リボツナ3 | ナノ



3.




襞をなぞっていた指が奥へと挿し入まれると、何かを探るように動き出した。
強く押し付けられたり、ぐるっと掻き回してみたりと忙しない。
その度に痛みとも快楽ともとれない疼きが湧く。

どうすればいいのかさえ分からずにただ息を吐き出していると、また先生の顔が近付いてきた。
重ねた唇から青臭い匂いがして、それが自分の精液だと知れる。
吐くほどではないがあまりいい気分でもない。
それでも口付けを解くことはできなかった。

口腔を舌で嬲られ、逃げようとした舌を絡めとられる。
キスさえ先ほどのアレが初めてだ。濃厚過ぎる舌使いになす術もない。
どちらのものかさえも曖昧な唾液を嚥下するも、飲み込みきれなかったそれが口端から頬を通ってシャツにしみを作っていった。

頭がぼうっとしてくるほどのキスに酔わされてされるがまま身体を開いていたオレは、遠くからの足音を聞いて現実に引き戻された。
パタパタと近付いてくる足音に慌てて首を振って口付けから逃れると押し付けられていた手を押し戻そうと躍起になる。

「先生…!誰か来る!」

「…」

それを黙って聞いていた先生はひとつ首を振るとまた奥への刺激をはじめた。
怖さに縮こまる身体とは逆に、指が触れる場所は溶けてしまいそうなほど気持ちいい。

「リボーンってば!」

「やっと呼んだか…」

「なに言って…ってか、早くどいてっ!」

逃げ出そうと腰を引くとその分近寄られ、中に居座る指がぐりっと強くソコを擦る。
途端、痺れるような快楽に支配されて指を締め付けた。

「ぁあ!」

堪えようとしたのに喘ぎが零れ、それが思いの外響く。
近付いてくる足音と、逃げられない体勢とに泣きがはいった。

「いい声だな。だが、今は大人しくしとけよ?」

言ってなおも執拗にソコを擦られて荒い息が漏れると、ガラリと隣の教室のドアが開く音が聞こえた。
安堵のため息を吐くまもなくイイところを弄られて声を漏らさないように必死に唇を噛み締める。
声を聞かれてこの教室を覗かれたらアウトだ。

「ん…っ、ンんっ!!」

わざとソコばかりをいじめられて、出せない声の変わりに身体がビクビクと跳ねる。
先生の手から外れた腕が縋るものを求めて教壇の床に爪を立てると、それを取られて先生の肩へと導かれた。

「…っ、よごれちゃう…よ!」

「構わねぇぞ。そんなもんより、ツナの指が傷になる方が困るぞ。」

言って身体を抱えられ先生の膝の上に座らされた。
対面の格好で首にしがみ付く。
後ろから指を引き抜かれたために、少し余裕が出た。

「こんな格好見られたら先生がヤバいんじゃないの?」

「だろうな…」

それでも余裕が崩れない。
大人な先生に焦れるのはいつもオレだけだ。
だから不安になる。
初めて言ってくれた好きはどの好きなのか知りたかった。

互いの額をくっ付けて、そこからそっと唇を重ねる。
先ほど先生にされたことを思い出しながら舌を差し入れるも、そこからどうすればいいのか分からない。それでも先生の舌に自分のそれを重ねると下から絡め取られて深くなっていった。

口付けたままで、わずかばかり身に纏っていたシャツを床に落とされてその上に転がされる。
隣の教室からまた扉の開閉音が聞こえ、それにほっとしているとガチャガチャという音がしてそれが現れた。
自分の起立が可愛いと思えるほど怒張したそれを後ろに宛がわれ、怖さに首にしがみ付くと背中に腕が回された。
その暖かさに身体の力を抜いて、覗き込んでいた先生の目をみて頷く。

「好き…」

呟いた途端にぬぷっと挿し込まれた。
異物感なんてものじゃない。あまりの痛さに息をすることも忘れて身体を強張らせていると、先生の手が宥めるように腿の内側を撫で上げる。
やわやわと撫でられて少し緩むと、先生も息を吐いた。

「ごめ…痛い?」

「いや、オレも我慢できなかったからな…」

腿を辿っていた指がオレの起立を握って扱きはじめた。
根元から強弱をつけて弄られると奥が蠢きだす。擦る手に踊らされるように跳ねる身体の奥が熱塊を深く飲み込んだ。
息を吐いた先生の顔は欲望に彩られていて、その顔を見ただけでオレも腹の底から疼く。

怒張で奥を擦られる度にえもいわれぬ快楽が身体を駆け回り、抜かれまいと絡みつく自身の浅ましさと一杯に満たされる感覚とがせめぎ合い言葉にならぬ喘ぎ声が漏れた。
足を絡ませ背中に爪を立て、激しくなる抜き差しを受け止める。

知らず零れる喘ぎは教室に響くも、すぐに粘膜を擦るいやらしい音にかき消されていった。
ぐちゅぐちゅと奥を抉られ、先走りの滴る起立を扱かれてまた奥が蠢く。

「は…っ、あ、あっ!」

絶頂へと押し上げられた快楽が、切れ切れの喘ぎを口から吐き出していく。
それでもまだイけない。
イイ場所をずらされて擦られるもどかしさに涙が浮かぶと、それを見た先生がニヤリを笑った。

「イきたいか…?」

「う、ンっ!イかせてっ!」

知らなかった快楽に唆されるまま口を出る言葉の意味さえ考えずに復唱していく。

「…これからオレの言うことを聞くな?」

「な、でも…いうこと、聞くから…!」

やけくそで言い切ると抜き差しが激しくなり、正確にイイ場所だけを突いてくる。
奥でなお膨らんだ起立を受け止めて、擦り上げられるよさに耐え切れず2度目の吐精をした。
ビクついて締め上げると、中の怒張が白濁を奥へと注ぎ込んだ。

2人の荒い息だけが響く教室で、ぐったりと床に身体を投げ出して転がる。
まだ居座る熱塊とじんわりと腹の底から滴る生暖かいそれに、最後までしちゃったんだとやっと実感してしがみ付いていた腕を慌てて外した。

「どうした…?」

「なん、でもない。」

先生にしてみたらいっぱいいる恋人の内の一人なんだからと戒める。
大体、そうでもなければ子供で男なオレなんかと最後までするもんか。
色んな人としていて、たまには毛色の変わったヤツとしてみたかっただけだろう。

胸の奥を引っ掻くような痛みが疼いても、それを聞けない時点で恋人じゃないんだと気付いた。
先生の身体の下から抜け出して教壇に座ると中から白濁がドロリと零れてきた。
膝立ちして恐る恐る手を後ろに這わせると尻から腿にかけて伝い落ちるそれを掬い取った。

「こっちに来い。」

前を寛げただけだった先生が身支度を終えて手招きする。
それに従って先生の前にいくと肩を抱き込まれながら後ろに指を差し入れられて掻き出す。
わざと音を立てる指の動きに声を漏らすまいと、先生の肩に額を押し付けて耐えた。

掻き出したそれを拭き取られ、やっと顔を上げると先生がじっとこちらを見ている。
顔を逸らして着替え始めるとふう…とため息を吐かれた。

「なんか誤解してねぇか?」

「してないよ…」

誤解のしようもない。
答えが知りたかったけど、知ってもなお知りたくなるのはオレが子供だからだろうか。
セックスできる程度には好きなんだろう。
それでいいじゃないか。

下敷きにしていたシャツはヨレヨレになってしまったけれどそれにも構わず袖を通して着る。下着とズボンを履いて床に落ちていた鞄を抱えると先生に抱え上げられた。

「ちょ…」

「そんな格好で帰せるか。うちに寄っていけ。」

「…」

嫌だと言いたかったが初めてのことで思った以上に体力を消耗していたらしいオレは、抱え上げられた腕の中で気を失ってしまった。


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