれる。 串刺しにされた蛙のように痙攣する身体に手を滑らせて片足を机の上に押し付けられた。 「もう少し緩めろ…」 「っ、はっ!……できな…!」 上からかかる声が滲んでいる。気持ちよくなんてない。リボーンだって同じではないのか。 無理矢理押し込められて裂けたそこに居座る熱塊は、動くことはないのにリボーンの鼓動だけを伝えてくる。 痛くてどうにかして欲しいのに、出て行く気はないらしいリボーンは、机に押し付けた足の柔らかい肌から付け根をゆっくり辿っていく。 その手の感触に身の裡からぞわりと何かが蠢いて身体を震わせると、もう片方の手がシャツの中に滑り込んでくる。 両手で肌をなぞられて、辿る指の的確さにじわりと裡から熱を持ち始めた。 「腰が揺れてんぞ…?」 「イヤっ…」 無理矢理の筈だったのに、しっかり拾っている快楽に酔わされて知らず揺れる腰を指摘され、頭を振って否定するもそれさえ虚しく中が締った。 「…っ、そんなにイイのか?思ったよりも淫乱なんだな。」 痛みよりも動かれる度にじわりと広がる熱さとドロリと蕩けてしまいそうな快楽とに突き動かされていく。 先ほどよりもスムーズに動く起立を自ら食んで離さないことが分かる。 リボーンの指が足の付け根に這い、そこから奥の体液を滲ませて泣く中心へと辿っていった。 強く握られて痛さとそこから生まれる気持ちよさとに呻いていると、耳に舌を這わせてきた。 ゾロリと音を立てて舐め取っては、唇が耳朶を辿り熱い息を吹きかけられる。 逃しようもない熱さに噛み締めていた筈の唇から喘ぎが零れた。 「最初っからこうすりゃよかったな…どんなに鈍くても、ここまでされりゃ分かるだろ?」 言って深く繋がった奥を掻き回され、握られた起立に爪を立てられた。 息を詰めその痛みともとれないその感覚に突き動かされた衝撃に、痛みでも気持ちよさからでもない涙が湧いて頬を伝った。 「オレ、は…女じゃないっ!」 悔しかった。 確かにオレはリボーンを騙した。やっと首を縦に振ったと笑う顔はどんな女性でも蕩けてしまいそうな本当の笑顔だった。だけど…だからこそ、オレじゃなく女性にその笑顔を向けて欲しかった。 好きだと迫られても男のオレじゃ応えることもできない。 「そんなの分かってんだよ……ココにこれが付いてるしな。」 そう言って手の中の起立のくびれに指を這わせ、ぐりぐりと先を弄られる。 一度射精しているというのに、また首をもたげてくるそこを強めに扱かれて奥が蠢く。 「クッ…!…男はイヤな割に随分とイイじゃねぇか…」 耳朶に落ちてくる声の熱さに首を振ることで否定しても、激しくなる抜き差しに腰が揺らめいてしまっていた。 縛られた手の間に顔を埋めて、唇を噛み締める。 それでも漏れる息とも喘ぎともつかぬ声の甘さに、否定したい気持ちまで引き摺り出されていきそうだった。 好きだと言われてもどうもと返してきた。 オレのものになれと迫られても貴方の秘書ですが?と空惚けてみた。 そうやってリボーンの気持ちに蓋をして、自らの分を弁えるという免罪符の元にすべてを素通りしてきたしっぺ返しがこれだということか。 一度吐き出している筈の中心からまた溢れる先走りで滑りがよくなったそこを執拗に扱かれて、性懲りもなくまた膨らんでいく。ヌチヌチと音を立てる中心と奥を抉るような抜き差しに徐々についていくだけの生き物と成り果てた。 腰を深く押し付けられてあまりの刺激に仰け反ると、シャツから上にのぼってきた指が喉元から顎へと辿って閉ざした唇へと忍び込んできた。 スルリと隙間から入った指に歯間をなぞられて緩んだそこから口腔に突き入れられて声が漏れる。 一度開いた唇を閉ざす術もなく、指が引き抜かれても喘ぎは零れていった。 「…淫乱なんだな?」 「ちが…う…っ!」 頭を振って否定しても机に押し付けられた腰に深く挿入されると身体が勝手にうねっていく。手で扱かれ、机の角に押し付けられた中心が弾けそうになりながらも息を詰めて耐えていると、腰を抱えられてより奥へと繋がった。 いきたくて熱くてでも自分だけではどうにもできない快楽に悲鳴をあげると身体の上に覆い被さって、耳朶へと口を寄せる。 「会社を辞められると思うなよ。オレの秘書はツナだけだ…」 逃げ出したいのか絡め取られたいのかさえ分からなくなって、ただ追い立てられるようにリボーンの手の平に白濁を吐き出した。 次いで腹の奥に熱い何かが叩き付けられて、それを馴染ませるように数度奥を擦り上げられた。 「くっ…!」 「う…ぁあ!」 吐精したばかりの身体には刺激が過ぎる。まばらな息遣いと青臭い匂いとが充満している部屋で、机の上に身体を投げ出しているとずるりと起立が出ていった。 腿を伝う体液が急速に冷えて、同時に自分たちのしてしまったことに気が付いた。 縛られたネクタイに噛み付いて解いていると、上から手が伸びて取り払ってくれた。 夜目には分かり辛いが多分鬱血しているだろう手首を擦っていると、身体を反転させられて机の上に座らされる。 じっと見詰める先では、いつもの不遜な表情ではないリボーンが同じくこちらを見詰めていた。 「オレはツナを辞めさせる気はない。」 「……オレは…」 辞めたいと言いたかった筈だ。けれどそれは逃げなのかもしれない。 見詰められた視線に返せるだけの自信がなくて、擦る手首に視線を落とすと肩をドンと押し遣られた。 転がった先の机の上で伸し掛かられて、逃げ出したいのかこのまま流されてしまいたいのか分からなくなった。 . |