24.逃げ出すために肘でリボーンの胸板を押し遣るも、手首を掴まれて頭の上に押し付けられる。 ちょっとやそっとじゃ微動だにしない手の強さと、揺らがない瞳にどうしていいのか分からなくなった。 嫌だと言えば退くのかもしれないが、そうしたら二度としなくなるのだろう。 それでいいと思っていたのに、今は迷いが生じていた。 拒絶すればしないということは、そこでそれ以上を望めなくなるということでもある。 あんな約束するんじゃなかったと後悔しても今更というヤツだ。 ならばリボーンに遊ばれたいのかといえば、それは嫌だとはっきりいえる。 だからといって真剣に口説かれたいとは間違っても思えない。 チャラいし、両手の指でも足りないほどの女は居そうだし、何より同性はご免だ。 男なんて冗談じゃないと頭では思っているのにリボーンにされることは嫌ではない。 何ともチグハグな自分を自覚しているから、はっきり拒否出来ないのだ。 言葉を選ぶ間もなく顔が迫ってくるから焦る。 アップに堪える顔だからという訳でもないが、顔を背けられない。 それにつけてもマジマジと至近距離で見詰められるのは恥ずかしい。 一度も二度も変わらないし、これ以上目を開けていることは照れ臭いと目を閉じれば、鼻先でフッと笑う息遣いが聞こえた。 「な、なんだよ」 笑われるほどひどい顔だったのかと鼻白むも、閉じていた目を開けてリボーンを睨む。 想像以上に近かった顔にドキリとしたが、笑われたことだけは解せない。 キッと眦を上げて睨みつけていれば、リボーンは緩めていた口元をはっきり笑みの形に変えた。 「いや、ツナのキスをねだる顔ってのも可愛いもんだな」 「んなっ!?」 誰が何をねだったというのか。 言いがかりも甚だしい言葉に目を剥くと、その隙をついてパジャマの中に手を突っ込まれた。 「どうした?やめろって言えばいいんだぞ」 「ッッ!」 気持ちを見透かされたようにそう言われ、声が詰まる。 いや、ようにじゃなくてしっかりバレていたのだろう。 リボーンの台詞を逆手に取られたことに気付いて狼狽えた。 そんなオレを見詰めながら、リボーンの手は腹を滑って胸まで届く。 女じゃあるまいし胸なんて触られてもどうってことはないから好きにすればいい。 無言でいるとリボーンは脇から揉むように手を這わせてきた。 すっと胸を撫でられて何をする気なのかと覗き込むと、両手で胸の先を弄り始めた。 「や、バカ!くすぐったいって!」 背をしならせて身を捩っても、追うようにリボーンの手が伸びてくる。 しつこいぐらいそこばかりを指で押され、自分でも分かるほど膨らんできた。 初めての感覚に驚いてリボーンの手首を掴むが、力が入らないからただすがるようになる。 吐き出した息が熱を帯びていき、全身が痺れて思うように動かせない。 呼吸を止めて意識を余所へと向けようとしても、堪え切れずに喘ぎ声が漏れた。 恥ずかしいし、どうしてこんな風になるのかが分からなくて混乱する。 やめろと言うなら今だ。 なのに言葉が出てこない。 捏ねられて敏感になった乳首に、リボーンの顔が落ちていった。 2013.03.05 |