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[> 馬鹿な奴ら2





好きだよ、好きだ。
誰よりも愛してる。

***

「私、よく夢を見るんですよね」
やっとこさ落ち着いたミクロに、夏はそう、話題をふった。

「夢? ロボットなのに?」
「はい、ミクロちゃんは見ませんか?」
「うんにゃ、からっきしだわ。何だろうね、学習プログラムとか言うのの影響かもな」
「故障じゃ無ければ良いんですけど……」
「大丈夫だと思うけど、アタシは」
もぐもぐとクッキーをかじりながらミクロはテレビを見つめる。
流れているのはバラエティー番組で、女優達が自身の恋について語る番組だ。
今の話題は理想の恋人。
それを見ながら夏は呟く。
「理想の人……」
「おう、なっちんには理想ってある?」
「うーん…そうですねぇ……優しくて、髪とか染めたりしてない方が良いです。あとは知的な感じの、本とか良く読まれる方だと素敵ですね」
ミクロはフムフムとその一つ一つを頭の中で当て嵌めて行く。
出来上がったのは。
「……雅成じゃん」
「はい?」
「んにゃ、何でもないよー」
「あ、でも。私出来損ないですから、こんな私でも許容して下さる方だったら良いです」
「結論雅成じゃん!もう!このラブラブめ!」
げらげらと笑いながらミクロは床に転がった。
何故ミクロが笑っているのか解らず、夏は首を傾げる。

「ミクロちゃんの理想の方って誰ですか?」
「んん? アタシ? アタシはねぇ……そうだなー。優しくて、背が高めで、ちょっと筋肉質で、良く笑う人かな。髪とかだらだら伸ばす奴は嫌い」
にししっ、と笑ってうさぎのビーズクッションを抱きしめる。
「それからね、ちょっと無防備な人が良いな」
「成る程、ミクロちゃんは春夢さんが理想な訳ですね」
「えっ、」
ミクロが驚いた顔をする。
夏はにこにこして言った。

「だって春夢さんってば雅成さんより背が高くて、良く笑っていて、逞しい方じゃないですか」
「基準が雅成だからだよ」
「他の男の人から比べて、ですよ」
うふふ、と夏は笑う。
この頃の夏は表情が豊かになったようにミクロは思う。
それに――――
「ミクロちゃん、春夢さんとラブラブですね」
「……意地悪になったな…なっちん」
「そうですか?」
「うん、魔性の乙女だ」
「魔性……何だか凄そうですね」
おおう、と夏が呻いた途端、テレビの中の女優が『魔性の乙女じゃないですかぁー』と笑った。
それを聞いて二人は顔を見合わせて吹き出した。



結局二人とも阿呆二人が好きと言うお話
前作と合わせてバカップル感を出したかっただけと言う……

それにしてもミクロちゃんをツンデレに出来ない……

:)迅明



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