文 | ナノ
(美味しいものには毒がある。)
ジャバウォック島滞在3日目。
僕は、日向くんのコテージに向かっていた。
手には、来る途中で出会った花村くんからもらったケーキを手にしていた。
「着いたら、このケーキ食べながらお茶して2人でゆっくりしよっと!」
2人で付き合い始めてから、久々にゆっくりできる日。
嬉しさから、えへへ。と自然と笑いがこぼれてきた。
「日向くんー!おじゃましまーす!」
「苗木!待ってたぞ!いらっしゃい!」
「久しぶりだね!日向くん…エヘヘ…」
「本当に久々だな…嬉しいよ…」
柔らかく微笑む日向くんに僕はますます嬉しくなった。
「あ、さっき花村くんにケーキをもらったんだ!よかったら食べてって!」
「お、花村の料理は美味いからな!今、お茶入れるよ」
机にケーキを置くと、イスに座って日向くんの後姿を見つめた。
男前でかっこよくて、時々かわいい日向くん…。
「どうしたんだよ?じっと見つめて。」
「えっ!?あっ!な、なんでもないよ!」
カチャリとお茶を目の前に置かれ、不思議そうに覗き込んでくる日向くんに呼びかけられて、ボーッとしてたことに気づいた。
「は、早く食べよう!花村くんのケーキ!」
「ああ!」
2つ分入ってるケーキをお皿に分け、自分の分のケーキにフォークをスッと刺す。
美味しそうなケーキは、断面にフルーツが入った豪華な出来上がりだった。
「うん!美味しい!んん…これだったら、いくらでも食べれちゃいそう!」
「本当に、美味しいな!ん…美味い!」
2人であっという間にペロリとケーキを食べた。
でも、不思議な事にさっきから体が熱くて、頭がフラフラする…。
甘いにおいが鼻をぬけていくみたいに、いい匂いで心も頭もクラクラしてしょうがない。
「な、苗木…。」
「あっ…」
辛そうな声をした日向くんに頬を触られた瞬間。
体がビクリッと電流が走ったみたいに、震えた。
自分でも、わけがわからないくらい体が敏感になってる…ど、どいうことなの…。
「はぁ…やっぱり…くっ・・花村の料理って媚薬みたいに気持ちよくなったりするんだよな。」
「えっ!?」
「忘れてたよ。」
媚薬って…僕は、どうすればいいか分からなくて、おどおどしながら日向くんを見上げた。
「大丈夫…久々に‥しないか?」
「え…」
し、しないかって…え、エッチをって事だよね‥。
「ダメか?」
「ううん。僕もしたい。」
大好きな日向くんにお願いされたら、嫌だなんて言えないよ。
それに、日向くんは僕が本当に嫌な事は絶対にしないもん。
「あっ‥はぁ…そ、そこ…」
「すごい、苗木の中きゅうきゅう締め付けてる。」
ベッドに移動して、2人で裸になった。
どこを触っても性感帯で、僕のも日向くんのも完全に立ち上がってしまって、後ろの穴もすぐにほぐれてしまった。
日向くんはもっとちゃんと解したりしたそうにしてたけど、僕が入れて…ってお願いしたら、ゴクリと喉を鳴らして、ゆるゆると先を擦り付けてから、ゆっくりと入れてきた。
「ハァハァ…もう、おかしく…なっちゃいそ…」
「本当だ…な。」
ぎゅっと日向くんの首元に抱きついて、喘ぎ続けた。
日向くんも動かさなかった腰を、ゆるゆると動かし初めて次第にスピードが上がっていく。
「あっ…あっ‥だ、め‥もぅ、いくっ…あっ」
「俺も…いくっ…」
耳元で、クッと日向くんの苦しげな声が聞こえたと同時にお腹の中が暖かくなって意識を飛ばした。
次に目覚めた時、体は綺麗になっていて隣にはスヤスヤ眠る日向くんが居た。
何度か体を繋げていても、やっぱりいつも終わった後に恥ずかしくなる。
それに、今回は花村くんのケーキであんなに乱れて…しばらく花村くんに普通の顔して合えないよ。
僕は、必死に赤くなった顔を手でパタパタ仰いで冷まして、これからの事に悩んだ。
後ろで、その姿を見ながら笑いを堪えていた日向くんが居ることも知らずに。
END
六車様、リクエストありがとうございました!
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