8.あれから、結局目覚ましも手に入れて夕飯近くまで遊び倒してしまった。 久しぶりにリボーンとゲーセンに入って格闘ゲームをしたり、UFOキャッチャーをして遊んでいたらこの時間になっていたのだ。 「うわ〜もう6時だ。帰ろっか。」 「そうだな、小学生は夜の6時以降はゲーセンから締め出されるんだぞ。知ってたか?」 「それがオレに関係あるの?」 ふふん、と余裕の笑みを浮かべる幼馴染み。ムカつく〜! 後ろから、店員がオレに声を掛けようかどうしようか考えていたのが見えたが無視だ。 ゲーセンを出ると夕日が半分くらい落ちていた。 辺りは薄暗くなりはじめ、帰る道の人通りもまばらだ。 隣を見ると頭一つ分は違う位置にある顔。いつもは正面から覗き込まれたり、上から睨みつけられたりしているが横顔ってそう言えばあんまり見たことがない。 それっていつもオレの方を見ているってこと? 「ツナ…飯はどうする?」 「母さん作って待ってるよ。帰ろう。」 一杯取ってもらったUFOキャッチャーのプラモも組み立てたいしさ。 このフィギアすげーよく出来てるからどこ飾ろうかな。 「このお子様め。」 今のはぐさっとキた。小学生並みだったかも…とちょっと思わなくもなかったとこだけに。 「いーだろ?!リボーンが取ってくれた物を大事にするだけじゃん!」 「だったら今度はもっとイイ物贈ってやる。」 「…何だかお前の言うイイ物って怖いから、これで充分だよ。洋服も貰っちゃったし。」 着ている服を摘んで顔を覗き込むと、珍しく嬉しそうな顔をしていた。天変地異の前触れか!? かなり失礼なことを思っていると腕が首に周ってきた。ぐるぢぃ… 耳元に寄ってきた口から低い声が漏れる。 「似合ってるぞ。」 ぞくぞくぅ〜ときた。 気持ち悪さに耳を押さえて顔を押し退ける。 「耳は嫌だっつってんだろ!?やめろよ!」 やれやれって肩竦めんな。馬鹿にしたような顔もやめろ。 「そういう悪戯は落としたい女にでもしろよ!」 「お、それくらいは気付いたか。そうか、よく育ってきたな。」 「お・ま・え・は〜…。」 疲れた。相手をするのも馬鹿馬鹿しい。 諦めたオレは、ウエストに回った手を解くのも面倒でそのまま家路に着いた。 . |