リボツナ2 | ナノ



1.







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どこまで許せる?

付き合っている相手にされたら嫌なこと、許せること、○×で答えるも良し。言葉で答えるも良しです。

許せる→〇
許せない→×


ちゃぶ台の上に置かれた一枚の紙に目を通したツナは小首を傾げて中学生3人組に問いかけた。

「なあ、これって付き合っいる相手について答えるんだって。少なくともお前らとは無関係だから。」

「てめぇいい度胸じゃねえか。何か?オレと付き合ってないとでも言う気か?」

「「付き合ってない!」」

即座にリボーンの妄想を断ち切ったスカルとコロネロは、それでもツナに回答して欲しいとじっと見詰めていた。

「分かったよ、それじゃお前らを相手に答えればいいんだよね?」





●合コンに行く


「それはちょっと…早過ぎない?」

「ツナはダメだぞ。ついでにオレたちはそんな集まりなんざなくても学校が常にそんな状態だ。」

「…」

それってどうなの?!と思えど、口には出せないツナだった。


●同窓会に行く


「まだ学生だしね。」

「ツナさん、これは行くんですか?」

「へ?あ、こら!勝手に開けちゃ…」

「何々、ツナ君待ってるね。だぁ?ふざけんな、赦さん!」

「イヤイヤイヤ!?なんでリボーンにお伺い立てなきゃならないの!」

「オレも反対だぜ、コラ!」

「って、だから何でコロネロまで…ああぁ!」

すかさずスカルが鋏を入れてゴミ箱行きになったとか。


●コミュニティサイト


「うーん、いかがわしいサイトじゃなきゃいいと思うよ。オレも好きなアニメのコミュニティサイトに通ってるし。」

「どれ…」

型式の古いノートパソコンを立ち上げて勝手に閲覧するリボーンにもう掛ける言葉もない。
好きにすればいいやと眺めていると、何やらリボーンがカチャカチャと弄り始めた。

「何してんの?」

「てめぇがいかがわしいサイトに行けないようにしてやってるんだぞ。」

「行かないよ!っていうかオレの人権は?!」

この3人組(主にリボーン)と知り合った以上、ないも同然だった。


●(異性と)2人きりで会う


「浮気は赦さねぇ。」

「だから付き合ってないだろ?」

「そうだな、母親公認の仲だからな。もういっそ同棲でもするか?」

「イヤイヤイヤ!!話が噛み合ってないってば!」

「任せろ、ツナ!変態を抹殺してやるぜ!」

「てめぇの言葉で告れねぇヘタレはひっこんでろ。」

「なにぃ!」

いつものようにリボーンとコロネロの蹴り合いが始まり、止めるのも面倒なツナはまあいいやと放っておくことにした。
飽きればその内大人しくなるから。

麦茶の作り置きをしておくかとキッチンに入って支度をしていると、スカルが後ろから声を掛けてきた。

「それでオレたちはいいんですか?」

「あ、そっか。忘れてた。そうだなあ…まだ早いよね?」

そう言うとスカルは嬉しそうな顔で笑っていた。


●男女複数で会う


「これって学生だと当たり前だよな?」

手渡された紙をピラリと捲るとテーブルに置いた。

「そうですね…で、ツナさんはどうでしたか?」

「オレぇ?……どうせモテなかったよ。スカルまでオレ虐めて楽しい?」

「違いますよ。だってあんなハガキが来るってことは
仲がいい女の人が居たってことですよね。」

「あー…あれ?あれはさ、オレじゃなくてオレの友達に来て欲しくて書いて寄越したんだよ。」

ぶくぶく沸いた熱湯の中に麦茶を入れて時計を確認する。

「どういうことですか?」

「オレの友達がさ、すごくいい男なんだよ2人とも。どうしてか2人ともオレが行かないと行かないんだよなー。だからじゃない?」

「…その2人ってどんな人たちなんです?」

難しい顔をしたスカルがこっちに来いとテーブルの前で手招きしていた。
なにか気になることでもあったのだろうか。

「一人は有名人だぞ。プロ野球選手の山本武!すごいだろ?」

聞いた途端に益々スカルの眉間の皺が深くなる。

「もう一人は?」

「ええっと…あったあった、オレの右隣にいるのが獄寺くん。今はイタリアの玩具メーカー勤務のエリートだよ。」

「…どうして携帯電話に写真が?」

「昨日送って貰ったから。前の携帯で撮った写真だったんだけど、携帯解約したときに全部データごと捨てちゃったんだ。でも山本と獄寺くんと3人で撮ったヤツだったからまた欲しくてさ…って、スカル?」

フルフルと小刻みに震えるスカルの顔を覗き込むと、渋い顔できっぱり言い切られた。

「没収します。」

「ええぇぇ?!」

何故かその写真だけ消去された。


●異性と電話


頭にきたオレはスカルの携帯の着信履歴を覗いてやることにした。

「…なんだよ、お前もリボーンたちと同じか。女の子ばっかりだな、かかってくるの。」

「どうせ宿題を一緒にやろうと言われるくらいだ。あの2人とは違います。」

「えーと、それって口実なんじゃない?」

そう訊ねても肩を竦めるだけで相手にもしない。スカルを好きになった子はちょっと可哀想かも。


●異性とメール


どったん、ばったんしているリボーンとコロネロの携帯を拝借して中を覗くと、コロネロは見事に男というか部活関係のメールばかりだった。
稀に女の子からと思われるメールもあるのだが返信した形跡どころか開けてもいない。こいつも女泣かせだ。

さて末恐ろしい伊達男はといえば。

「…マジ?」

毎時間送られてきているメールにこまめに返信しているリボーンは、さすがというしかない。
唖然として眺めているとまたも手元の携帯がメールの着信を知らせていた。

「…」

パタンと閉じてみなかったことにするしかなかった。


●異性とプロフで絡む


「ぷろふ?」

「知らないならいいです。そのままでいて下さい。」

「や、だってそれだと答えられないだろ?」

「いいんですよ。」

暗にバカにされているって思うのは被害妄想だろうか?



●プロフ等にメールボックスを設置される


「そう言えばスカルってサイトとか持ってる?」

「…」

「あれ?持ってないって言わないってことは持ってるんだ?」

そう訊ねるとキョロキョロと辺りを見回して、コロネロとリボーンが聞き耳を立てていないことを確認してから話してくれた。

「…釣り、好きなんで…釣果だけブログをつけてます。」

「へぇ、そうなんだ!今度一緒に釣りに行こうか。」

「はいっ!」

子供らしい笑顔だった。


●キャバクラやホストクラブ、メイド喫茶に行く


「キャバクラやホストクラブは入れないだろ、普通に。メイド喫茶はどうなんだろ?」

スカルにブログを見せて貰いながら、今度どこに釣りに行こうかとひとしきり語り合った後でまたこの紙へ戻ってきたところだった。

ふむと腕を抱えて考えていると、その紙が後ろから伸びてきた手に攫われる。

「なんだ、ツナ。そんな場所に興味があるのか?だったらオレがメイドの格好でご奉仕してやるぞ?ご主人さま。」

「いいいい…いいよ!なんか妙に似合いそうで逆に怖いって!!」

「遠慮するな、イイことしてやるぞ?」

力一杯遠慮したのに、翌日にはメイド服を着たリボーンに追いかけ回されることになろうとは、その時は想像もつかなかった…。


●キャバクラやホストクラブ、メイド喫茶で働く


そんな訳で翌日。

用事があるといって前の晩から姿が見えなかったリボーンが、翌朝鍵の掛かっていた2階の部屋の扉の向こうから妙な声で起こしてくれた。

「起きて下さいませ、ご主人さま。」

「……ご主人さま?」

いや〜な予感に、いつもは寝汚いツナが勢いよく飛び起きてそうっと扉の向こうを窺う。
すると…

「おはようございます、ご主人さま。朝食の支度ができておりますよ。」

「っ…!んぎゃー!!」

目の前には美少女にしか見えない美少年が、フリフリのメイド姿でニヤッとやけに男前な笑顔で立っていたとか。


●1日に1回も連絡が来ない


「えらい目に合った!」

「どうしてだ?可愛いメイドさんだっただろう?」

やっと着替えてくれたリボーンは、着てきたメイド服を綺麗に畳むとオレの服を勝手に着ていた。
それでもあの格好でいられるより数倍いい。

「可愛いメイドさんは、ご主人さまの洋服は剥かないと思うんだけど!」

「いいじゃねぇか。サービス、サービス!」

「そんなサービスいらんわ!」

ぷりぷり怒りながらも、リボーンが作ってくれた朝食にありついた。
白いご飯に紅鮭、卵焼きには大根のすりおろしが添えられていて、根菜いっぱいの味噌汁に近所の佃煮屋さんの佃煮が並んでいる。

ありがたく手を合わせて頂くと、リボーンが口を尖らせて呟いた。

「昨夜はオレがいなくて寂しかったか?」

こういうところはまだ子供だと安心する。
だから箸を置いてリボーンの頭を撫でてから言ってやった。

「突然帰っちゃって寂しかったよ。連絡くらい欲しいな。」

ぱぁ…と表情が明るくなったリボーンは、いきなり立ち上がると抱き付いてきた。

「チッ、しょうがねぇ大人だな。」

「はい、はい。どうせダメツナですよ。」

抱き付いてきたリボーンに絞め殺されるかと思うほど首に捲きつかれていると、ぼそりとリボーンが呟いた。

「大好きだぞ。」

返事をしたいからその手を外して欲しい。


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