地元の桜が満開だったので勢いで書いた短い話。



シーザーと並んで満開に咲き誇る桜を見上げる。ふと、シーザーに髪を掬われた。


「? なぁに?」

「あぁ、桜の花びらがついていた。
・・・お前の濃い髪色によく映えるな、この薄いピンク色は」


シーザーが掬い取ってくれた花びらを見せながらそう言う。だけど私は、もっとずっとこの淡い桃色が似合う人を良く知っている。


「シーザー、少しかがんで?」

「? こうか?」


私は、かがんだシーザーのすぐ傍にあった先端まで花でいっぱいの桜の枝を引き寄せ、シーザーの髪に添えた。


「私は、シーザーのブロンドによく似合うと思う。ほら、すごく綺麗」


私の言葉に、シーザーが目を見開いた。そして、フッと笑う。


「お前に口説かれるとはな。悪くないぜ?その演出」

「そう?ありがと」


スケコマシーザーに御墨付きをいただいてしまった。それがなんだかおかしくて、笑ってしまう。


不意に、シーザーの手が頬に触れる。そういえば、シーザーがかがんでくれた事もあり、随分と近い距離にいたんだと今更になって気付いた。そのままゆっくり頬を撫でられる。

・・・あぁ。

シーザーの意図に気付いた私は、桜の枝から手を離した。桜の枝が、元に戻る反動でシャン、と音を立て花びらを散らす。舞い散る花びらの中で静かに目を閉じた私は、唇を塞ぐシーザーの体温を感じた。



の下で
キスをする




目を開けると、淡い色をした優しい世界。私の好きなひと。




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201504023




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