リボツナ | ナノ



2.




ともかく、恋人同士の営みってヤツを見せ付けてやればどいてくれるって訳だ。
…………それって人に見せるもの?

違うよな。違うのは分かっているけど、そうしないと今後もこうして邪魔され続ける訳で、それは勘弁してもらいたい。

涙目で逃げていったランボと、鼻血を吹きながら下肢を押えて走り去った隼人はもう何もいえまい。
だけどこの横のソファにいる武は、まだまだ余裕そうだった。他の2人と違って男同士のこんなもん見ても平気なんだろうか?

同じ日本人なのにこちらでも体格のいい武と違いオレは一般的な普通の日本人といったところだろう。目の前のリボーンに至ってはまだ20も越えていないのに頭半分はオレより大きい。
襟元から白くて長い指が一つひとつオレのシャツのボタンを外していく。
鍛えさせられているためにそこまで貧弱でもないけど、お世辞にもマッチョとは言い難い肉付きの薄い身体が晒されていき、恥ずかしさに赤らむ顔は止めようもない。

オレもとリボーンのネクタイに指を掛けていれば、耳朶から首筋を辿り鎖骨を下って先ほどシャツ越しに弄られてぷくりと膨らんだ乳首のまわりへと舌が這っていく。
ネロリと這わされた舌に身体の奥から湧き上がる快楽に突き動かされるまま身体をくねらせ熱い息を吐き出した。

「初めての割にはイイ反応だな?」

言いながら唾液で濡れた先を指でぎゅっとつままれて背中がしなる。
嫌とは言えなくて首を横に振るともう片方を犬歯で噛まれて息が詰まった。

「ツナ、嫌なら嫌って言ってやれよ。ムリすることないんだぜ。」

横から武に声を掛けられて身体が震える。離されたくはない。武に頭を振っていると、余所見するなとまた噛みつかれる。今度は痛さと痒さの間くらいの甘噛みに切れ切れの声が漏れた。

「ひゃ…あぁぁ!」

気持ち悪いほど甘ったるい声があがり、咄嗟に手で押えるも隠しきれなかった声が静まり返った執務室に思いの外響いた。
何を思ってか立ち上がって寄ってこようとする武を見て慌てる。

「やっ…!これ以上寄ったら見えちゃう!」

丁度リボーンの背後にあるソファにいるために下肢までは覗かれることはない位置にいる武に首を振って懇願すると、どうにか元の位置に座ってくれた。
だというのに何でリボーンの眉間の皺が増えてんの!
オレ何か気に入らないことした?!

「…そんな顔して『お願い』されりゃ、男なら言うこと聞くに決まってんだろ。」

どうやら懇願の仕方が気に喰わなかったらしい。そんな顔って言われても、こんな顔しか持ち合わせてないんだけど。
不穏な笑顔を浮かべるリボーンに愛想笑いで答えていると、いきなりベルトを引き抜かれてスラックスのチャックを下げられた。

「バカ!いきなり何するんだよ!」

手で押し留めようとすると、リボーンの向こうから声が掛かってきた。

「嫌なら助けてやるぜ。」

「ぜんぜん!まったく、少しも嫌じゃないって!」

掴んだリボーンの手首を離すと、さっさとスラックスを下げられトランクス越しに中心を握られて足の先にまで力が入る。すると楽しそうな笑顔のリボーンが武に言った。

「そこからじゃ分からねぇだろ?ツナも見られるのは嫌らしいからな…代わりにオレが教えてやるぞ。」

「何言って…はぁ…あン!」

先ほどから弄られていたせいで立ち上がっていた胸の先をピンと指で弾かれた。半ば立ち上がってきていた中心がそれに反応して手の中で揺れる。

「される方は初めてのわりには中々いい感度だぞ。淡かった乳首の色が赤く染まってエロいな…なぁ、ツナ?」

「しらな…」

「下は素直なのにな。……こんなに下着が濡れてんのに、まだ強情張るのか?」

嫌と言いかけて慌てて口を噤んだ。本当に嫌な訳じゃない。でもすぐそこに武がいるのに言葉で辱められることに羞恥が消えない。
つままれた乳首の先を吸い付かれ、湿った下着越しに勃起の形が分かるように擦られるとあられもない声が漏れて泣きたくなってきた。

もうイイんだかイヤなんだかすら分からなくなっていた。
チュパチュパと音を立てて乳首を吸われ、布越しに中心を握っていた手が内腿を撫でていく。その度に身体の奥に灯る種火が大きくなっていった。
トランクスの裾から手を差し入れられて袋ごと揉まれた。滴る先走りに濡れたそこがぐちゅりと音を立てる。

「ほら、な?」

胸の尖りの上で吐く言葉にひっ…!と声が漏れれば、楽しかったのか今度は息を吹きかけられた。唾液で濡れたそこからぞくりとしたものが広がって、言い知れぬ気持ちよさに怖くなる。
いつの間にか下げられたトランクスから引き摺り出された中心を根元から扱かれて膨らんだそこからまた透明な体液が滴り落ちた。

卑猥な音を響かせながら、胸と勃起とを弄られているとまたもリボーンの背中から声が掛かった。

「…そんくらいなら愛人でもやるよな。」

あんまりな言葉につい身体を起こして睨み付ける。なのに睨む先の武の視線が物言いた気で訊ねようとしたところをリボーンに引き摺り戻された。
先走りの滲む割れ目に指を押し付けられて。

ぐったりとソファに転がるオレの上で、ジャケットのポケットから取り出した怪しげなチューブを見るとはなしに視界に入れた。
中指と人差し指にたっぷりと塗られたその内容物はヌラリと鈍く光って、それからどうするのだろうかと眺めていると尻の間へと押し付けられた。
冷たさに竦んだ身体を無視して奥へとゆっくり入ってくる指に瞑った瞼から涙が零れた。


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