今も次も、その次も。 「・・・骸さん骸さん」 「何でしょう」 「これは一体どういう・・・」 「クフ、いけませんか?」 「いや、いけないことないけど・・・」 大事な人の誕生日、プレゼントが選べなくて何がいーい?なんて当日になって聞きに来たら引きずり込まれた。 今私がいるのは彼の部屋のソファ。そして、彼の頭が何故か私の膝の上にある。 「プレゼント、一緒に買いに行こうと思ったのに」 「僕はこうして貴女と居られれば何も要りませんよ」 「それじゃぁいつもと一緒じゃない?」 「クフフ、いつもと一緒ですねぇ」 先ほどからちっとも進まない話。読めない彼。 ただ、いつもは見上げてばかりの彼の顔を初めて見下ろしているわけで、なんだか改めて綺麗な顔だなあって眺めてしまう。 「僕の顔に何かついていますか?」 「・・・目と鼻と口が」 「おやそれはよかった」 そっと髪を撫でればクフ、と笑って目を細める彼。 なんだか私が幸せだ。 「骸さん骸さん」 「なんでしょう」 「・・・お誕生日、おめでとうございます」 「えぇ、ありがとうございます」 ただ、あまりにも嬉しそうに微笑むから、少しだけ素直になってみようかなって・・・絆されてるのかなこれ。 「傍にいてくれて、ありがとう」 来年も再来年もその次も、こうして彼と過ごせたらいい。 |