文 | ナノ
(このカメラなんのカメラ気になるカメラ)

舞園さんが亡くなった後日。
今日も、みんなでごはんを食べようという約束の為に、朝から食堂に行こうと部屋を出た。

私が部屋から出ると、隣の苗木くんの部屋のドアも同時に開いた。
集まるメンバーの中で早い方ではない私と違って、苗木くんは時間通りに集合してるのに、珍しい。と、少し引っかかったが、彼も人間なんだもの…と、すぐに謎は消えた。

「あれ?霧切さん!おはよう。霧切さんも今から行くの?」
「あら、偶然ね。おはよう苗木くん」
「…。」
「…。」

寄宿舎の廊下で、黙りこんでしまった彼。
やっぱり今日の彼は、おかしい。

「どうしたの?早く行きましょう。」

彼を、急かすと私の瞳をジッと見つめて、彼は困った顔をした。

「何?何かあったの?」
「霧切さんは、嫌じゃないの?女の子でしょ?」

私には、苗木くんの言ってる意味が理解が出来なかった。
閉じ込められてる事かしら?それとも…この手の事?

「なんの事かしら。」
「え。霧切さんが気づいてないはずないし‥。あ、あのさ…シャワールームにカメラが追加されたじゃない?」

恐る恐る小声で、苗木くんが確認してきた内容はとてつもない内容だった。

「もし、僕らを閉じ込めた奴が男だったら、女子のはまずいんじゃないかなーって…。」

苗木くんの部屋を捜査した時に、他の部屋とは違いなんてなかった…それに、カメラが『追加』された。って事は、以前は無かったって事よね。

「苗木くん。簡潔に答えると私のシャワールームに、監視カメラはないわ。」
「え…そうなの…?も、もしかして、女子の部屋には無いとかなのかな・・・?」
「じゃあ、男子に聞いてみましょう。」

苗木くんの細い腕を掴んで、早足で食堂へと向かった。
後ろから、苗木くんが「早い!早い!転んじゃうよ!」と、言っていたけど今は関係ないわ。

「おはよう諸君!1時間のちこ「石丸くん、ちょっと聞きたいのだけれど、あなたの部屋のシャワールームには、カメラはあるかしら?」
「い、いや…。僕の部屋のシャワールームには、それらしいものはないが…。」

どうやら、来てないのは私達だけだったようで、思い思いに全員が集まるまでの時間を過ごしていた。
だけど、私と彼が食堂に入ってきて、入り口で私と石丸くんのやり取りを見て、全員が集っていたせいで、話は広まっていた。

「え!?苗木のシャワールームにカメラ付いてるの?」
「う、うん…そうなんだよね。僕はてっきりみんなの部屋に付いてるのかと、思ってたんだ。」
「それって、犯罪じゃない!」
「朝日奈よ…今の状況が既に犯罪なのだが…」
「あっ!そうだった!」

苗木くんの周りに集まって、それぞれがそれぞれの話をしているけど、誰一人として『壊してしまえばいい』とは、言い出さなかった。

「でも、苗木くんはやっぱり嫌でしょ?モノクマに抗議して、撤去してもらいましょ」
「き、霧切さん…ありがとう。」
「いいえ、苗木くんの裸の映像を1人でニヤニヤしながら見てるかもしれない、危ない人から守っただけよ」
「映像…。苗木が白夜様だったら、モノクマになにがなんでも、映像見せてもらってたわ。」
「うるさいぞ。」
「ご、ごめんなさい。そうですよね、白夜様とちんちくりんの苗木を一緒にするのがいけないですよね」

「映像見せてもいいよー?うぷぷ。でも、苗木くんの体を見たいって思う人がいるのかなーうぷぷぷぷぷ」

「「えっ!?モノクマ!?」」

モノクマはそれだけを言うと、すぐに消えていった。
その時は、苗木くんの「僕の裸の映像なんて消して欲しいんだけど。」という一言ですんなり収まったのだけど。


その夜―…

「モノクマ…話があるの来てちょうだい」
「はいはーい、まったく君もかい?君たちクマ使いが荒いよ。」
「当然、私の他にあなたを呼んだ人がいるでしょ?何人か。」
「まったく、君があんなフラグなんか立てるから、僕は今日みんなから呼ばれっぱなしだよ!まったく!クマッたクマった!」

私が映像の話をすれば、見たがる人が何人かいる事は分かっていたもの。

「それで?あのカメラは撤去してくれるのよね?じゃないと、これからも呼ばれるんじゃないの?」
「はいはい、あんな事で頻繁に呼ばれるのは困るからね!クマ一倍忙しいんだから、僕って!」
「ところで…映像を欲しがった人って誰かしら?」
「はにゃ?それを言ったら、君はコロシアイでもしてくれるのかい?」
「そんな事しないわ。でも、ここから出たときに潰しにかかろうと思ってるわ。」

END







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