2.片手で器用にシャツのボタンを外していく先生の手をぼんやりと眺めていると、開けたシャツの隙間からするりと指が肌を撫でた。 「ひぇ…っ!?ちょっと待ってってば!さっきやっと好きだって答えてくれたばっかだよね?しかも初めてのキスまでしたよね?!なのに何で触るの?撫でるの?」 最初と言っていたが、それはもう済んでいる筈だ。 質問の最中にも指は止まらずそのまま奥へと滑っていった。脇腹を撫でるその動きがくすぐったくてヒーヒー笑うと、今度は脇の下にまで手が這ってきた。 「…つるつるだな。」 「悪かったな!って、うくくくっ…!もうやめてっ!」 何がしたいのか身体を撫で回す手に翻弄されていいだけ笑わされた。笑いすぎで腹筋が痛くなった頃に先生の顔が落ちてきて耳の後ろに吸い付かれる。 ちくりとした痛みが走った後に耳朶を舐め取られて身体がビクリと震えた。 耳を舌で弄られる感触はぞわぞわしているのに妙な感じに気持ちいい。 思わず身体が逃げを打って黒板の下にコツンと頭が当たる。けれどそれ以上逃げ場がないので必死に身体をそこに押し付けて先生から離れようとするも、腕を取られたままではどうにもできなかった。 濡れた音を立てて耳を嬲られ、逃げ出すことも出来ずに壁に背中を押し付ける。 熱いんだか、気持ちいいんだかさえ分からないその感覚に溺れて息を吐き出すと変な声が漏れた。 女の子のような甲高い声に羞恥が戻ってくる。 「やっ…!」 首を振って逃げると今度は首筋に歯を立てられる。 薄い皮膚に噛みつかれて怖さに身体が強張った。 脈打つそこを執拗に甘噛みされて動けない。 プルプルと震えるオレが逃げ出さないことが分かったのか噛んでいた場所を舌で丁寧に舐めていく。 舌の濡れた感触と生暖かさに、噛まれる恐怖ではなく身の裡から湧き出る熱さへとすり変わっていった。 はだけたシャツのボタンを最後まで外すと、肩を剥かれてそこに口付けを落とされる。 チュッチュッと音を立てて幾度も印を付けられる度に身体がびくりと跳ねてしまう。 手を拘束していた腕も解かれているのに逃げ出すことも忘れてただそれを受け止めていた。 散々弄っていた肩口から先生の顔が遠ざかっていった。 じわりと身体を蝕む熱さに荒い息を漏らし壁を背にぐったりしていると、ガチャガチャという音が下から聞こえてきた。先生の手元に視線をやると自分のベルトを抜かれるところだった。 「なに…?」 ものすごく嫌な予感がする。 抜いたベルトを手渡され、思わず受け取るとその隙に制服のズボンにまで手を掛けてきた。 「ちょっ!何する気だよ?!」 「何ってナニだろ。ツナは初めてだから最初はベッドの上でヤろうと思ってたんだが…」 「イヤイヤイヤ!!明らかにここじゃマズイだろ?!もっと他で…んぎゃー!外すな、下げるな、触るなっ!」 止める気はないのか言いながらも先生の手は器用にオレのズボンを剥いでいく。 体格差がありすぎてお話にならない。腰を片手で持ち上げられて、するりとズボンが床に落ちた。 「だからずっと誘ってたじゃねぇか。それを、その度に山本の応援だ、獄寺とカラオケだとことごとく予定を入れやがって…」 「うえぇぇえ?だって山本の試合は1ヶ月も前からの約束だったし、獄寺くんとは期末前から楽しみにしてたから断れな…ん、ン!」 腰を支えていた手がトランクスの裾から忍び込んで尻を撫で上げる。 慌てて引き剥がそうと腕を押えると、もう片方の手がトランクスのゴムに手を掛けた。 「やだって…この、こうしてやる!」 丁度手にしていたベルトで先生の手をぐるぐる巻きにして適当に絞める。逃げない先生を不審に思いながらも手を動かせないように拘束していく。 それでも黙ったままだ。 「オレが着替えたら外してやるよ。」 もう悪さはできないだろうと目の前の先生を押し退けて立ち上がろうとするも、どかない先生はそのまま顔を胸に落としてきた。 「…いいや、構わないぞ?」 そう呟きながらはだけたシャツに鼻を突っ込んで胸の先に舌を這わせた。そんなところを舐められるとは思ってもいなかったオレは情けない声が漏れる。 「くくくっ…どうした?着替えねぇのか?」 「やめ…そこで喋んなって!」 舐められて濡れたそこをわざと嬲るように唇を動かして触れると、自分でも分かるほどの変化が現れた。 下を覗けば赤く立ち上がったそこを、形を辿るように舌で転がしている様を見せつけられる。 暴れたくとも上から押さえつけられた状態ではそれもムリだった。 「っ…!ぁ、あ!」 舌先で押し潰されると身体が跳ねた。それが楽しくて仕方がないのだというように吸い付いたり噛み付かれたりを繰り返す内に身体が思うように動かなくなってくる。 ぐったりと教壇の上に身体を投げ出していると、縛られたままの手が下着越しに下肢を弄りはじめた。 拘束されているせいであまり動かないくせに、半立ちになったそこを器用になぞっていく指に煽られて仰け反るとぎゅっと大きな手で握られた。 強弱をつける動きに膨らんでいく起立が恥ずかしい。 それでも気持ちよさには勝てなくて押し退けるどころか縋り付く格好で先生のジャケットにしがみ付く。 「ベルトを外すか…?このままだと下着が汚れるぞ。」 「どっちも嫌だっ…!」 下着が汚れるのは勿論嫌だが、ベルトを外したあとが怖い。 先生に抵抗できない自分が分かるからこそ外せない。 そんな答えはお見通しだったのか、膨らんでいく起立を布越しに擦り上げながら唇を肌の上に這わせていく。 脇腹からへそへと辿っていく唇に、強い快楽が湧き上がってきた。 先ほどまではくすぐったいだけだったのにどうなってしまったというのか、触れられる度に膨れ上がる起立から先走りが溢れて下着を汚していく。 ヘソをチロチロと舐められて弾けそうになった起立の根元を強い力で塞き止められた。 イく瞬間を握られたせいで息が止まるほど痛い。 生理的な涙が零れ、荒い息が教室に木霊していた。 「外すか?」 ニヤリと笑う顔が悪魔に見える。 理性を凌駕する本能に唆されて、震える手で先生の拘束を外すと下着を剥ぎ取られて膝裏を掴まれて割り広げられた。 隠すもののないそこをじっと見詰められて、勃起したそこから滴る体液のいやらしさに膝を閉じようとしても強い力で阻止されてそれもできない。 手で覆うが、イきそびれているそこに自分の手が触れるともうダメだった。 ただ見られているだけなのに、湧き上がる快楽に背中を押されて起立を扱き始めるとそれを黙って見ていた先生が腿に舌を這わせる。 いつもは吐き出すまでに時間のかかる自慰も、見られていることと肌を辿る舌に翻弄されてあっけなく弾けた。 身体を震わせて最後まで出しきると、腿から顔を離してそれを穴の開くほど熱心に見詰めていた。 腿から腹に散った白濁を見ていた先生はそこに顔を落として丁寧に舐め取るとおまけだというように肌に吸い付いて跡を残していく。 見るも恥ずかしい淫猥な跡を隠そうと脱げかけていたシャツで覆うも、腰を持ち上げられて奥まで眼前に晒される。 膝裏に口付け、腿から尻にかけて辿っていった舌がその奥にまで忍び込むとそっと触れた。 「ひっ…!」 生暖かい舌が襞のひとつひとつを辿っていき、その度に掠れた悲鳴が上がる。 丹念に舐められても、怖さに強張る身体は逃げを打つ。 それに構わず奥まで舌を差し入れられた。 ビチャビチャと唾液を塗り込める音が耳について、おぼろげながらも何をされるのかが分かってきたオレは手で押し退けようとしてすぐに手を引っ込めた。 先ほど吐精したばかりの白濁が手を汚していて、その手で触れれば汚れてしまう。 汚してしまわないようにと手を握り合わせて頭の上に持っていくと、邪魔されることがなくなったせいかもっと大胆に舌を奥へと突き入れられた。 「っ…はぁ、あぁ…!」 ぞわぞわと這い上がる違和感とは別に、差し込まれた奥からじんわりと滲むような快楽が湧き上がってきた。 逃げたいのに逃げられないほど囚われた身体に手を這わせる先生の顔を覗くと、獲物を前にした肉食獣のように瞳を爛々と輝かせている。 恥ずかしさより求められる悦びに身を委ねていると、視線の先の先生は口端を上げて目を眇めた。 瞬間、つぷり…と奥に何かが捻じ込まれる。 唾液でぬめったそこは引っ掛かることなくそれを飲み込んでいく。 異物感はあれど、痛みを感じないそこをゆっくりとそれが蠢きだした。 押し付けるように奥へと進むそれが指だと分かったのは2本目を差し込まれてからだった。 濡れた音を立てて2本の指が中を弄ると起立がまた膨らんでいく。 縋ることのできない手を握り合わせていると、背中を壁に押し付けられてそこに手を固定された。 膝を大きく割り広げられ、手も頭の後ろで壁に固定された状態で先生に身体を好きなようにされている。 恥ずかしさの中にある快楽に唆されるまま、3本目の指も受け入れた。 . |