リボツナ2 | ナノ



5.




「ただいま〜!」

今日は遅くなった綱吉が、7時を過ぎて帰ってきた。
嬉しげに玄関まで迎えにいく四男と、居間から顔を覗かせて迎える三男。

「おかえりなさい。」

「遅くなってゴメンね?」

スーツに着せられている感がある青年が、鞄と荷物を抱えて居間に入る。
待ち構えていた三男がそれを受け取ると、荷物置き場に置く。

「気にしなくていいです。夕飯は出来てますが、先に風呂に入ったらどうですか?」

居間に入り、次男にもただいまを言う。
スカルの言葉に少し考えると、ニコっと笑って高校生2人に声を掛けた。

「一緒に入る?」

ブー!!!

横で聞いていた休暇中の次男が、飲んでいたビールを吹いた。
気管支に入ったのか噎せている。

その近くで三男が鼻を押えていたが、綱吉の近くにいた四男が一番の被害者だったようでひっくり返った。

「うわっ!!どうしたの?」

どうしたもこうしたもない。
悪気なく言われた一言に3人が3人悶絶していると、分からない綱吉が分からないながら風呂に一緒に入る発言が悪かったのかと納得した。

「そっか…ここのお風呂大きいから3人くらいなら入れそうだと思ったんだ。でも、よく考えたら2人とも高校生だし、一緒はないか。ゴメン。先に貰ってくるね!」

最後まで検討違いな方向に行ったまま、風呂場へと去っていった。
その姿が見えなくなるのを確認して3兄弟がまたもヒソヒソを牽制をはじめる。

「フン、てめーら歯牙にもかけられてねーなコラ!」

「問題外のアンタに言われたくありません。」

「ボクらのこと子供扱いしてくれたね。自分の方がよっぽど子供みたいな顔しててさ。…いいよ、それならもっと大人に見られるようなアピールをするだけだ。」

「何する気なんですか?!」

「…背中でも流しに行こうかな。」

「ゴラァァ!てめーナニする気だ!?」

喧々囂々、小声での攻防が続いていた。
しかし廊下からペタリ、ペタリとスリッパの音が聞こえるとそれも止む。

ガチャと居間のドアが開くと、3人が一斉に離れて取り繕う。
そこに綱吉が呑気に足を踏み入れる。

「お先に〜!」

「おう!いい湯だった…」

ガゴン。
最後まで言えずに、手にしていた缶ビールごと床に落ちた。

不審に思ったスカルが夕飯をよそっていたキッチンから覗くと、同じくお玉を落とす。

「何?ツナヨシやけに早かったね、カラスの行水だって…」

何も手にしていないマーモンだけは助かったのか。

「どうしたの?3人ともこっち向いたまま何固まってるの??」

分からない綱吉が頭から被ったタオルでごしごしと髪を拭いている。
視線は足に行っている。何かついていただろうか?
自分の足を見るが何も付いてはいない。

「ただいま。今日は早く帰れたぞ…」

そこへ丁度いいんだか悪いんだかのタイミングで帰ってきたリボーン。
綱吉を見ると3兄弟と同じく固まる。

しかし流石は長兄。解凍されるのも一番早かった。
すかさず綱吉を抱き上げると韋駄天も真っ青な早さで2階まで駆け上がっていった。

そこでやっと解凍された3人は。

「何だ…あの白い脚は。」

「どうしてTシャツにパンツで出てくるのさっ!」

「……。」

スカルには刺激が強過ぎたようだ。いまだ言葉も出ない。

罪作りな綱吉が、風呂から上がったばかりのほんのりピンク色の肌を惜しげもなく晒してくれた。
マーモンの言うように半袖Tシャツにパンツとう普通の男ならば汚い物見せるな!な格好も、綱吉がすると途端に見てはいけないものを見てしまったという雰囲気になる。

「何でだ…同じ男なのに…。」

真っ白い脚が目に焼き付いて離れないスカルはぶつぶつと呟く。

「しかもほんのりピンク色してたよ、太腿が…。」

同じく抜群の記憶力で忘れられなくなった画像を思い浮かべるマーモン。

「二の腕の内側もだコラ…。」

一番長く見ていた次男がポツリと零す。

「「むっつりスケベ。」」

三男と四男が奇しくもハモる。

「てめーらも同じだろうがっ!!」

次男が下の兄弟を追い掛け回している間に、長兄が居候に足を見せるなかれ、とお説教をしていたらしい。
翌日からはパンツ一丁で出てくることがなくなって、ほっとしたやらがっかりしたやらの兄弟だった。



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