文 | ナノ
(幸せ空間)

「とうちゃーく!」

久々に苗木達ががジャバウォック島に来た。
十神、霧切、苗木の3人は俺たちの経過を定期的に見に来るんだが、それが今日というわけだ。

「今回は明日には行っちゃうんだ…でも、それまで一緒にいようね!」
「苗木…ああ!」

苗木とはいわゆる【恋人同士】って奴だ。
でも、大人な関係なわけじゃなくまったりと2人のペースで進んでいる。
そりゃ、付き合ってるわけだから苗木にちょっかいかける奴が居れば心中穏やかじゃなくなるし、たまに苗木からヤキモチしてもらったりすると心がほんわかする。

そんな、今が幸せだったりする。
これで、全員が目覚めれば最高なんだが…まぁ、そう上手いこといくわけもなく何人かが目覚めたぐらいだ。


いつだったか、まだ1人も目覚めず焦り塞ぎこんでた時。

「日向くんなら、未来だって奇跡だって作れるよ!」

苗木は俺にそういって、抱きしめてくれた。
七海も同じようなこと言って、俺を励ましてくれたな・・・ってぼんやり考えてたら。
体を少し離した苗木は、顔が真っ赤になっていた。

「日向くん・・・今、七海さんの事考えてたでしょ?」
「え!?」
「う、浮気…だ、だめだからね…」
「っ!!」

再度、抱きつくと耳まで真っ赤になりながら、ふるふる震える苗木に吹き出してしまった。
ひどいよ!日向くん!笑わなくてもいいじゃないかぁー!とポカポカ叩いてくる苗木に心から励まされた。

そうだよな…。色んな人の力で切り開いた未来だもんな!凹んでなんかいられないよな!


ジャバウォック公園のベンチで2人空を眺めながら、寄り添う。
手をぎゅっと握って、「今日のご飯は何にしようかー」とか「この間、狛枝がなー」とか「霧切さんに仕事中に怒られちゃったー」とか話しながらこの幸せをかみ締めた。

苗木をちらりと見れば、太陽な笑顔で幸せそうに笑っている。
今は、俺やみんなを守ってくれてるこの小さな手だけど、必ず俺が苗木を守ってあげる側になろう。
それで、この笑顔を守ってやるんだ。

それまで、もう少し…この心地よいそよ風に2人吹かれていたい。

END


すずきさんに相互リクで書かせてもらいましたヽ(*´∀`*)ノ.+゚







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