文 | ナノ
(君のもの)

※【僕のもの】の苗木視点



君が僕を好きだっていうのは気づいてた。
だって、僕も君を好きで好きで仕方なかったんだから…


1週間前、十神くんに後ろから薬を嗅がされて眠らされてからどこかの部屋に監禁されている。
部屋には、本が数冊とベッドがあるだけで他は何もない。

僕は、君と一緒に居られるならどんな形だって幸せだった。
だから、君が望むのなら…と、君のそばに居ることを望んだのに…

「苗木…」
「十神くん!お帰り!みんなどうだった?」
「いつも通りだ。出口探しと黒幕さがしだな。お前はもう殺された事にされてるぞ。」
「あはは…僕、最初に死にそうだもんね…」
「…そうだな。何にもとりえもないしな。」

そうやって、毎日僕のいる部屋に会いにくる十神君。
みんなの話をして、2人でずっと本や昼寝をする毎日。
でも、十神くんは僕がベッドから少しでも降りようとすると怒る。

「なえぎ!!!!!!!」
「ッ!?と、十神くん・・・起きてたの…?」
「俺は、ベットから降りるなと行ったよな!!」
「ごめんねッ!違うんだ!タオルケットがおち・・・痛ッ!」

十神くんは寝ていても、本を読んでいても何をしていても僕が彼から離れベッドから降りようとすると、それがどんな理由であっても僕を叱る。
そして、僕の体中を血が出るくらい噛んで所有印をつける。

「い・・・いた…」
「…はぁ…」

本当に、食べられてしまうんじゃないかと思ってしまう。
怖い…でも、十神くんと1つになれるならと喜んでしまうのも本心。
でも、僕は表情は怖いし言うことは厳しいけど優しい十神くんといるのが好きだから…。


「十神くん?」
「あ…い…してる…」

僕を抱きしめたまま、目を閉じて寝息を立てた十神くんをみて僕の胸はは苦しくなった。
きっと、十神くんは僕がみんなを人質に取られて仕方なく一緒にいるんだと思ってるだろう。

違うんだ。僕から捕まりに行ったんだよ
少なからず、僕は心のどこかでこうなることを願っていたから。


END





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