リボツナ2 | ナノ



5.




膝裏を抱えられ、左右に割り広げられても抵抗する気もなかった。
熱い起立がゆっくりと中へと押し込められる感覚に、一瞬息を飲んだが少し強引に奥へと挿入されるとすでに蕩けていたそこはすべてを受け入れた。

息を吐いて身体の強張りを解くと、深く打ち込まれた起立をゆっくり入り口まで引き抜かれそうになり、また奥へと穿たれる。ゆるい挿入にすら感じて身体を仰け反らせると上からおかしそうな声が掛かる。

「ずいぶんよさそうだな?」

「…お前が上手だって?」

「まさか。」

膝裏を抱えていた手を外し、腰と背中に手を回された。その手の行く先にすら身体が震え、逃しようもない熱を吐息として吐き出した。
それに構わず抜き差しを激しくしていく背中に必死にしがみついて合わせると、内壁を擦り上げられる度に切れ切れの喘ぎが漏れる。
逃げられないように掴まれた腰に腰を打ち付けられて、恥ずかしいとかみっともないとかもすべて忘れた。
触られてもいないのにリボーンの腹で擦られている自身が起立し互いの皮膚を汚していく感触すら快楽の邪魔にならず、益々激しくなっていく抜き差しによって中と起立を擦られてどうにかなってしまいそうだった。

つうっと上から伝ってきた汗と自分の汗とが混じり、シーツへと吸い込まれていく。
吐き出した息の代わりに吸い込む空気には互いの体臭が混じって、それに染められていくようだ。
ぐっといいところを抉られて身体を強張らせれば、今度はゆるく突かれてもどかしさに自ら腰を進める。腰を押し付ける格好になり、それでももどかくてぎゅっと背中に爪を立てた。

奥へと挿入される熱い塊は一段と質量を増しているのに、動くことをやめて中に居座っているままだ。
恨めしくて閉じていた瞼を開けてリボーンの顔を覗くとこちらを見下ろす顔は暗く欲望に歪んでいるのに、それすらも色香を増す要素へと昇華されていた。
爛々とした黒い瞳に見詰められて急に羞恥が戻ってきた。

「見んなって…!」

見られる恥ずかしさに顔を手で覆うと、両腕を一纏めにされて頭の上へと貼り付けられた。

「隠すな、いい顔じゃねぇか。」

戯れのようにひとつ腰を深く打ちつけられて喘ぎを漏らす様を上からじっくりと眺められた。
視線で嬲られ、中の起立にいいように翻弄される。
恥ずかしさよりももどかしさが勝ってきて、身体の奥からジリジリと焼け付くような飢餓感にどうにもならなくてポロリと涙が零れた。

「…強情だな?」

「っつ…!…なん…」

ぎりきりまで引き抜かれたと思えば、勢いよく押し込まれて声にならない悲鳴があがる。

「オレが欲しいだろ?」

強気な言葉のくせに、やけに真剣な口調で訊ねてくるリボーンの顔を見ると不安の色が見て取れた。
やっと気付いた。
最初にオレが拒絶した言葉に、今も捕らわれているのはリボーンだ。
ごめんなんて言ったら誤解される。だから今日は気の済むまで付き合おうと思った。

「うん…リボーンがほしいよ……リボーンでいっぱいに、して…」

呟いた途端に一番奥まで穿たれた。そこからは言葉もなく獣のように互いを求め続けて、腕も足も身体のどこもかしこも相手の肌の触れたところから溶けていってしまいそうなほど強く重ね合わせた。
腰を打ちつける激しさが増していき、快楽に溺れてひっきりなしに喘ぎが喉をついた。
二人一緒に登っていき、一際激しく擦り上げられてツナが吐き出した。吐精によって奥を締め付けられた瞬間、リボーンもまた白濁を奥へと叩き付けた。

いったばかりの過敏になっているそこへの刺激に仰け反って逃げを打とうとする腰を掴んで、すべてを注ぎ込んだ。
腹の底まで満たされる感覚に過度の刺激で手足が跳ねる。
そのままで身体を抱き込まれ、やっと全身の強張りが解けた。

リボーンの肩口に額を寄せて背中に腕を回す。
互いの腹はツナの白濁によって汚れ、ツナの奥にはまだリボーンが居座ったままだ。
そんなことなどもうどうでもいい。

頬に息がかかって、それがリボーンの唇だと気付くとツナも顔を上げて唇を重ねた。
奪うようなキスではなく、確かめ合うような口付けを何度も繰り返す。
やっと離れたときには互いに息もすっかりあがっていた。

結局、リボーンもツナも同じことで不安になっていたようだった。
自分が男であるということに不安だったのは一緒で、ツナは比べられることに怯えて、リボーンは拒絶されることを恐れていた。
相手のことを好きだという気持ちは確かめあっていたのに、ツナがそれ以上になることを拒んだために身動きが取れなくなって共演者にまで焼きもちを妬くことでやっと一歩踏み出すことができた。

バカバカしいと子供っぽい独占欲だと笑われてもいい。
気付けてよかったと思った。

もう一度リボーンの唇にちゅっと吸い付くと、顔を引き寄せたままで呟いた。

「リボーンがいいよ。…男でも年下でも芸能人でも、関係ないくらい好きだよ。」

「ツナ…」

切れ長の目が思い切り見開かれると、それが年相応に笑み崩れた。
可愛いと心の底から思ったのは初めてかもしれない。
顔から後頭部へと腕を後ろに回すと、リボーンの腕もツナの背中を掻き抱く。
ぴったりと隙間もないくらい抱き合うとそこから溶けていってしまいそうなほどイイ。

それにしても、身体の奥で違和感を感じる。いや違和感というよりは…

「…そろそろ離してくれないかなって…」

「つれねぇこと言うな。自分の発言に責任は持てよ。」

つまりこれはツナの言葉のせいだということだろうか。
だとしても、それとこれとは別だと声を大にして言いたい。

「…ホント、勘弁して。オレもう腰の感覚ないよ。」

「じじぃみたいなこと言ってんな。きっちり最後まで付き合え。」

「ムリ!」

と、言っていうことを聞くような相手でもなければ、一度そんな状態になってしまった場合の沈め方もツナが付き合う以外になくて。
またも大きく育ったそれを奥まで深く突き立てられれば、脆くなった理性のせいでまたもどろどろに溶かされて煽られて、快楽を追うこととなった。


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