小説 | ナノ


7.



「なんだ、せっかく綺麗にしてやってるのに、また汚すのか?」

それに気づいたリボーンさんが、舌先でわざとらしく先端をつつきながら言う。

「って…、だって…」

言い訳をするように首を振るが、綺麗にすると言うより確実に愛撫に近いそれに、勃ちあがった先は俺の意志を無視して気持ちよさにトロトロと液を漏らした。
(どうしよう、どうしよう…。止めないと、ホントにリボーンさんから呆れられちゃう…)
そうは思うのに、リボーンさんの舌をもっと感じたくて起立は請うように震えて腰も揺れ出している。
(やだ、ダメだよ…)
気持ちが必死に理性に訴えかけるのに、止まらない。

「やぁ、リボーンさん…、リボーン…」
「なんだ?」

何かを言わせたいように、溢れ出る液を丁寧に舐めとりながらリボーンさんが俺を見つめた。
ゴクリと息を呑む。
たぶん、それを言ったらきっとこの延々と続く快楽から一時は逃してもらう事はできるだろう。
けど、その後にどんな仕打ちが待っているのかを考えると、簡単には口に出せない言葉だった。
だって、言ってしまったらここまで我慢してきた事自体が無駄になってしまう。
なんの為に我慢したのか…
(リボーンさんの言う、いい子じゃなくなっちゃう…)
それでも、リボーンさんの瞳は何かを言わせたくて揺れている。
(いいのかな…、言っちゃっても…いいのかな…)

「ツナ…」
「んんっ」

パクリと、答えが待ちきれなかったようにリボーンさんがついに俺の起立を口に含んだ。
そのまま上下に唇で扱かれ、舌が起立全体を舐め回す。

「ひぁっ!やっ、ああ!!」

声を抑えることもなく悲鳴をあげれば、俺はあっと言う間に二度目の精をリボーンさんの口の中に放った。

「…淫乱」

呟かれた言葉に、俺は観念したように頷いた。

「…で、いい…」

はぁはぁと息を整えながら、唾液と精子で濡れたそこを着替えるはずだった下着で拭っているリボーンさんにキスを求める。
まるでそうなると分かっていたようにリボーンさんは微笑みながらゆっくりと唇を寄せ、乱れた息ごと塞ぐようにして深くまで舌を絡め合わせた。

「それで?どうする?ツナ」

くちゅりとリップ音を鳴らして唇を外し、しかし完全には離れずに軽く唇に触れながら聞かれれば、

「おしおき、されていい…から、もっと…して…」

俺はもう、我慢も何もかもを忘れてリボーンさんにそう言っていた。

「そうか」

俺の一言に、リボーンさんの笑みがさらに深くなる。
待っていた。まるでそう言っているような笑みに早くも後悔を始めた俺だったらけれど、一度口から出た言葉はもう撤回できない。

「ツナは我慢の出来ない悪い子でいいんだな?」

最後の確認だと言わんばかりのリボーンさんの質問に頷けば、

「じゃあご褒美は無しで、代わりにたっぷりと宿で仕置きしてやるぞ」

言うが早いか、リボーンさんは胸にテープで止めていたローターのスイッチを強引に剥がすと、そのままローターの動きをオフにしてしまった。
ああ、ようやくこれで解放されるのかと息をつきそうになったその時だ。

「ひあっ!!」

二度目の精を放ったあとでもまだゆるく勃っていたそれにリボーンさんの指が触れ、どこに持っていたのかそれにゴムを被せはじめた。

「なに?」

どうして自分のそれにゴムなんか付けられるのかわからず、しかし付ける指の動きとぴったり張り付いてくるゴムの感触にまた震えが走る。

「被せときゃ、何度かイっても外にあまり漏れねぇだろ?」
「え?」

何を言っているのか理解出来ないうちに、ゴムを付けられたそこの上から、外したはずのローターの紐をぐるぐると巻きつけられた。
先端側にローター部分が触れるように固定され、再びスイッチをオンにされる。

「んやぁ!!」

再びビクンと体が跳ねた。
前への細かな刺激に、何も咥える物が無くなった後ろもひくひくと一緒に震えだす。

「俺の手でなくともイけるんだもんな?ツナは」
「ちがっ!やだ、やだこんなの!」

嫌だと首を振ってもリボーンさんは許してくれない。
これがお仕置きってことなのか?
解放されて、リボーンさんのアレを挿れてくれるのではないのか?
訴える俺の視線を無視して、リボーンさんは床に落ちたジーンズを再び俺に履かせると、そのまま背中に抱え上げられてしまう。

「下着を変えた所でまた濡らすだろ?だったら、ゴムの中に出し続けてろよ」
「やだ!いやだよ!」

こんなの嫌だ!
言いながらもローターの刺激で先端からはすでに液が漏れ、ゴムの中に溜まっているのが自分でもよくわかった。

「宿につくまで何回イくのか、見ててやるぞ」
「んあっ」

抱えられた尻を揉まれ、パクパクと入り口が物欲しげに開いた。
助手席に再び放り投げられ、俺はすぐにでもローターを止めたくてジーンズに手をかけるが、

「外したら、宿に付いても挿れてやらねぇぞ?」
「!!」

がっちりと釘を刺された。

「ちなみにもうお前の下着はねぇからな。何も履かないよりは、ゴムでもつけてた方が安心だろう?」

安心になんかなるものか!
叫ぼうとした俺に、けれどもリボーンさんは無視をして車のエンジンをかけてしまうと、そのまま車は再び宿を目指して走り出した。

景色が移り変わっていく外を横目に、俺は必死で自分の唇を噛み締めた。
刺激されるゴムを付けた先端は、我慢しているものを出したいと悲鳴を上げそうなほどになっている。

「んっ…、ふ…ぅ…!」

座っているシートの上で快楽を求めて揺れてしまう腰を理性がストップをかけるが、身体は中々理性に応じてくれない。

「今は我慢しなくていいんだぞ?」

此方に目も向けず口元に笑みを作って言われた誘惑の言葉にごくりと唾液を飲み込む。
こんな場所で、誰に見られるともわからないところでイくなんて恥かしい。
そう思う反面、街中を走って信号で止まったりするよりも、渋滞せず高速道路を走り続けている今の方がはるかに人に見られる可能性が低いことにも俺は気付いていた。
朝方だから対向車も疎らで、例え見られたとしても一瞬で通りすがるのだからバレる可能性は低いのではないか…。
頭の中でそんなことを考えてしまってから自身の起立に意識を向けると、もう我慢出来そうにもなかった。

「リボー…さ…っ」

本当にイってもいい?と、我慢を重ねて潤んだ瞳で見つめれば、ハンドルから片手だけ離した手が俺の頬に伸びてきた。
暖かい体温が頬を優しく撫で、首筋を滑り落ちていく指の感触に僅かに残っていた自分の理性が無くなるのを感じた。

「ふっ…ぁああっ!」

リボーンさんに触れられただけで快感が全身を走り抜け、呆気なく放出された熱を被せられているゴムに受け止められながらビクビクと身体を震わせる。
それでも息付く暇もなく振動を伝えてくるローターのせいで、またすぐにせり上がってくる射精感。

「んぁ…っ、も…がまん出来なっ…」
「しなくていいって言っただろ?…もっとツナの可愛い声を聞かせろよ」

俺が一度達したことを喜ぶように頭を撫でながら言われて嬉しくなる。
もっとリボーンさんに喜んでもらいたい。頭を撫でてもらいたい。
そんな気持ちが湧き上がって俺の頭の中をいっぱいにしていく。

「ぁ…もっと触って…っ、リボーンさん」

頭を撫でていたリボーンさんの手を両手で握り、自ら服の中へと導いた。
腹を滑る掌に快感で身体を震わせながら起ち上がった胸の先まで持っていくと、リボーンさんの指がそこを掠めた。

「ふぁっ…あ…もっと…」

掠めただけでは足りなくて胸全体に掌を押し付け、指先に乳首が当たるようにしてリボーンさんの手を動かす。
自分の体温とは違う体温に触れられている。
それがリボーンさんの手なんだと思うとそれだけで喜ぶ身体。
何度も何度もリボーンさんの手に乳首を擦り付け、また欲望を吐き出して喘ぐとイって余韻に浸る間もなくリボーンさんの指が俺の尖った乳首をきゅっと摘みあげた。

「ひぁあんっ!」

まだ息も整っていないのに摘んでクリクリと弄り回され、殆ど間を置くこともなくまた射精してしまう。

「はっ…ぁ…、ほし…よ…っ」

胸を弄られ、起立を苛められ、放っておかれたままの秘部がリボーンさんの熱を欲しがってどうしようもない。
何度イかされてもそこをリボーンさんの熱いもので埋めてもらわないと満足が出来ない。
そんなことを思いながら淫乱と言われた言葉が自分の頭の中を過ぎるが、もうそれでもいいからと泣き喚きたかった。

「望み通り触ってやってんのにまだ何か欲しいのか?」

クツクツ笑いながら聞いてくるリボーンさんには、俺が欲しいモノなんてもうわかっているだろうにと思った。
それでも俺は自分が我慢できなくて、運転中のリボーンさんの股の間に手を伸ばし、ジッパーを引き下げて下着から硬くなっている起立を取り出した。
リボーンさんも我慢していたのか先端が濡れているそれがとてもいやらしくて愛しく思う。

「これ…ほしい。…舐めてもいい?」

そこに顔を近づけながらリボーンさんにお伺いを立てるように見上げると、前をずっと見ていたリボーンさんと視線が合った。

「…運転の邪魔しねぇならいいぞ」

かち合った視線は一瞬で再び前へと戻ったけれど、その視線に欲望の色が濃く浮かんでいたのが見えてますます興奮を煽られた。

「ん、わかった…」

頷きながら、どこまでが運転の邪魔にならない範囲なのだろうかと思ったが、構わずにリボーンさんのそれに口をつけた。
きっとどうしても運転の邪魔になったら止めるように言われるだろう。だったらそのギリギリまでは大丈夫かなと舌を伸ばしていく。
濡れた滴りを舐め取りながら、熱く高ぶったそれに舌を這わせた。
膨らみに軽く歯を立てれば、腰が一瞬浮かんだのを見て嬉しくなる。
自分の拙い愛撫に反応してくれることが楽しくて飴でも舐めるようにペロペロとしゃぶり続けていると、次第に先端から液が溢れてくる量が多くなり、リボーンさんの息も微かに乱れ始めてきたのがわかった。
それだけでもう俺の奥はキュウンと締まり、ローターだけでなく竿全体に刺激を与えるように助手席に股間を擦りつけ快感を貪った。
口の中にある熱さがそのまま奥にあるイメージを浮かべながら、自然と指の腹で尻を弄る。

「いいぞ、ツナ。最高に可愛いな」

誉めるようなリボーンさんの言葉に、俺は今がどんな状況なのかも忘れて自分とリボーンさんのそれを弄ることに夢中になった。

「出すぞ」

言われた言葉に頷きながら、欲しかった飛沫を受け入れられることで頭がいっぱいになった所で、車が高速道路から外れ螺旋の降り口に入り、一般道に降りるらしいことに気がついた。
出すのが先か、インターから降りるのが先か…
思った所でハッと気づいた。
(料金所!!)
そうだ。降りるからには料金所を通らなければならない。
つまりは、料金所の係員に見られてしまうかもしれないってことで…。
車だってそれなりに増えてきたし、こんな事をしていれば誰かしらに目についてしまいかねない。
熱くなっていた体が、一瞬でヒヤリと冷えた。だが、

「止めるなよ、続けろ」

真っ直ぐに前を向いたままリボーンさんが言った。

「インター降りたら後は宿まで一直線だ。あと一回、お前のイき顔見せろよ」

ついでに俺も出してやるから全部飲め。
酷いことを言うリボーンさんに、嫌だと首を振りたくなったが、

「高速道路じゃ緊急停止以外の車は止まれねぇ。一般道に降りりゃハザードつけて少し止まれるぞ」

言われた言葉に、ゾクリとした。
もしかしたら、その止まった時にこの口の中の熱い物をさっきから欲しがっている奥に入れて貰えるかもしれない。
期待感が募る。
宿までは我慢だって言っていたけど、ここまでの奉仕でやっぱりくれる気になってくれたのだろうか…。
そう思うと、今ここで止めたくない気持ちが勝った。
なるべく低い体制でいればバレないかもしれない。
どうしてもバレそうなら、料金所に入る直前に助手席に戻ればいい。
そう考えて高く上げていた腰を落とし、動きそうになる体をなんとか堪えた。
けど、それをあざ笑うようにローターがピタリといい場所に当たってしまい腰が跳ねる。

「料金所が見えてきたぞ」

リボーンさんの声にヒッと声を漏らした。
(ダメ!やっぱりバレちゃう!!)
料金所付近が若干渋滞しているのが見えた。
このままじゃ料金所の係員だけじゃなく、前後の車や隣のレーンの車にさえ見られてしまうかもしれない。
(どうしよう…やっぱり今すぐやめようか…)

「あと少しだ。どうした、早くイかせてくれよ。動きが止まってるぞ」

リボーンさんが楽しそうに笑う。
それにどうしようかと迷っている間に、リボーンさんの足がブレーキにかかった。
(ダメだ!)
思わず助手席に戻る選択も忘れてリボーンさんのそれを握りしめたままギュッと目を閉じた。と、

「え?」

このまま周りにいやらしい事をしている姿がバレてしまうと思った瞬間、俺の体を覆い隠すようにバサリと毛布をかけられた。


.




[*前] | [次#]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -