リボツナ | ナノ



5.




「あっ、待っ…!」

イかされたばかりで痙攣している中をリボーンは深々と熱塊を挿し入れる。満たされる喜びより、ヨすぎて頭の中が真っ白になった。
ビクンビクンと跳ねるオレの手足を押さえ付け、抉るように抜き挿しを繰り返すリボーンは息を詰めると奥へと押し込んだ。
自分以外の体液を中に叩きつけられて声が漏れる。
腹の底までリボーンに侵されたまま、2人で荒い息を吐き出し身動きが取れなくなって抱きしめ合った。
疲れて動かない手足が、それだけリボーンを感じられた証のようで嬉しい。
目を瞑り、ひとしきり堪能したオレはリボーンから離れようと身じろぐも動けないことに気付いて慌てた。
腰でも抜けているのかと焦っていると、オレの上にいるリボーンが身体を起こしてオレの腕を引っ張ってくれた。だけどいまだ奥に居座り続けるリボーン自身に困惑していた。

「りぼーん、さん?」

「どうした、ご主人様」

まだ続いているらしい『執事ごっこ』に頬を染めながら、繋がったままのソコに指を向ける。

「これ、いつまでなんだよ」

ヤって満足したなんて即物的だが、一回だけだと決めていたからこれ以上の我がままは言えない。
もういいんだと存外に表せば、何故かリボーンの手がオレの腰を掴んで引き寄せると足の間に乗せられた。
自重で先ほどとは違う角度から擦られて息があがる。思わずぎゅうと中を締めつけると、リボーンの怒張はみなぎりはじめた。

「ダメ、だって…!」

逃げようとしても足に力が入らない。
床を蹴って逃げようとしても、つるつると滑ってそれも叶わない。動くたびに中の熱塊が硬度を増していき、それを身の裡で感じて息が荒くなった。

「リボーン…!」

暴れた勢いで先ほど注がれたリボーンの精液が溢れる。
後孔から内股へと垂れる白い液体は肌の上に熱を伝え、身じろぎすればリボーンの服を汚してしまうことを知らせる。
よくよく視線を下げるとリボーンのジャケットにはオレの精液がべっとりとかけられ、悲惨な有様だ。
羞恥と理性が戻ってくれば、情けないやら申し訳なさに言葉も出ない。
これからこのネタで弄られるのか、それとも二度と会えないのかは分からないがオレには言い返せないから黙った。
俯いたオレの腰を引き寄せたリボーンは、オレの胸に顔を埋めるとまた乳首を嬲りだす。今度は片方を指で摘まみながら、吸い始めた。

「ちょっ、そんなとこ吸っても何にも出ないって!」

ちゅうと強めに吸い付かれ腰のまわりがモゾモゾしてくる。しかもリボーンの手が先ほどの快楽を呼び覚ますようにお尻を撫でるから困った。
だめと言っても本心じゃないから拒絶しきれない。
でもこのままは嫌だ。
どうしようと考えている隙にリボーンはどんどん先に進もうとする。
動けと言わんばかりに腰を掴まれて上下に突き上げられるから堪らない。
逃げようと腰を浮かせれば下から突かれ、突かれた気持ちよさに腰が沈めば更に腰を落とされる。
これ以上されたらセックス依存症になりそうなぐらい、いい。
熱の籠った荒い息が肌の上を滑っていく。その合間から我慢しきれずに漏れた嗚咽がまじった。
流されてしまいたい本心と、情けないと自分を律する理性に頭の中がぐちゃぐちゃになる。
ポタリと落ちた雫が鎖骨を伝い脇腹へと下る。
その涙を舌で拭い取ったリボーンは、顎先から頬を辿って眦まで舐めた。

「泣いてねぇで言ってみろ」

イヤイヤとむずがるように首を振って顔を背けるオレを追って、リボーンの唇が近付いてくる。冷たいと思っていた唇が繋がっている怒張みたいに熱くなっていた。
下から無理矢理重ねられ、逃げようとする顔を頭ごと押さえつけられて口付ける。
舌を絡ませると飲み込めなかった唾液が溢れる。それを何の躊躇いもなくリボーンが飲み込むから、火照る身体はオレだけじゃないと重ねた下肢を押し付けられるから、勘違いしそうになる。

「ぃや…ぁ、う…ぐぅ!」

言えという癖に口を塞がれて、抜き挿しを激しくされてしまえば声も出せない。
浅ましいほどリボーンを求めて手を伸ばせば、すぐに握り返されてまた泣けた。
鼻水まで出てきたせいで本気で窒息しかけたオレに気付くと、リボーンはしぶしぶと唇を離す。

「みっともねぇ面だぞ」

「っ!う、うるさい!」

言われなくても知っている。涙のせいで目は腫れてるし、鼻水は垂れて、唇まで赤い。最後の唇はリボーンのせいだけど。
待っているような顔をしてリボーンがこちらを眺めている。
唇は自由を取り戻したが、下半身は変わらずだからいかんともしがたい。
逃げ出す気も失せてリボーンの肩に手を置けば、リボーンはそれを首に導いてオレを背中から抱き寄せた。
これはオレに言わせるための前フリなのか。
かなり近い位置にある顔を見下げるように視線を下げた。

「…分かってる、よね?」

「なんのことだか分かんねぇな」

「…」

この野郎と内心で罵倒するのは照れ臭いからだ。
リボーンの手も、表情も、ついでに繋がったままの熱塊もオレの台詞を待っている。
ううぅと呻き声を上げて、それからどうにか意を決したオレがリボーンの耳元に唇を近付けていった。
好き、という言葉を告げる。
大好き、と重ねて囁いてみる。
それから真っ赤になっている自分の顔を上げて、リボーンの唇に自分のそれを重ねるとすぐに下唇を食まれた。
ハフハフとぎこちない口付けを交わしている合間に、リボーンはからかうように声を掛ける。

「まだまだ全部には程遠いぞ、ご主人様?」

「…なにが?」

「零さねぇように挿れたまま挑戦だな」

「なにが!?」

やっぱりオレの誕生日には、穏やかとかゆっくりという単語は無縁なのだった。



おわり


2012.10.13



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