リボツナ | ナノ



7.




荒い息を繰り返す身体に手を這わせ、細腰を片手で掴んで引き寄せると起立の上に座らせる。
充分なぬめりを借りて先を押し込むとわずかに息を詰めて、肉付きの薄い身体を強張らせた。

身体を繋げたことは片手で数えるほどしかない。
小さすぎるツナには負担にしかならない行為に二の足を踏んだということもあるが、どこかで罪悪感を抱えていたのだろう。
何も知らないツナを自分の思い通りにしているのではないのかという不安が拭いきれなかった。

それでも口付けを交わし身体に手を這わせれば素直に応えるツナにここまでだと自制をかけていたのに、それを飛び越えさせたのはツナだった。

去年は受験勉強を見るという名目で週に一度は泊りがけで勉強を見てやっていた。
問題集を解かせ、1冊できれば1ついう事を聞いてやるという約束で1冊終えたツナは言い辛そうにモジモジしていた。

「何だ?言えねぇのか?」

分かって訊ねると顔を赤くしながら睨んでくる顔に口付けて、そのままクッションの上に押し倒した。
家庭教師代わりとなってから3ヶ月ほどは身体を触ることも、キスをすることもお預けして真面目に勉強だけを叩き込んでいた。そろそろ反応がある頃だろうと思っていれば、案の定だ。

久しぶりに堪能するツナの唇の柔らかさと吐き出される息の甘さに気が付けば溺れていて、シャツもズボンも下着すら辺りに散乱している有様となっていた。
全裸のツナがそれでも逃げずに必死にしがみ付く手に誘われる。
淡い色の起立を握ってやると、身体の下で荒い息を吐き出しながら呟いた。

「リボーンの、あたってる、よ…?」

当たり前だ。組敷いているのは誰よりも欲しいと願う子供で、だが本当に欲しいからこそ無体もできないと猛る自身を抑えていた。
ツナには吐き出すことの気持ちよさを教えていても自分が脱ぐことはこれまで一度もなかった。いわばツナを守る鎧のようなものだ。

それを訝しく思っていることも知っていたが、気付かぬふりをしてやり過ごしていた。
だがそれも次のツナの行動で終わりを告げる。

ぐっと噛み締めた唇が軽くオレの唇に押し付けられ、それに気を取られて動きが止まったところでベルトを緩められズボンを寛げられた。
咄嗟に手で押しとめようと手首を掴むと、大きな瞳が滲み出す。

「どうしたいんだ…」

訊ねても無言のままで結局はツナの好きなようにさせてしまった。
胡坐をかいた姿勢で掴みだされたそれを気まずく思っていると、同じように胡坐をかいて目の前に座ったツナがほっとした顔でそれを見ていた。

「ツナ?」

「…よかった。嫌々触ってるんじゃないのかって思ってたから。」

確かめたかったということだろうか。それはどういう意味を持つのか聞き出したかったが、聞けば自分の都合のいいように答えさせるだけだとも知っていた。
掴み出された自身を握ったままのツナを引き寄せて首筋に齧り付くと、喘ぎが零れて身体をすり寄せられた。

後はその白い肌と流れる涙と鮮血だけが視界を覆っていった。





女とのそれと違い、排泄器官でしかないそこで繋がるというのは受け入れる側の負担が大きいということを知り、それでもいいと身体を差し出すツナから一度離れようと決意したのはツナが高校受験を終えた日だった。
幼いツナは身体の関係に溺れているだけで、そうと知ってツナを手放せなくなっている自分がひどく醜悪に思えていた。

ツナと会わなくなり、高校に通い始めたツナの登校姿を見るだけの生活が3ヶ月も過ぎた頃、ツナの母親である奈々さんと近所のドラッグストアーでばったり出くわしたのは本当に偶然だった。

久しぶりねと屈託なく笑う顔にツナの面影を見て、バツの悪さに口数が少なくなる。
それに気付かない奈々さんは、たまには夕食を食べに来てねと声を掛けてくれた。

「いつも頼んでばかりで悪いけど、私ね夏休みにイタリアに単身赴任してるお父さんのところに行くの。ツナは行きたくないって言うから置いていこうと思ってるんだけど、少し気に掛けてくれるかしら?」

ツナが受験の間中うちと沢田家の往復だった気安さでそう頼まれて内心慌てた。
出来ないと言えばどうしたのかと訊ねられるだろう。答えられる筈もなく、分かりましたと約束をしてしまった。




久しぶりのツナの中はやはりどんな女よりも気持ちがいい。
一番太いところを飲み込めば、あとは自重で落ちてきて深く繋がった。
膝を抱えるような前のめりの格好で衝撃をやり過ごすツナの、膝裏を抱えてベッドに転がした。
痛みを堪えながらも浮かぶ恍惚の表情に、暗い悦びと悔恨が入り混じる。



翌日から夏休みに入ると聞いた4日前は、丁度奈々さんがイタリアへ渡る前日だった。
終業式を終えうちの前をトボトボ歩くツナの姿は、夏バテでもしたのか酷く顔色が悪い。

うちの角を曲がり、電柱の影でとうとう座り込んだツナを見かねて声を掛けると亡霊にでも出くわしたような顔をして後ずさりをする。
ずっと避けていたオレに声を掛けられて困っているというよりは、死んだ恋人に化けて出られたという表情だった。

それでもこの状態のツナを放っておくことも出来ず、逃げ出そうともがくツナを抱え上げて家に上げるとピタリと大人しくなった。
ソファに寝かせ、氷を詰めた氷嚢とスポーツドリンクを手渡すとくすりと小さく笑い出す。

「どうした。」

「うんん、何でもない。ただ、これがまだあったんだなって…そう思っただけ。」

額の上に置いた氷嚢を摘むツナにああと笑い掛ける。

その氷嚢は毎年、夏になると熱射病で倒れるツナのために用意したツナのためのものだった。
熱を出す度に一晩預かっては、翌日に粥を作ってやることも毎年恒例だった。
去年、一昨年はさすがにそういったこともなかったが、それでも捨てることも出来ずに救急箱の横にそっと待機していたそれをツナは覚えていたようだ。

赤みを帯びた頬が氷嚢の冷たさで少し落ち着きを取り戻し、呼吸も次第に正常に戻り始める。
スツールに腰掛けてその様子を見ていると、その氷嚢を外して起き上がろうとした。
よろよろと肘をついて起き上がるツナの肩を掴んで押し戻すとキッと下から睨まれた。

「もうほっといてくれよ。オレはお前のおもちゃじゃない!」

振り払われた手に我を忘れてしがみついた。
言い出せない言葉を飲み込んで、気が付けば気を喪ったツナがソファの上でぐったりと横たわっていた。



白濁に塗れてピクリとも動かないツナは、白い肌に赤い痕と歯型が残る以外は異常はなく自分も服を身に着けたままだったことに安堵した。
だからこの行為は半年ぶり以上だった。

我慢できずに奥を擦りつけると小さく身震いして熱い息を吐き出して受け入れる。
うねる奥に駆り立てられるように挿抽を繰り替えすと、切れ切れの喘ぎが聞こえてきた。

腰を抱えイイところを突くと組み敷いた身体が一際大きく跳ね、腹筋で擦られたツナの起立が先走りを溢れさせる。
もっとだというように腰を打ちつけると首にしがみついて必死についてきた。
それさえ更なる欲情を掻き立てるのに充分で、いたいけに淡くしこる胸の先をそっと摘むと中が蠢いた。

しがみつくツナの頭に鼻を入れ、耳裏に唇を寄せて吸い付く。痕が残るほどのそれに摘んだ先がなおしこり、奥をぎゅうと締め付けられた。

「いや…!や、だぁ!」

耳朶を軽く食み、繋がった襞をそろりとなぞると悲鳴があがる。甘い悲鳴はそれ自体が蜜のようだ。
益々締め付ける奥にもっていかれそうになるが、それを堪えて突き立てた。
強引に腰を進めると長い喘ぎとともにツナは白濁を吐き出した。

びくん、びくんと2度跳ねた身体が体液を吐き出しきるのを見届けてからまた動き出す。
ひくつく中で膨らんでいく熱塊に、吐精したばかりの身体がついていけずに逃げ出そうとした。
それを腰を掴むことで阻止すると、また締りだした奥に幾度も擦りつけて最奥に精液を吐き出した。


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