今日はエイプリルフールだ!という訳でベタな嘘をつくよ!シーザーなら真に受ける事はないと踏んで早速言ってみた!


「シーザーなんて大嫌い!」


・・・うん、ニコニコしながら言う台詞じゃないね!さすがにバレバレだと思う!

私に笑顔で嫌いと言われたシーザーは一瞬キョトンとしたものの、すぐにフッと笑い。


「あぁ、俺も嫌いだ」


と応戦してきた。のだが。


「お前は今日もブサイクで、」


言いながら私の頬を両手で包み込み。


「本当に見るに耐えない顔だよ」


額にキスし。


「嫌いで嫌いで仕方ない」


頬にキスし。


「この髪も」


髪にキスし。


「この目も」


目尻にキスし。


「この鼻も」


鼻にキスし。


「この唇も」


そこで私は迫るシーザーの唇を掌で遮った。結構酷い言葉を言われているのに、動作が何一つ合ってないせいで全く傷つかない・・・というか、動作の方が大問題!!私は熱くなった顔を逸らしながらシーザーに謝った。


「し、シーザーごめん、もういいから・・・」


騙すつもりが私の方が先に音を上げてしまった。くそ、悔しいな・・・

と。私の予定ではここで終わるはずだったのだが。


「何言ってるんだ、本当に嫌いなんだぜ?」


シーザーがキスを阻んだ私の手を取り指先に口づける。頬を包んでいたもう一方の手はいつの間にやら私の腰に回っていて。そのまま身体を密着させられ、唇が耳に擦る距離で囁く。


「俺のこの思いを伝えるにはこうして行動で示すしかないだろ?」

「・・・っ!」


わざと耳にフッと吐息を吹き込まれビクッと身体が反応する。うわあああどうしよう!悪戯のつもりが変なスイッチ押しちゃったみたいだ!!離れようと腕を突っぱねてみるけど力の差は歴然。私の耳元から顔を戻したシーザーは勝ち誇った様な笑みを浮かべていた。チクショー!!


「もうごめんってば・・・!離してよ!」

「やーだね」


楽しそうにシーザーが笑う。私の手を解放し、今度はその指先で顎を掬われる。もう一度額にキスをされた。やめてもう充分だよ!!と伝えたかった私の言葉は。


「俺の気持ちを思い知れ」


と言って続いた口づけに、呼吸共々飲み込まれたのである。



エイプリルフール!



言葉は嘘でも、行動は嘘のつき様がない。




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20150401



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