現パロ。大学生設定




最近、コンビニでアルバイトをはじめました。夕方6時から夜の10時までの時間、レジ打ち、商品の仕入れ、陳列、店内外の清掃、発注業務等がんばってます!おっとお客さんだ!

「いらっしゃいませ!」

「よーシヨリチャン」

あ、この人は!えっと、ジョジョさん・・・で合ってるのかな?前に一緒に来たイケメンだけどちょっとナンパ体質なお兄さんにJOJOって呼ばれていたから、私は心の中でジョジョさんと呼んでいる。本名かニックネームかは知らないけど、よく来てくれる男の人だ。

初めて会ったのは、私がバイトをはじめて間もなく、レジ打ちデビューをした日だった。ジョジョさんのヂャンプの会計をした私は慣れない接客にガチガチに緊張していて、端から見てもずいぶん滑稽だっただろう。ジョジョさんはそんな私を気遣ってくれたのかもしれない。

『なァ。釣り銭、間違ってるぜ』

『えっ?!すっすみませ、』

『ウッソー』

ポカンとした私にジョジョさんはニッと笑って、

『頑張れよ新人チャン』

と言ってくれた。その後、一緒に来たナンパ体質のお兄さんが私の名前を尋ねた際、名前を覚えてくれたらしい。今ではシヨリチャン呼びだ。


「こんばんは!今日も立ち読みですか?」

「おーよくわかってんじゃないの。しばらく居させてもらうぜ」

「はい、どうぞ!」

結構な時間、雑誌コーナーで立ち読みしていき、そのままヂャンプを買っていくこともあればお菓子1個だけの時もある。ただ律儀だなぁと思うのは、コンビニに立ち寄ったらどんな小さなものでも必ず1つは買って帰るということだ。店長も「彼が店内で立ち読みしてると防犯対策になるんだよね。なんてったってデカいからさ!」ということで彼がお気に入りらしい。た、確かに・・・。


しばらくジョジョさんは立ち読みしてるとして、今店内にはお客さんも少ない。先輩もバックルームに検品に行ったし、店長はお出かけ中だ。レジに来る人も途切れたし、私は商品の陳列をしよう。そこで私は一度レジを離れた。



その後商品の陳列をしていると。

「すいませーん」

レジの方から声がした。お会計だ!!私は急いでレジに戻る。レジには若い・・・ちょっとチャラチャラしたお兄さんが2人、商品をレジ台に乗せて待っていた。

「お待たせ致しました!」

「マジで超待ったんだけど」

「も、申し訳ございません・・・!」

ペコリと頭を下げる。うぅ、このお兄さん達感じ悪い・・・!待たせてしまったし、せめてお会計は速やかに終わらせようと、気持ち急いで会計を済ませた。お釣とレシートを渡し、ありがとうございましたと頭を下げる直前。

「ねぇ、待たせたお詫びに連絡先教えてよ」

とニヤニヤしながら言われた。うわあヤな感じ・・・!

「申し訳ありません、個人情報ですので・・・」

「えー客待たせといてそれはないんじゃないのー?」

いやいや悪かったけども!それとこれとは話が別だよ!!なーんてどれだけ心で突っ込んでも伝わるはずもなく。

「ねぇ早く教えてよ、また待たせる気ー?」

チャラ男(格下げ)の相方がうっわお前マジ最悪wwwとか言ってる。最悪だと思ってるなら止めろよお前も最悪だよ!!

怒りで震えそうになるのを何とか我慢して、こんな時店員が出来ることと言えばひたすら頭を下げるのみだ。もう一度謝罪の言葉を伝えようと口を開いた。


「本当に申し訳ーーー」

「オニーサン達見る目あるじゃなーーーい!」


私の言葉に被せて言葉を発した人がいた。声の方を向けば、ヂャンプ片手にレジへ来るジョジョさんが。
ジョジョさんはハ?という顔をしているチャラ男2人に臆することなくそのまま続ける。


「めっちゃくちゃカワイイよなァこの娘!思わず客の権威振りかざして連絡先聞いちまうくらいにはよォ!」


な・・・!何言ってるんだこの人!!私は途端に顔が熱くなるのを感じた。チャラ男2人は大きなジョジョさんが大きな声で話しながら近づいてくるものだからたじろぎ始めた。ついにヂャンプを同じレジ台に置ける距離にまで近づいてチャラ男に言い放つ。


「でもざーんねん!もう俺の彼女でしたー!!ってゆーワケで諦めてくれるゥ?」


??!!!


ジョジョさんの言葉に、一瞬動きと思考を止められた。か、彼女って・・・!
チャラ男は、何だ彼氏持ちかよと舌打ちをしながらコンビニを足早に出て行った。私は呆然とその姿を見送る。

あ。あまりの衝撃にありがとうございましたって言い忘れた・・・。でも、嵐は去ったのかな?

「ダイジョーブ?シヨリチャン」

ジョジョさんは私の顔の前で手のひらを上下に振ってみせた。途端に我に返る。そうか、ジョジョさんは私を助けてくれたのか・・・!

「あ、ありがとうございました!すみません、助かりました・・・」

「いーっていーって。シヨリチャンもああいう奴には私彼氏いますんでゴメンナサイって嘘でもいいから言いなよー?」

「は、はいっ」

そうか、そんな手があるのか。今度使ってみよう。

レジ台に乗せられていたジョジョさんのヂャンプをレジにかける。「あ、コレもお願いねン。袋はいーわ」と言って、ジョジョさんはレジ横のツロルチョコを一掴み加えた。豪快だなぁ・・・!

お金を受け取ってお釣を渡し、お買い上げの商品を差し出す時、ジョジョさんは買ったツロルチョコを掴んで、

「ん」

私に差し出した。

「え?」

「頑張ってるシヨリチャンにごほーび。ホラ」

「えっ、あ、あ」

ジョジョさんがチョコを掴んだ手を広げたので、バラバラと落ちてくるチョコを慌てて両手で受け取る。

「いいんですか・・・?」

「おう」

そしてまた、あの日のようにニッと笑って。


「頑張れよシヨリチャン!」


と言うと、颯爽と店を去っていった。入れ替わりに、店長が外から帰って来て。


「今日もあのデカい人来てたんだねー!もうちょっと居てくれても良かったのにー。あれ、相羽さんどうしたの、顔赤いけど」


その言葉を受け、私は異常な体温上昇が気のせいではなかったんだと知る。未だ両手に収まったツロルチョコも溶けてしまいそうだ。


ーーーどうやら私にとって一番厄介なお客様は、チャラ男など比ではないようです。



厄介なお客様!



「ホントに俺の彼女になっちゃう気ない?」と打診されるのは、すぐまた後のお話。








*****
おまけ。

数週間前。
シーザー・A・ツェペリによるサポート。


シーザー「ハァ?まだ名前も聞けてない!?」

ジョセフ「いや、名前ならネームプレートに・・・」

シーザー「馬鹿野郎が!俺が言ってんのは下の名前だスカタン!チッ、しょうがねぇな。俺が聞いてやるからしっかり覚えやがれ田舎モンが!行くぞ!」

ジョセフ「だあああシーザー!余計なことすんなって!!」



シーザー「やぁシニョリーナ、今日も花も恥じらう可愛らしさだね。そんな君にお金や商品を受け渡してもらえるなんて俺はなんてツイてるんだろう。だが今日はもう一歩君に踏み出したいんだ。君の名前を教えてくれないかい?あぁ、もちろん下の名前さ。・・・シヨリ?君は名前も最高に可愛らしいんだね。叶うなら、今度から君をシヨリと呼べる権利がほしいな。構わないかい?ーーーあぁ、ありがとう。今後は喜んで呼ばせていただくよ。なァJOJO?」

ジョセフ「・・・そーね
(クソッ!シーザー、いい仕事しやがる!)」


ーーー
20150218




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