【誕生日企画】
花京院誕生日おめでとう!!(大遅刻)
という事でほぼ会話文の花京院夢。




典くんの誕生日を明後日に控えたある日の事。


「シヨリ。明日一緒に承太郎の家へお邪魔しないかい?」

「え?空条くんのお家?私もいいの?」

「うん、ホリィさん・・・承太郎のお母さんが是非一緒に来て欲しいと言っていてね」

ファッ?!


空条くんのお母さん、つまり人妻・・・そして!空条くん曰く典くんの好みドストライクの女性!!誕生日目前の典くんを気軽に家に呼ぶだと・・・?!しかも私も一緒にって、そこにどんな意図が・・・!

私が戦慄いているとそこへ空条君が通りかかった。すかさず呼び止める。


「ちょちょちょっと空条くん!明日私もお邪魔していいの?!」

「あ?あぁ・・・俺としてはすこぶる不本意だがあのアマが連れて来なきゃ校門で待機するとかほざきやがったからな」

「校門で待機?!なんてアクティブ!じゃなくて!!何で私まで?!も、もしかして・・・

『貴女に花京院君は渡さないわ!人妻になってから出直してらっしゃい小娘が!!』

とか言うつもりで・・・!?」

「テメェ俺の母親を何だと思ってんだ。ンな訳あるか、そんなことになってやがったらさすがの俺もグレるぜ」

もうグレてるよね?!!


ダメだ全く説得力ない!!これはやっぱりライバル宣言される線が濃くなってきた・・・!


「う、受けて立つんだから・・・典くんは渡さないからねッ!!」

「うん、まずその認識を直すところから始めようか」


その後典くんに誤解だよって話してもらったけど「好みの女性のタイプはホリィさんである」ということについては否定しなかったので、私の心は休まることができなかったのです。


***


次の日。空条邸の大きな門の前に典くんと一緒にやって来た。


「ここがあの女のハウスね・・・!」

「こら。物騒なことを言うのはやめてください」

「だって典くんがぁあああああ〜・・・!」

「・・・オホン。ところでその手に持ってる箱は何だい?」

「はっ初めてお邪魔するお家だし手土産がなくちゃと思って!手土産すら持って来ない気の回らない小娘だとか思われないように!!」

「その臨戦態勢状態はいつまで続くのかな・・・」


今日のために有名パティスリーでお菓子を買って(来月のお小遣いを前倒ししたよ!)、着る服も大人の女の人に遅れを取らないように精一杯背伸びをして(ちょっとらしくないかもしれない)、初対面の人にも恥ずかしくないマナーや言葉遣いを復習して来たんだから!今の私に不覚無し!!相手が人生経験豊富な大人の女性であっても負ける気なんてしないんだから!!

さぁいつでも来るがいいさ空条くんのお母様・・・!


と思っていたら。


「いらっしゃい花京院くん!あら!隣にいる子が噂のガールフレンドね!まあああ可愛いじゃない!!あ、自己紹介がまだだったわね!承太郎の母のホリィでーす♪よろしくね☆」

「え、あ、あ、」

「日本のお友達からは『聖子さ〜ん♪』って呼ばれてるの!シヨリちゃんもそう呼んでくれると嬉しいわっ!」

「は、はいっ・・・」


居間へ通されるとホリィ・・・じゃないや、聖子さんの弾丸の様なトークに圧倒されて私は完全に出遅れた。


「ふっふー!どうして私がシヨリちゃんの名前を知ってるかって?そりゃあよく花京院くんから聞いてるもの!」

「えっ」

「とっても可愛い彼女がいるんですーってね!よくデートの相談とかも受けたりするのよ〜?年頃の女の子はどんな場所が好きでしょうか〜とか、どうしたら喜んでもらえるでしょうか〜とかぁ!」

「えぇっ?!」

「ホ、ホリィさんッ!!」

「まぁ!二人とも顔赤くしちゃって可愛いんだから〜♪」

「いい加減にしやがれこのアマ!!メシ冷めんだろうがッ!!」

「は〜いっ♪」


空条くんに止められるまで続いたホリィさんのマシンガントークは、私の心を揺さぶるのに充分だった。ホリィさんの話が嘘かホントかなんて、典くんの真っ赤な顔を見ればすぐわかる。

私はここでもまた、典くんに大事にされているんだということを知ることができるなんて。
もう私はいてもたってもいられなくなり。


「典くん」

「・・・なんだい」

「明日の誕生日に渡すプレゼントと、今すぐに受け取ってほしいプレゼントがあるの」

「・・・? 何かな」


そして私はいつものように。


「私ですっ!!」


典くんに勢いよく抱きついたのでした!



Happy Birthday!
N.Kakyoin!!




なんだか私の誕生日みたいだね!





「キャ〜見て見て承太郎!すごいラブラブよっ!」

「人ン家で何してやがんだアイツら・・・」









その後ホリィへの認識をすっかり改め、ホリィと和気あいあいと話すシヨリの姿が。


「それでその時空条くんたらピラニアの入った水槽に平気で手を突っ込んだんですよ!」

「あら〜あの時の怪我はそういうことだったのね!」

「おいテメェ・・・余計なこと言ってんじゃねぇぞ」

「余計じゃないよ大事なことだよ〜!!」

「大事なことよね〜!!」

「・・・チッ」


もうすっかり打ち解けて話し込んでいる女性2人を、承太郎と花京院は縁側でスイカを食べながら見ていた。


「まあまあ承太郎。ホリィさんも学校での君を知りたくてたまらないんだ。女子生徒の目から見た君なんて特に興味深いんじゃあないかな」

「ウゼェだけだぜ」

「フフ、君に関心のある良いお母さんじゃないか」

「・・・やれやれ」


男性陣は男性陣で話をしていると、背後から一際高い歓声が聞こえ、振り返る。


「それで貞男さんたらね!本当に用意してくれたのよっ!!」

「きゃ〜!素敵っ!!」


どうやら今度は恋バナで盛り上がっているらしい。にこにこと楽しげな2人の様子に花京院は思わず呟く。


「・・・似てるなぁ、あの2人」

「へぇ。良かったじゃあねぇか」

「どういうことだ?」

「てめぇのタイプだろーが」

「! ・・・そうだな」


少し顔を背け頬の赤みを悟られまいとする花京院に、承太郎はもう一度「やれやれ」と繰り返した。





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20150905


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