リボツナ | ナノ



3.




柔らかくはないが、瑞々しくすべらかな肌を手で確かめる。脇腹から背中へと撫でつけて抱えると奥が痛みにか引き攣れた。

「やめるか…?」

「へいき。オレも飲んだからよくなる筈だし…」

奥で起立を咥えたまま、リボーンに跨って痛みを堪える表情に嗜虐心が触発される。下からぐいっと突き上げてやると白くなるほど唇を噛み締め背を逸らす。
数度繰り返せば肩に爪を立てて切ない声を上げた。

「誰がなんのために持ってきたやら…な?」

言って奥を擦り上げてやる。
余程効果が強いのだろう、先ほどまでの拒絶するような引き攣れ感から一転して今は喰いついて離さないとばかりに纏わりついてきた。

硬さと質量を増した自身を突き立てると仰け反ってよがる。
目の前の喉元に歯型が残るほど噛み付いても、漏れる息は熱いままだった。

乱暴に貪りたい衝動を抑え肩にかかった手を取ると内側の白い肌に跡を残していく。
赤い跡が現れる度に奥がうねり、それでも動かずにいるともぞもぞ動き出した。

「何で…?ほとんど一人で飲みきったのに…」

欲情に潤んだ瞳が重なると、見付けるようにその手首に噛み付いた。

「っ…!」

「薬に耐性があるんだ…それにてめえと楽しむんだ、そんなモンに踊らされるわけがねえだろ。」

締め付ける中から起立を引き抜くと、ソファの背凭れに綱吉の手を押し付けさせる。何も身に着けていない身体をソファにしがみ付かせると腰を掴んで尻だけ突き出した姿勢をとらせた。

恥ずかしさに全身を染めながらも、覗き見る視線は期待に潤んでいる。
背中から手を滑らせて胸の先を摘み、また起ち上がった中心を扱けば伸し掛かった身体が小刻みに震えだす。
小さな胸の膨らみを指の先で擦ると握った起立からねばつく透明な液体が零れた。

「誰にでもこうなるのか?」

「ちが…うっ!はじめて、だっ…て!」

「その割に、こっちも物欲しげにしてんな。」

掬い取った先走りに濡れた指をヒクつく襞に押し込めば、淫らにしなる背と切なく吐き出される喘ぎに自身を突き立てたい衝動に駆られた。
それをぐっと耐え、2本目の指も挿し入れると奥へといざなうように食む。
ぐちゅりと音を立てていい場所を擦れば物足りなさにか腰を振りはじめた。

「何が欲しい?」

「や…ぁ!言えな、」

首を振って堪えようとしても、指だけでは物足りなくなった身体が切なく震えていた。
痛いほど起ち上がった自身も入りたいと主張していたが、それよりも綱吉から言わせたかった。




ずっと長いことそういう対象として欲しいと思っていた。
けれどプライドが邪魔をして、いつも反対な言葉ばかりが口をついて出た。
肉体だけは緩やかに元の身体へと戻っていったというのに、綱吉の前では仮面を脱げない。

家庭教師と生徒。
ヒットマンとボス。

長いことその関係に縛られていたせいで、それ以上を望めなくなってしまっていた。
けれど、誰かのものになるのならばいっそ…とまで思い始めた自分に負けて、逃げ出したのは2年前の話だ。
丁度いいタイミングでの横槍に、名乗りを上げて傍を離れた。
その間に誰かが綱吉を攫ってしまえば、諦められるだろうと。



ぐるっと指で奥を掻き混ぜると、切れ切れの喘ぎが零れた。
しなる背中に舌を這わせ、ぷくりと起ち上がった胸の飾りを指で揉む。
ソファに縋る手が力の入れすぎで白く強張る。

何を思ってあんなものを飲ませたのかは知らないが、もう手放す気はなかった。
戯れだと言うならば、それを覆すだけの真実を手に入れればいいだけだ。
身体の下で快楽に震える綱吉の身体だけが欲しいわけではない。罠を貼り、絡めとっていく過程を間違えはしない。

くつくつと綱吉の首筋で笑うと、勘違いした綱吉が下から振り返って睨みつけてきた。

「言わなきゃわかんねえだろ?どこに、何が欲しい?」

「言えな…!」

言い逃れようとする綱吉の奥から指を引き抜くと、怒張した起立を宛がった。
イイことを知っている身体を前にただ宛がっただけでいると、ソファに額を押し付けたままで顔を隠すように呟いた。

「ね、がい…入れて…」

「で?」

「っ!リボーンのを、ここに…あっ!」

淡い色の蕾に恐る恐る添えた指を、自身と一緒に埋めると甲高い喘ぎとともに綱吉の起立から白濁が散った。自分の指とリボーンの怒張を咥えたまま、突然の絶頂に細い肩が上下している。
腰を掴んでゆっくり奥へと入れば達したばかりだというのに、また貪欲に奥が蠢きはじめた。

指を引き抜こうとするも許さず、押えたままで擦る。
強張る指と一緒に抜き挿しを繰り返すとソファに縋っていた腕が崩れ落ちた。

「もう…や、あぁ!」

悲鳴のような声を聞いても奥を抉る動きを止めることができず、掴んだ腰を引き寄せて一層深く繋がった。
どちらの汗なのか、それとも溢れる先走りなのか、綱吉の太腿からソファの上に伝って零れる。
互いの荒い息遣いと、篭る匂いに欲情を掻き立てられてそのまま腰を進めると2人同時に精を吐き出した。








場所をベッドに移し、その後も気の済むまで貪った。
途中、綱吉が意識を手放したこともあったが無理矢理起こして明け方まで付き合わせて、寝たというより落ちた綱吉から起立を抜いたのは先ほどだった。

今はタオルで拭いて寝かしつけてある。
時刻はとうに翌日を迎え、もう少しで執事が朝を告げに来るだろう。
死んだように眠る綱吉を起こすこともできず、シャワーを浴びてから一声掛けようと着替えに袖を通していた。

ガタン。
ドスン。
ドタドタ…

いかにも慌てて飛び起きたと分かる音を立て、綱吉が起きたことが知れた。
よれたシャツのボタンを嵌めることもバカバカしく、そのまま寝室へと足を向けようとするとその先で綱吉の呆然とした呟きが耳に入る。

「どうしよう…やっちゃった…」

ベッドの上で、シーツに包まりながらもそこからはみ出た肌の上の跡を確かめて指で辿っていた。

ただでさえ白い面を蒼白にして、浮かび上がる赤い跡が明け方まで続いた情事の生々しさを物語っている。

潜めた眉に後悔を見ても、今更逃がしはしないのだとひっそりと笑った。


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