リボツナ2 | ナノ



1.





結構前から、そうだな…まだ日本に居るときからだった。

最初は朝の挨拶と称してだったり、おやすみの前に。
軽く唇が触れる程度のやつ。挨拶にしろマウストゥマウスは違うんじゃないかとさすがに思ったよ?

でも相手は幼児で、例え中身はイタリア男だったとしてもその可愛らしい容貌と滅多に甘えない性格の彼が、その時だけはめいっぱい可愛くねだってきてさ。…今なら分かるよ、アレは確信犯だったって。でもその時のオレはまだ分かっていなかったんだ。だから唇までは気にすることなく、普通にブチュとしてた。

何?今もだろうって?馬鹿言っちゃっいけないよ。マジでそんな風に見えるのか…ショックだ。慣らされたせいだとしたら悲し過ぎる。

それから先?勿論お断りし続けたさ。
でもアイツ上手いんだよ。キスもだけど、その先に持っていくのが。だからってオレはショタじゃないからそんな雰囲気に持っていかれないように色々したよ。

超直感もあるしね。リボーンにはよく鈍感とか天然とも言われたなぁ。こっちまでダメツナだって。

段々とエスカレートしてきたのはイタリアに渡ってからだったと思う。

唇と唇を重ねるだけじゃなく、口を塞がれて息がうまくつげなくなって軽く息を吸い込むために開けた隙間から舌をさしこまれて、びっくりしたオレは自分の舌を縮めるんだけど、苦しさにむせたところをまた更に塞がれる。執拗に舌を割り込ませて息が上手につげなくてぼうっとしてるところをいいように貪っていく。慣れるまではそんな繰り返しだった。
リボーンの息のつぎ方、舌の使い方に慣れると、今度は足の先まで痺れるような快感ともどかしさにどうにかなりそうだった。

それでもリボーンは先を急がず、ゆっくりとオレを快感に慣らしていった。

リボーンに与えられるキスに気持ちも慣れてきた頃、今度は内股や脇の肌の柔らかいところをやわやわと撫でる仕草をするようになった。

これにはなかなか慣れなくて、触られる度に身体が勝手に跳ねたな。今も慣れてはいないけど。

そういう愛撫みたいなのってヤバいから、服やスボンだけは死守した。まぁそれも身長を抜かれるまでの短い間だったけどね。

身長を抜かれたって気付いたのは、いつものように護衛に付いてくれている時のことだった。

車から降りる時に手を引かれてリボーンの隣に立った時に気付いたのだ。

いつもならきちんと合う視線が噛み合わない。最初はリボーンが何か怒っていて合わないのだと思っていた。だけど何に怒っているのか分からなくて、視線を合わせようと少し上を向いて…気が付いた。

「お前、背ぇ伸びたな…。」

唖然としたさ。子供だと思っていたのに。例え中身はイタリア男で先生でオレより大人だったとしても。身体が追いつかない内は子供扱いをしようと思っていた矢先だったのに。

「あぁ、追い越したぞ。」

いつものようにニヤリとも笑わなかった。

繋いだ手が冷たかった…。



それからしばらくは縦に伸びただけの少年体型で、おはようとおやすみのキス以上はすることが無くなっていた。だからオレはオレに嫌がらせをする必要が無くなったのだと思っていた。

よく小学生が情けない大人をやり込めることがあるだろ。それも成長するに従って人の気持ちを汲んだり事情を察したりできるようになるとそんな事はしなくなるじゃないか。そんなものだと思っていたんだ。そしてその思惑は3万光年向こうに向かっていたということに気が付いたのは今だったりする訳で。


「先生、分かったからこの紐を解いて下さい。」

「あほか、解いたら逃げんだろーが。」

「逃げるに決まってるだろ!?オレはショタコンじゃねぇ!しかもオレがされる方なんてイ…っ、うぅ…」

最後まで喋れなかったのは唇を唇で塞がれたからだ。喋っていたところだったので開いていた唇に舌を捩じ込んで思う様貪られた!
すでに慣らされているオレはリボーンに煽られて舐め取られこの身をソファに投げ出す。

弛緩した身体からシャツのボタンを外し、紐で頭の上にひと纏めにされた腕までずり上げると筋ばっているが白く長い指先が胸元を撫で上げる。そうして唇から離れた唇が頬を伝いネットリと耳まで辿り付くと耳朶を甘噛みし、耳裏を舐め上げる。

荒い息を吐き、涙で霞む視界でリボーンを睨む。睨むが自分でも分かる程迫力なんかありゃしない。

「愛してるぞ。オマエはオレしかいらねーだろ?ガキだ何だと文句付けたって他の誰にも、唇すら許しちゃいねぇ。」

「違う!」

「違わねーよ。それなら何でコロネロやスカルにはキスを許さねえ。掌で庇ったり横を向いたりして必死に守っていやがる?」

「っ…だからオレはショタコンじゃねぇ。それにお前は勝手にしてくるだけだ。」

「ラル・ミルチにひん剥かれそうになって、オレのところに逃げてきたのは誰だ?」

「ロリコンでもないんだよ!」

くくくっと口端だけ上げるニヒルな笑い方も嫌になるほど似合うようになったんだな。

きちっと綺麗に絞められたネクタイを指で掴んで左右に振り少し寛げると、ジャケットを向かいのソファに投げ捨てる。

「そんじゃあ言い方変えてやるぞ。出来の悪い生徒に最後の性授業だ。ただし、他のヤツとこの授業の成果を試したら、そいつの命はないと思え。」

「ちょっ…!まっ!!?おま…うっう…」

最初が縛られながらってどんな愛情表現なんだよ!
…次の日、青痣と鬱血だらけの手首と首筋を見て深くため息を付いたことだけは言っておこう。
ぶっちゃけ鬱血は全身隈なく、際どいところにこそ隙間なく埋め尽くされていて、しかも噛み後までばっちり残っていたのだけれど。足腰が立たなくてシャワーまで抱っこされたことは誰にも言わないけどな。つーか言うなよ!
それだけしか言えないのがなんとも情けなかったりするけど。



終われ



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