リボツナ2 | ナノ



今日は何をする?




ふわりと頬を撫でる風に起こされた。
窓から入る風とカーテン越しの光が、朝の空気を連れてくる。

意識は浮上してきたが、身体が他人のように言うことを利かない。
手も足も、腰も、動かそうとするとギシギシと音がする。

横のというか、上のリボーンはしっかり目を覚ましていて、オレを抱える腕は強くて余計に動けない。
嫌じゃないけど、ないけどいい加減に離して欲しい。
昨日の朝からこの調子なのだ。


「リボーン…離して。」

「嫌だぞ。」

「あのねぇ…もうオレしないよ?明日は学校だから。」

「そんなにしてねぇじゃねーか。」

確かに最後までしたのは2回で、回数的にはそんなになんだろうけれど。
その前後があっただろうに!
しかもまだリボーンの手は身体を這いまわっている。その手の感触にいちいちゾクゾク反応させられるオレもオレだけど。

だってリボーンの手だ。
白くって大きい、この手に触れられるとどうにかなりそうだ。

けれども。

いい加減、24時間耐久レースじゃあるまいし、勘弁して貰いたいと思うのはいけないだろうか。
昨日からはちみつトーストを少々とリゾットくらいしか口にしていない。

「お腹が空いたってば!」

覆いかぶさる肩に噛み付いてみる。
にやけているだけで、痛そうな顔もしないリボーンにもう一回噛み付いた。

「キスマークならもうちょっと綺麗に付けろよ。」

「誰が!……あれ?」

頭に来て、むにりと頬を抓ると自分の手首が目に入った。手首というか、そこに無数に付いている赤い痕に。

「んなっ?!これ、いつの間に?…っていうか、お前…。」

絶句だ。何だこれ。
よく見れば、手首といわず柔らかい皮膚のところはまんべんなく付いている。
がばりと起き上がって確認すると、胸や脇腹、腿の内側にまでびっしりと。


「…オレ、体育の時着替えできないよ。」

「サボればいい。」

「サボれるか!」

泣きたくなってきた。ちょっと優しいかと思えば、こんなオチか。
それでもいいんだから、自分の趣味の悪さに辟易するしかない。


「今度からはもうちょっと付けるのを減らして。」

「…もうしない、って言わないんだな。」

意地悪だ。
寝転がるリボーンに伸し掛かる。
ちっとも重そうでもない顔にムカつくが、力を込めてやったら鳩尾に入ったらしく、少し息を止めていた。
ふん、だ。


最後までしたのは、これで2回目だ。
初めての時から2ヶ月は過ぎているんだけど、入学したてな上、またも学力がアレでリボーンのカテキョーのお世話になっていたりして…そんな雰囲気にならなかっただけなんだけど、またもお預けになっちゃってた感は否めない。

やっと中間試験を終えて、どうにか平均までいったので感謝を込めて泊まり込んでいる訳なのだが。
最初の金曜日はアルコールで撃沈し、翌日は二日酔いでぐらぐらだったのだが、その後から今に至るまでまともに服も着させて貰ってない状況って…よく考えると恥ずかしい。

慌ててリボーンの上から身体を起こす。
筋肉痛だろう痛みに、昨日のアレやコレを思い出しそうになって、頭を振ると勢いよくベッドから飛び出た。

「ちっ、しょうがねぇな…シャワー浴びて来い。朝めし喰いに行くぞ。」

「オレ作るよ?」

「慣れない頭を使ったご褒美だからいい。ツナは今日行きたいところを考えておけよ。」

…ご褒美だったんだ。どうりで優しいと思った。
金曜日の桃のアルコールもひょっとしたらその一環だったのかもしれない。あそこまでオレが弱いって思ってなかったんだろうな。

そっか。


「なぁ、一緒に入ろうか?」

「ぶっ…!」

何故か噴出したリボーン。

「その方が早いし!」

ベッドの上で、頭を抱えるリボーン。心底不思議だ。何か不都合でもあるのだろうか?

「とっとと行って来い!」

「分かったよ!っとに、もう!」

変なヤツだな。今更恥ずかしいもなにもないのに。
ドタドタと着替え一式を手にシャワーを浴びに出ていったツナの背中を尻目に、ある意味一番疲れた一幕だったリボーンはベッドの上で撃沈していた。


さて、今日はどこで何をしようか?



終わり



ひよこ屋さまより『朝』のお題を拝借しました










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