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[> お互い様。[鳳左]




解っている話ではないか。
解りきっているではないか。

痛い思いをしたくなければ
素直にその唇を、舌を受け入れればいい。
素直に声を出し、脚を開けばいい。

そうすればいいのに私はアイツを拒む。
受け入れられない自分がいる。
そして傷まみれになる。

離せ、と言うとあいつは何とも言えない顔をして腕に爪を立てた。
それから離せるものか、と笑う。
お前も「   」だろう、と。
違う、それは違うと否定しても何が違うものかと鳳凰は嘲笑う。

鳳凰と私。
右手と左手。
爪と皮膚。

一向に離れない。
それはアイツが離さないからだ。

【お互い様。】


奴の掌は冷たかった。
冷たいたなごころだった。
無性に気持ち悪くなって、無理矢理爪から腕を逃すと皮膚が裂けた。
血が出たかも知れないと考えていると今度は右手に痛みが走る。

「痛いから離せ」
「…………断る」
「鳳凰、離せ」
「……」

夕暮れの森で、ふふ鳥がけたたましく鳴いた。
動揺した隙に幹に押し付けられる。
首筋に冷たい手が触れて背筋がぞわりとした。
夕日が横顔を染める。
木立が揺れる。
求愛に励む鳥達の声が聞こえてくる。
首から手が素早く動いてまた左手を掴まれる。

冷たい手とは対照的な生温い舌が左腕を這う。
傷口をおしひろげるように動く舌は少し乾いていて、鳳凰も緊張しているのかと思った。
面はこんなに飄々としているくせに。全くの道化である。

「鳳凰、」
「離せはもうなしだ、右衛門左衛門」
腕に軽く歯を立てながら鳳凰はそんな事を言う。
「―――じゃあ何故お前は離れない」
「質問か、狡いな。答えが無いことくらい知っているだろう?」
笑う。
這う。
ぬるい。
「不有。答えが無い? そんなものなど有るはず無いだろう」
「論理的だな、おぬしは」
「話を逸らすな」
「そらしてなどいないさ、そうだな、強いてでも言えとおぬしが言うのであれば……」
素早く鳳凰が動いた。
両の手をパッと離す。
あ、と声が出る前に手が腕を掴んだ。
だから最初に言ったではないかと鳳凰が笑う。
理性的に手を動かしたら今度は掴まれる。

まるでいたちごっこだ。
鳳凰が勝ち誇るような嫌な笑みを浮かべた。

「何故離れないと問われても困るが、何故離れられないと問われれば『お互い様』―――お互い離れられないと言うことだ」

そう言って抱き寄せられると鳥肌が立ったので、思いっ切り耳を噛んでやった。
調子に乗るな、鳳凰の癖に。
そう叫んで逃げ出した。
きっとアイツは一人
狐に化かされたような顔をしているだろう。


鳳凰と私。
思考と記憶。
ぬるさと冷たさ。

一向に離れない。
それはアイツが離さないからだ。離れないからなのだ。

おわれ。

====

ううぅあああああ…ウボェ…(吐)
言い訳↓
従姉に「甘いのも鬼畜も書けねぇんだけど」と相談したら「じゃあ普段絶対やらないキャラで甘いのとか鬼畜とか練習してみたら?」と言われました

『絶対やらないシリーズ』
雅夏→鬼畜(まずこれはない)
刃物(未)→甘い(設定台なし)
子泣寺→甘い(精神的に無理)
殴り→鬼畜(岩居が鬼畜になれんだろう)
etc…

じゃあ版権でやったらいんじゃね?→え、じゃあ鳳左で甘いの頑張る?→やって見ようそうしよう→あ、ちょうどこの間データぶっ飛んだ途中のやつがあるから続きから……

この思考回路がまずかった。

書いてみたら鳳凰様うざいわ左右田が酷いツンデレだわ鳳凰様うざいわ左右田が左右田じゃないわ鳳凰様うざいわ…

\(^o^)/

えーあーちょっとでも期待して見て下さった方いらっしゃったらマジにすいません
気分悪くなった方もすいません
始め意味不明にも学パロ予定でした調子に乗ってマジすいませんでした

書き終えた作者が体調不良を訴え出しました
うーあーうー……ゥッ…(昇天

次回作に期待しないで下さい
でも次はもうちょっとまともなの書きます

H23.01.30
:]迅明


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