リボツナ | ナノ



3.




音のない寝室にチュ、チュと肌を啄ばむ音が聞こえる。2人だけの空間にそれだけが響いて他に何も考えられない。
唾液で濡れた胸の先をまた熱い舌で舐め取られ身震いを繰り返す。開いた口許から浅い息と一緒に喘ぎが零れ、起立からは拭いきれない先走りが溢れてシーツを濡らしていた。

「ふっ…、ん、ん…あぁ…」

一度口から零れた声は戻ることもかなわずに後から後から部屋を埋め尽くしていく。触れられてもいない起立からしたたる透明な体液は堪え性のない自分自身を知らしめていた。
唾液で湿っている指先がツンと起ち上がった乳首をつまみ上げ、その隣で唇に咥えられながらも舌先で転がされているもうひとつの乳首の気持ちよさに喉が鳴った。
つままれるだけでは物足りなくて先生の頬に手を伸ばすと、卑猥に赤く染まっているもう片方へと先生の視線を向けるために力を入れた。
恥ずかしいとは思っている。だけど以前では考えられないぐらいの痴態を晒す自分を止められない。
薄い貧弱な胸元と縋るように先生を見詰めるオレの顔を確かめていた視線は、仕方ないとでもいうようにようよう隣の先へと顔を近づけてきた。

「ひっ、ん!」

少し強めに齧りつかれて反射で先生の身体を蹴り上げる。それに構わず散々焦らされていた乳首に舌を絡めて嬲っていく。
ビクンビクンと腰が揺れ先生のパジャマの裾が太ももを撫でるようにふわりと擦れた。
握り締めていたシーツから手を離すと先生の頭を抱え込む。
舌先で押し潰された乳首を吸われて我慢しきれなかった起立が精液を噴出した。
勢いよく迸った白濁が先生のパジャマを汚して、その濡れた感触を振り払うためにパジャマに手を伸ばすとクスリと笑われる。

「なんだよ」

「いや、手際がいいと思っただけだぞ」

オレのされるがままでいる先生の言葉に一瞬だけ顔が赤らんだが、続きが欲しかったオレは我慢しきれずに先生のパジャマのズボンに手をかけた。

「…脱がすから腰あげてよ」

オレの足に跨っていた腰が上がり、手を掛けていたズボンのウエストから下着ごと引き下げる。見るたびによくもこんなものを自分は受け入れられるなと思いつつ、それでも後にはひけないからそれを先生の足から外して床の上に放り投げた。

「み、見てて」

すぐに伸びてきた手を払うとベッドサイドに転がっているチューブを掴み取る。何度も使っているのに、自分の手に広げるのは初めてで蓋を開けることにすら四苦八苦しながらも右の中指をジェルで湿らせてから奥へと手を伸ばした。

「っ…は、ん…」

上からの視線と、今までの手順を思い出しながらの行為に羞恥は湧き上がって、それを知られまいと声を殺しながら指を中へとすべり込ませる。
ぬめりを帯びた水音を自分が立てているのかと思えば死にたくなるほど恥ずかしいが、今日ぐらいはプレゼントらしくしようと唇を噛んで自分の指でイイところを探りはじめた。
いつもより細く短い指で掻き回すと簡単に中がヒクヒクと物欲しげに蠢く。先を期待している浅ましい自分が恥ずかしくて弄っていない腕で顔を覆うと、先生の手がその腕を掴み顔を寄せてきた。

「やめ…ヤッ、バカ!」

止まらなくなった自分の指に荒い息を吐き出す顔を覗き込まれた。触れそうで触れられないイイところに思い切り指を差し込んでもやはり届かなくて泣きそうになった。

「どうした、いやらしい顔になってるぞ」

「だって!」

身を捩って昂りをやり過ごそうとしてもムダで、もうどうにも我慢が出来ない。パジャマの上着を押し上げている先生のソレを横目で確認しながら、自分の指を引き抜くと邪魔な先生のパジャマに噛み付く。現れた硬くそそり立っている先生自身に腰を押し付けて息を飲み込みながら一気に中まで受け入れた。

「ぃ…ッツ!」

痛みに声を上げると先生は動くことなく待っていてくれる。歯を立てていたパジャマに吸い付いて大きさを馴染ませてから、腰を揺さぶると頭の上から先生の息遣いが聞こえてきた。
自分だけが気持ちいい訳じゃないんだと思えば、もっとよくなって欲しいという気持ちが湧いて羞恥が薄れる。
中で体積を増した起立が擦れるたびに理性が飛んで身体は正直に快楽を追っていく。
先走りを垂らしていた自分自身を押し付けながら腰を振ってしがみ付くと、先生の手がオレの両膝の裏を掴んで割り広げる。
壊れるほど強く腰を打ちつけられて気持ちよさに緩んだ口許からパジャマが外れ、挿抽についていくことも出来ず口端からは唾液が溢れてシーツにしみを作った。
腹の奥まで食い破られそうになりながらも口付けを強請るとすぐに顔が落ちてきた。

「せんせ…だいすき、すきだよ」

キスの合間に普段は言えない言葉が溢れる。
そんなオレに言葉よりも雄弁な口付けを先生はくれた。













秋の朝やけは少しずつ時刻が遅くなっていく。人肌と上掛けの暖かさから這い出たツナはキンと冷えた空気に身を晒すと知らずブルリと震えていた。
夏から冬へと移り変わる季節を肌で感じながら、やっと解放されたとぼやくツナはよろよろと足を縺れさせながらも裸のままでシャワーを浴びに寝室を出ていく。
その後ろ姿を見送りながら、リボーンは忘れさられていた自分のケータイをソファの下から掬い取ると受信の確認をした。
メールが届いていることを知らせる画面に口端を上げて指を滑らせていく。
日付と時刻を確認すれば今日の0時15分で、勿論相手はビアンキだった。
メール内容に目を落とすとリボーンはクツクツと喉を震わせて笑い声を漏らした。

『プレゼントは受け取ってもらえたかしら?』

その一言は何を示しているのか。
知るのはビアンキとリボーンだけだ。
世間では似合いだと言われているビアンキとリボーンだったが、意外やビアンキはツナのことが嫌いではなかったらしい。
そしてそれ以上にリボーンを愛しているのだろう。
その一言に返信を返したリボーンは、まだ18時間以上もある自分の誕生日に口許を緩ませていた。


happy birthday!REBORN!







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