リボツナ2 | ナノ



10.




リボーンに担がれたままコンビニから帰ると、家には母さんがいなかった。
テーブルには「お友達の家に赤ちゃんを見に行ってきます。夕飯までに帰ると思うけど、間に合わなかったら何か食べていてね」と置手紙があった。

何か食べてって…ぶつぶつ言って冷蔵庫を覗くとそれなにりある。下手なりに作ればいいか。

炭酸でべちゃべちゃになったシャツとズボンは玄関で脱いでいたので、パンツ一丁で肩からタオルを被っている。コロネロに拭かれたので水滴は落ちないがやっぱり気持ち悪い。風呂入ろう。
そう思っていると遠くから声が掛かった。

「はははは早く風呂入ってこい!コラ!!」

「うん。」

入ってきたままの格好で玄関で固まっているコロネロの顔が赤い。
つーかなんでまだそこにいるの?しかもオレ、コロネロと接触してないよね?

クエスチョンマークを飛ばしていると、リボーンがオレとコロネロの間に立ってオレの背中を押した。

「ヘタレを構ってないでとっとと風呂入って来い。」

「分かったって!イチイチ耳に口寄せんなっ!」

耳を塞ぎならが風呂場に逃げ込んだ。っとに、何でああいう嫌がらせをするようになったんだろう?オレが過剰反応するからか?でも普通は男子中学生にはしないんじゃないのか?分かんねー。

パンツを脱いで風呂場に入る。湯は張っていないのでシャワーだけだけど、炭酸が流れて気持ちいい。コロネロに拭かれたので余計にハネまくってひっかかる髪をシャンプーして身体を石鹸で洗う。
うん、ピカピカ!

バスタオルで拭いているとチャイムが鳴った。
このまま出ることはできない。

「リボーン!悪いけど出て。」

何やらコロネロと言い争っていたっぽいけど、出てくれたらしい。
その隙にオレは洋服を着て、身なりを整えた。もしうちの用事ならオレがでなきゃいけないしね。

リボーンが出たらしく、足音がしなかったがガチャリとドアが開く音がした。すると女の人の声が聞こえてきた。涙交じりの声だった。

「リボーン、私の愛しい人…やっと見つけたわ。」

脱衣所から出ようとしたが、聞こえてしまった台詞にオレは固まった。
…これって彼女ってやつ?それともおっかけ?

それでもここにいつまでも居る訳にもいかず、そろりそろりと顔を出して覗くとリボーンと髪の長い女の人が抱き合っていた。

刺激的な場面を見てしまって固まったオレに気付いたリボーンが、女の人を引き離すとオレの方に向ってちょっと焦った顔をしていた。
珍しい。別に焦ることないのに。高校生の時には毎週彼女が変わっていたなんてこともあったし。
…それとも見られるとオレに茶化されると思ってるのかな。そこまでガキじゃないんだけど。

「えーと。取りあえず上がって貰えば?」

「あ、ああ。」

リボーンの後ろに付いてきた彼女?をちらりと見たがすげえ綺麗な人だった。う〜ん、お似合いって感じ。
相手の人もオレを横目で見たと思ったら、睨みつけてきた。美人が怒ると怖い。鬼のようだ。

びくっと肩を震わせていると、後ろからきたコロネロが肩をぽんと叩いてくれた。
びびったのがバレてたらしい。

「どうした?」

「いや、リボーンの彼女らしいんだけど…。」

「あいつは愛人はいるが、彼女は聞いたことがねぇなコラ。」

愛人…なんてリボーンらしい存在だ。つーかリボーンならなんでもアリだ。
幼稚園児からお年寄りまで女という女はタラシ込むからなぁ。
でも、何でオレが睨まれたんだろう?オレは男だからどうにもならないんだけど。

不思議に思っていたけど、お客さんということでキッチンでお茶の用意をする。
コロネロはオレの後ろで座っていた。ま、リボーンのお客さんだからね。コロネロが居ても仕方ない。

お茶とお茶菓子を手に居間に向う。
居間にはリボーンの横に座り、しなだれかかる女の人が。

「たいしたものはありませんが、よければどーぞ。」

テーブルに置くと、二人っきりにしてあげようと足早にドアに向う。すると女の人から鋭い声が上がった。

「ねぇ…あなたでしょう?リボーンの教え子って。」

険を含む視線をオレに向けながら言葉を紡ぐ。

「…そうですけど?」

「あなたが居るからリボーンがジャッポーネに帰ってしまったのね。リボーンを返してちょうだい。」

「返してって言われても…どうぞ?」

「オイ!てめぇ何勝手にやり取りしてやがる。」

「や、欲しい人がいるならその方がいいんじゃないの?」

大体、腕にその人纏わり付かせてるってことはそーいう仲じゃないのかと思ったんだけど。何故だかむかっとして、投げやりに答えてしまった。

「リボーンを賭けて勝負しましょう。…料理勝負よ!」

「え…何で勝負するの?どうぞって言ってんの」

に、までは言わせて貰えなかった。飛んできたBB弾のせいで。
ってか、いくらエアガンだからって当たれば痛いのだ。頬の数ミリ横を通っていったので恐怖で鳥肌が立った。怖ぇぇ!
涙目になったオレをコロネロが抱えてくれた。うん、嬉しいけど大丈夫?と上を見るとすごく怒った顔をしていた。

何でだろう。意外と腐れ縁思い?勝負でコイツを賭けることに怒ってるなんて良いヤツだなーと思っているとまったく違うことを言い始めた。

「てめー何ツナに勝負させようとしてやがる!この女と勝負して勝っちまったらツナをどうするつもりだコラ!」

へ?勝ったらどうなるって、どうなるの?
普通負けたらじゃないの?

不思議な会話にまたもクエスチョンマークを飛ばしていると、リボーンはニヤリと黒い笑みを浮かべていた。
ぞくっ…
ここ近年で最大の悪寒が走った。っていうことは碌なことにならないと?!

「何言っているの!私が負ける訳がないわ!リボーンへの愛がこんなに溢れているのに!」

自信溢れる美人さんの宣言に、オレも深く頷いた。そうだよ!オレが勝つ訳ないよ。
がんばって下さいね、お姉さん。


.










人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -