文 | ナノ
(勝負)

コロシアイ学園生活中の何度目かの裁判を終えた夜。
体を休めようとベッドにダイブした苗木はすぐに眠りについた。

生徒が体を休めようと、眠りについてる静かな寄宿舎を我が物顔で、スッキプをしながら歩く、一人の少年。
寄宿舎に入り、1人目…2人目の部屋の扉の前で足を止めた。
100人中100人が彼を絶賛すると断言できる美貌をもった彼は、何の躊躇いもなく目的の少年の部屋の扉を開けた。

苗木誠は、妙な体の重みで目が覚めた。
ぼやける視界に入ってきたのは、自分に跨る少年。
寝起きの頭はすぐには、現状を理解してくれなくて一瞬頭が真っ白になる。
たっぷり30秒、その人物を見つめた後苗木は盛大に叫び声を上げた。

「うわあああああああああ!!!!!!」
「おはようー苗木!ってか、煩いから大声出さないでよ」
「え…ど…ど…どうし…て」

入学準備で見た雑誌にいた江ノ島盾。
その人物とまったく同じ人物が、今苗木の上に跨っている。

「え…江ノ島くんは確かに…しん…しん…」
「あー。あの江ノ島盾は死んだよ」

ニッコリと整った顔で笑いかけられるが、彼の口からでるのはその笑顔とは真逆の言葉。
大きく目を見開き苗木は江ノ島を見上げた。
じゃあ…この目の前にいる人は…?突然の事に、頭がついていかない。

「時間もないし、本題に入るね」
「え?本題?ってか、お前は…」
「あー!じゃあ、教えてやるよ!俺様は、本当の江ノ島盾。黒幕だ!それよりも、苗木!俺と取引しようぜ。否、強制だな。俺様のおもちゃになれば他の奴らは卒業させてやってもいいぜ。」

江ノ島は、苗木の髪の毛を掴みながら、これからする自分の暇つぶしを楽しげにニンマリと笑った。

「お…お前が黒幕…なんで!!!なんでこんな事したんだ!!!!」
「もうー!別に、この取引するのは苗木じゃなくたっていいんだよ?ちょろちょろ嗅ぎ回るのが上手な彼女に「やめろ!!!!」
「じゃあ、俺様のおもちゃになる?」
「ならない。僕が今お前の言葉に従ったら、みんなでここを出ようと…黒幕を倒そうといった言葉を…信頼を裏切ることになる。」

まっすぐに江ノ島を見つめ、決して濁らない彼の瞳。

「じゃあ、交渉決裂って事で!強制的におもちゃになってもらいます!」
「はぁぁ!?話がちがっ!」
「これに耐えられたら、これっきりで許してやるよ」

江ノ島の手がスルリと苗木の下半身を撫で回し、苗木の顔色が一気に青ざめた。

「その絶望してる表情…さいっこう!!!もっと見せてよ!」
「お前なんかに屈指ない!」
「いつまで言ってられるかな?」
「う、うわあああああああああ!」




【オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました。起床時間ですよー!】

「うわっ!!!!!」

苗木は、モノクマのアナウンスでベッドから飛び起きた。
その瞬間、体のあちこちに激痛が走りだるさが襲った。

「なんで、こんな体痛いんだ?」

夜中に人が居た様な気がしたけど、思い出せない…夢…?
必死に、内容と思い出そうとするがぼんやりと霧がかかったように記憶がぼやけ思い出せずにいた。

でも、とてもとても悔しくて怒りが沸くのに…悲しくて、辛い…そんな夢だった気がする。

END






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