2.リボーンのせいでパン一枚しか口にできなかったツナは、慌しく家を後にする。 ただでさえお間抜けな綱吉は慌て過ぎて靴紐で足をひっかけ、ズベシ!と顔から転んだ。 「うううっ、いってぇ!」 そこにランニングから帰ってきた道向かいの幼馴染みその2が声を掛ける。ちなみにリボーンと同じ年でいつも何から何まで張り合っていた。 「大丈夫かコラ?お前、勢いよく転んだな。」 コロネロという、でっかい青年だ。 先日までどこかに教官として指導していたとか言っていた。 その鍛え抜かれた身体は軍人!という感じだが、教官というのならば自動車学校で教鞭を取っていたのだろうか?…不思議だ。 それはともかく、 「〜!大丈夫じゃない…しかも学校に間に合わないっ!」 真っ赤な鼻を押さえてでっかい目が潤みだす。その顔に弱い年上の幼馴染みは仕方ねーなと言うと自転車を出してきて、手を差し伸べた。 「ほら、立て。」 手をひっぱって立たせると、赤くなった鼻に絆創膏を貼ると頭をぐりぐりした。 「仕方ない、自転車で乗せてってやるぜコラ!」 「いいの?!」 「おう。」 ぱっと顔を輝かせてコロネロの乗る自転車に飛び乗った。 ウエストに腕を巻きつける。もういいよ、と言うためにコロネロを見上げると、顔は見えないが耳が真っ赤になっていた。 「コロネロ…相変わらず人に触られるの苦手なの?」 「ちちちっ違うっつてんだろうが!」 そんなにどもっていればバレバレだ。 乗れと言われたのだし、離せとも言われなかったのでそのまま抱き付いているとコロネロが顔を向けた。 やはり真っ赤だ。 「お前以外はこんなにならないぜ。」 「ふーん?」 イマイチよく分からないが、オレ限定ってことかな。 「変わってるね。って、コロネロ早く!遅刻しちゃうだろ!」 コロネロはがくりと項垂れた。何だか黄昏ている?どうして? 気を取り直したコロネロは勢いよく走り出した。すごいスピードだ。そこらのカブを追い越している。何キロ出てるんだ…。 リボーンに負けるかぁーー!と叫んでいるが、また何か張り合っているのか。オレが巻き込まれなければいいんだけど、何故かいつも巻き込まれるんだよなぁ。 「ちょっ!!コロネローーー!もうちょっとスピード緩めろぉ!!」 綱吉の絶叫が並盛の町に木霊していた。 リボーンとコロネロが張り合うのは綱吉が原因なのだが、その理由を知るのはもう少し先のお話。 . |