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[> さよならマイファミリー




毎日毎日同じ事を繰り返す。
くるくるくるくる。
飽きもせずに時計は繰り返す。
くるくるくるくる。
私も繰り返す。
お薬点滴検査睡眠。
兄さんは私に繰り返す。
「きっと良くなるよ」
母さんは私に繰り返す。
「お医者様が良くなってるって」

扉の向こうでも二人は繰り返す。
「可哀相に、」
「辛いでしょうに、」
「もう良くならないかもしれない」
「お医者様も悪くなってると…」

くるくるくるくる。
くるくるくるくる。
何時かお父さんが言ったわ。
私達の世界は回ってると。
そのせいで私は酔ってしまって気持ちが悪いんだと。

何時かお父さんが言ったわ。
私達の世界は丸いんだと。
そのせいで弱い私はまともに歩けないんだと。

嘘よね父さん。
嘘つき。
嘘つきの父さんなんて嫌い。

酷い父さんね。
大嫌い。

くるくるくるくる。
くるくるくるくる。

でも大好きよ。
でも大嫌い。

だから私は兄さんと母さんに言うわ、
扉の向こうの秘密。
私の運命。
私の覚悟。
嘘つきはいやだもの。
それに辛くないし、可哀相でもない。
嘘つきばかりの家族でも、
それなりに幸せだったんだから。

さよならマイファミリー。

くるくるくるくると世界に付き合って上げるのもおしまい。
ませた私は同じステップばかりのあなたも時計も嫌いなの。

さよならマイファミリー。

それなりに愛してたわ。
私、まだまだ幼かったけどね、
愛の意味くらい知ってるのよ。

さよならマイファミリー。

小さな小さなお家にもさよなら。
無理な延命なんかしたら呪っちゃうんだからね!

大嫌いなんて嘘。
大好き!
だから兄さんにも母さんにも父さんにも笑顔で言うわ。

「さよならマイファミリー、愛してる!」

(だから泣かないでね)

***

[青年の話]

あの子は大人でした。
僕達なんかよりもずっと。

あの子は天使でした。
僕達なんかよりもずっと。

あの子は嘘つきでした。
僕達なんかよりもずっとずっと。

さよならマイファミリー、
どうか君に安らかな安息と素敵な世界を。

そして、別れのキスを。

終。
___

はい、一日っつーか一時間で書き上げました
きらきらした可愛らしい少女を想像しながら読んで下さい
タイトルのまんまです
内容薄くてごめんなさい
頭を使わず読める迅の小説…(´・ω・`)

では

:)迅明



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