リボツナ | ナノ



8.




シュルッと響いた音に顔を上げると、先生の首からネクタイが解かれた。
体重を掛けて伸し掛かっているせいで思うように身動きもとれない。
それでも肩を押し返そうと手をかけると、両手を掴み取られて縛り上げられた。

「ちょ…これなんっ!!」

どこぞの安物AVのように縛り上げられた上に口まで塞がれ、驚いて先生を見上げる。
息苦しさに首を振って外そうとしてもきっちり捲かれた猿轡はびくともしない。
抗議の声も上げられず、それでも先生を睨んでいると、いきなり後ろに指を突き入れられた。

先ほどまで弄っていた名残でぬめりの残るそこを指で広げて確かめている。
痛いほど上から見詰められ、恥ずかしさに縛り上げられた手で先生の頭を外そうと躍起になった。

「暴れんな。広げとかねぇと怪我するぞ。」

仕方ない素振りで振り向いた先生の瞳は爛々と焔が輝いている。
喰われる、と思った。
本能的に逃げを打つ身体を押さえつけられて、指でぐりっといい場所を弄られる。

声も出せずに跳ねる身体を撫でられて、脇腹から乳首へと指が彷徨う。触れるか触れないかの微妙な感触にもどかしさが募って息を漏らすと、弄られたせいでツンと起ち上がった先を舌で舐められた。
びくっと震える身体を楽しむように舌で転がし、乳首のまわりをなぞっていく。

「ん、ふっ!んン!」

鼻から抜ける息が熱を帯びて、身体は物欲しげに仰け反った。
唾液にまみれた赤い乳首と、触れられてもいないのに先走りを零す起立を上から眺めた先生は、息を荒くしてまた胸に唇を落としていく。

後ろを弄る指は抜き差しを激しくして、それに呼応するように起立から半透明な体液が漏れていった。
しこった先に吸い付かれれば指を喰む窄まりがぢゅくぢゅく音を立てる。
奥まで挿入した指がぐりぐりとしこりを引っ掻き、ヨすぎて飛びそうな意識を乳首を噛まれることで引き戻された。

「〜〜!っん!」

知らず動いていた腰を掴まれ、さんざん弄っていた指を引き抜かれる。
抜かれる動きにさえ反応する自分はどうなってしまったのか。
一纏めにされた手を胸の上に置いて、先生をぼんやり見上げているとその顔を見た先生が眉根を寄せた。

「やたらとそんな面するんじゃねぇぞ。」

どんな顔だったのか知らないが、喉の奥でん。とだけ答えると、満足には程遠い顔が迫ってくる。
同じく、尻の間に何かが近付いた。
耳に舌を入れられたのと同時に突き立てられた熱塊は、やけどしそうな熱さと息も止まりそうな痛みを連れてきた。

痛さに押し返そうと動いた手ごとシーツの上に押し付けられて、容赦なく侵食する塊に成す術もない。
止まっては進み、進んでは止まることを繰り返し、やっと頭の上から安堵の息が漏れた。
耳元で吐き出される息は妙に熱くて、そして甘やかだった。

先生の息が耳朶に落ちる度に痛みよりも大きなうねりが押し寄せる。
猿轡を噛んでも治まらない疼きに涙を零すと、それを見た先生が勘違いをした。

「外してやりてぇところだが、さすがのオレでも嫌だの止めろばっかりだと萎えちまうかもしれねぇからな。イイ声で鳴くようになったら外してやるぞ。」

そう言うと奥に居座っていたそれが動きはじめる。
ぎちぎちな窄まりから抜ける寸前まで引き抜き、またゆっくりと押し広げるように挿入する。
もどかしいほど緩やかな動きになんともいえない疼きが背筋を這い上がる。

触ってもいないのに硬く起ち上がったオレの起立は、先生の服を汚すほど先走りで濡れていた。
深く抉る動きに合わせてシャツで起立を擦られると、後ろの動きと相まってどうにかなりそうだ。
耐え切れないほどの快楽にそそのかされ、足を先生の腰に絡めると膝裏を掴まれて大きく割り広げられた。

それでもわざとイイところを外す動きを繰り替えされておかしくなる。
涙なのか汗なのかさえ分からなくなった顔を先生に向けると、ひどくイイ顔をした先生と視線がかち合った。

「まだ余裕だな…もっと狂わせて、オレなしじゃイけない身体にしてやる。」

「んんっ!んーっ!」

イヤイヤと頭を振って逃げ出そうと縛られた手をベッドにつくと、横から起立を押し込められた。今までとは違う深さと角度に噛まされた筈の猿轡から悲鳴になりきれない声が漏れる。
ベッドについた手がシーツを掴むと、オレの悲鳴などお構いなしに突き上げた。

「んーーっ!!」

2度目の射精に息つく暇も与えられず、敏感になった奥を起立で幾度も擦る。
にちゃぬちゃと部屋に響く音は互いの息遣いと重なって密やかに篭る。
シーツを汚した上に身体を押し付けて、ただ抜き差しについていくだけの人形に成り果てた。

ぐぐっと膨らんだ起立が一際深く奥を抉ると、腹の底に熱い迸りをぶちまけられた。
じんわり滲み出る精液は尻を伝い、太腿へと零れ落ちる。

掴まれた膝裏がガクガク震えるほど快感に突き動かされたのは初めてだった。
出し切った白濁を奥に馴染ませるように擦り上げられ、シーツに沈んだ肩が震える。

「初めての割にはえらくイイ反応だな。相性ってヤツか…これなら思ったより早くそれを外してやれそうだぞ。」

肩を齧りながらの言葉に、まだ終わりじゃないことを知った。

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