2.ドサッと勢いをつけて隣に転がってきた綱吉に蹴りを入れながらも距離を置いた。 そうでもしないと偽れない自身の気持ちに負けて、なにをしでかすか分からないからだ。 滅多につけないトワレの香りと混じる綱吉の匂いに劣情が首をもたげる。 ここしばらく、確かに愛人を訪ねていない。だが、それだけとは違うなにかに無理矢理欲情させられているようなそんな違和感を覚えた。 長い足をさりげなく組み替えて熱を持ち始めたそれを隠すと、横に押しやった筈の綱吉がいつの間にか隣に座り、膝の上に手をかけて顔を覗き込んできた。 「…うーん、さすがリボーン。よく分かんないや。でも効く筈なんだよね…」 近すぎる顔に咄嗟に表情を作れずにいれば、膝の上にあった手が硬くなってきたそこに触れ羞恥に頬が染まる。それでも手はそままで、アルコールにでもなければ羞恥でもない色に染まった瞳が近付いてきた。 うるむ視線に囚われて吐き出される甘い吐息が唇にかかった。 「愛人に男はいる?」 「いねえな。」 「そっか…それじゃ、ごめんな。」 そう言ってわずかに開いていた距離が0になった。 あれだけ抵抗していたというのに、今は逃げる気も起こらない。こいつは元ダメ生徒で、今はボンゴレのボスだと分かっているのに身体がいうことを利かない。 触れた唇の柔らかさと、必死に背中にしがみついてくる腕に理性ごと攫われて、気が付けばソファの上に押し倒していた。 角度を変え、幾度もかわした口付けのせいで力の抜けた綱吉がしどけなく転がっている。 今ならまだ止められると分かっていても、荒い息を零す綱吉の身ぐるみを手加減なく引き裂いていく。 露わになった白い肌に口付ければ組み敷いた身体が顕著に反応を示す。 震える胸の飾りに舌を這わせればか細い喘ぎが聞こえてきた。 ズンと腰に響くその声にそそのかされて、少し硬くなった胸の先を唇で挟むといっそうしこって起ち上がる。それを甘噛みすれば切ない息が漏れた。 嫌がってはいない。むしろ悦んでいることが分かる。 止めろと引き止める理性の声を耳を塞いでやりすごす。 引き摺り下ろしたスラックスを床に投げ捨てて、中学生の頃から愛用しているトランクスのゴムに手を掛けると組み敷いた身体が強張った。 「そ、こまでしなくてもいいから…!」 「今さらガタガタ言うな。」 「ちがう!それ脱がしたら見えちゃうだろ。そんなところまで触る必要な…ひぃ!」 ウエストのゴムを膝まで下げるとぷるんと揺れたそれを強めに掴む。するとすでにぬるついた液が零れて握った手を濡らしていく。 下から先へと扱きあげれば溺れた人がなにか縋るものを求めるように、リボーンのジャケットの裾を強く握り締めた。 「…さっき飲んだあれは何だ?」 「は…っ、あ、あ!」 先を指で弄れば止め処なく溢れる先走りをすくい取り、塗りつけてグリグリといじめる。その度に堪えようと息を殺す表情がエロい。 それでも逃げ出すこともなくただ喘ぐ綱吉に違和感を覚えた。 「ツナ…」 「あ、れは…多分媚薬だとおも…」 分かっていてリボーン相手に使ったということか。だとすれば何を思って使ったのかと考えても、結局は答えは出なかった。 そうこうしている内に手の中の綱吉自身が硬さを増していく。 男との行為は初めてだが、何をするのかなんて分かりきっていた。 震える起立を強弱をつけて扱くと、快楽を追う身体が大きく跳ねた。 どろりとした白濁が零れ、綱吉の腹とリボーンのシャツとジャケットを汚す。 イったばかりの弛緩した身体に散る白いそれをすくい取っていくと、それさえイイのか喘ぎが漏れる。 逃げ出さず、快楽を追う姿に苛立ちを覚えた。 「てめえは慣れていそうだな。」 「どうかな…」 はぐらかそうとする綱吉の奥に指を滑らせると、ぎゅっとそこが窄まる。 白濁でぬめる指を縮こまる襞に押し付けて奥へと押し込むが、思うように入っていかない。 女のように濡れないのだから当然だと思えど、物慣れない様子の綱吉にくつりと笑いが零れた。 「足を広げろ。」 恥ずかしさにか膝を閉じる綱吉にそう命じると、恐る恐るといった調子で広げていく。 額を肩に押し付けながらも言われた通りに開いた。 先ほどより少し入りやすくなった指がぬめりを借りて奥へと飲み込まれていく。 痛みと羞恥を耐えようと息を詰めていた口許を唇で塞いでから歯列を舌でこじ開ける。 「ふっ…、ううん…!あっ、あ!」 一旦零れ始めた声はあられもなく部屋に響き、後ろをまさぐる指の音と相まって卑猥な二重奏を耳朶に伝えた。 奥をかき回す指が増えても漏れる声は濡れていた。 だいぶ解れてきた窄まりから指を引き抜くと、体液の滲む自身を下着から押し出してすべらかな円を描く双丘の間へと挿し入れた。 ゆっくりと半ばまでおさめると、蒼白になった顔がそれでもふわりと笑顔をみせる。 それを見て硬さを増した起立をすべて押し込めた。 . |