11.前を寛げられ、ずるっと膝までスラックスを落とされても熱に浮かされた身体は思うように動かなかった。 扉の向こうからは生徒たちの声が遠くに聞こえて、予鈴が廊下から響いている。 そんなことなどどうでもいい。 垂れ下がっていたネクタイに指を入れると、少し緩んだそれを解くことなく後ろへとまわして胸に齧りついてきた。もどかしいと言わんばかりの早急な仕草に、そこまで求められる喜びが欲を膨らませていく。 指で摘まれて硬くなっている乳首に舌を這わせられると、気持ちよさに背中がしなり胸を押し付ける格好になった。それに答えるようにきつく吸い付かれて、照れも羞恥もなく気持ちよさに鼻にかかった喘ぎが零れる。 「今日はヤるつもりじゃなかったから持ってきてねぇ。」 何をか聞くまでもない。 熱に浮かされ、互いに荒い息を吐き出しながらもまさぐる手は止まらない。 それでもひとつの疑問が脳裏を過ぎる。 「…お前、この前はどうして持ってた?」 訊ねると吸っていた乳首を甘噛みされて、痛さの中にある快感に身悶えた。 息を詰めてやり過ごそうとしているのに、内腿を撫で上げる手に唇が緩み悲鳴のような声があがる。 「勿論、ツナとセックスするためだぞ。」 「なっ…!?」 最初からその気だったという訳だ。とんでもねーガキだと思っても、今は止めることができない。 トランクスも落とされ、立ち上がった状態になっているそれを見られてもされるがままにリボーンの肩へと顔を押し付けた。 顔の横でくすりと笑うリボーンの気配にも奥が疼いて仕方がない。 するとリボーンが制服のポケットから意外なものを出してそれを指へたっぷりと塗っていく。 「物覚えのいい身体だな…まだ触ってもいねぇのにぐっしょり濡れてんぞ?…なぁ、本当にこの間のアレが初めてなんだろうな?」 酷い言葉に泣きたくなっても、ぬめりを帯びた指が強引に窄まりへと入っていってそれについていくのが精一杯で言い返すこともできない。ただ頭だけを振っていると、もう一本指を増やされて掻き回していく。 イイところを擦られてひぃ…!と声が漏れ、それに合わせて奥が指を食んだ。 先走りに濡れた自身が疼いて、触って欲しいのに放っておかれている。どうしようもなくなって、そこを自分で握るとそれを見ていたリボーンが暗く欲望に濡れた目でそれをジッと見つめていた。 「やだ…っ!」 手で隠そうとしているのに、それを阻止されてまた自身を握らされた。 オレの手の上から大きな手が同じように握って、オレの手を使いながら上下に扱き出した。 「そうだ…上手にできたらもっとイイことしてやるぞ?」 「もっと…」 「もっと、いっぱい、な。」 リボーンの綺麗な顔がオレの膨れ上がっていく起立を見詰めている。恥ずかしさよりも中心を扱くさまを食い入るように見る顔に欲情して手で自分の弱いところを擦っていると奥にいる指が動きだした。 後ろと前の刺激で益々どうにもならない熱に浮かされてみっともない声が上がる。 窄まりの奥に指をぐいっと突き立てられて、育っていた手の中の欲望が白濁を吐き出した。 肩で息をしながら背中の扉に凭れ掛かっていると、手についた精液を舐め取られていく。指の間や先、手の平にまで舌を這わせ、見せ付けるようにゆっくりと。 奥を探る指はまだ抜かれていないのに抜き差しはせずに入れたままで、手の平で尻を揉んでいる。 「上手にできたな、ツナ。…これからどうして欲しい?」 「どうしてって…」 男同士でどうやってやるのか教え込んだのはリボーンだ。なのにどうするなんて今更なにを… 押し付けられた布越しの起立の熱さに、その先に進んでくれない指に、身体が震えた。 それでも言ってしまうことが怖くて俯いていると、リボーンが呟いた。 「もう強姦はしないと誓った。だからツナが決めろ。」 本気でオレが嫌がれば止めるのだろうか。 密着している身体からはオレの白濁の匂いとリボーンの匂いが混じっていて、あまりの空気の濃密さに眩暈がしそうだ。それでも、それ以上オレに触れてこない指に本気が知れる。 こいつを丸々手に入れたいと、囁く声が聞こえる。 そんなことはダメだと声が上がるのに、抗いがたい囁き声にとうとう流されてしまった。 「もっといっぱいくれるんだろう?…リボーンでいっぱいにして…」 と。 . |