文 | ナノ
(毛虫くん)

ガチャガチャ…カポッ

「な、なにこれ?毛虫?」


いつも通りモノモノマシーンをやって、出てきたカプセルから中身を取り出す。
でも中身は、毛虫の人形で先端についた紐を引っ張ると、生きてるように動くおもちゃだった。

廊下を歩きながら首をかしげて、これをどうするか悩んでいると、前から江ノ島くんがやってきた。

「苗木じゃん!首なんか傾げてどうしたのさ?」
「江ノ島くん…さっきコレが当たったんだけど…どうしようかなって…」

僕は、手のひらに毛虫を乗せて江ノ島くんに差し出した。
しばらく、口許に手を当てて考えるしぐさをした後、ひょいっと僕から毛虫を取り上げた。

「いいこと思いついた!」
「?」

ニヤリッと笑いながら、舌なめずりをする江ノ島くん。
な、なんか嫌な予感しかしないよ!
逃げようと背中を向けた瞬間に、襟を掴まれた。
そして、服の背中側に何かが侵入してきた。
「ひゃあぁ!」
「こうやって遊ぶんじゃない?」

紐を上下に揺すって、僕の背中を行ったり来たりする物体。
いや、多分毛虫くんなんだと思う。

「ん…やぁ…やめてよ…ひゃっ!」
「ハァ…苗木…ハァ」
体を反らして、服と背中の空間を空けてくっつかないようにと抵抗したり、必死に江ノ島くんにやめてーと言ったが、彼を喜ばせるだけで何の解決にもならなかった。

「苗木のその嫌がってる顔…たまんないぜ…」
「た、助けてぇー!」
もう、これ以上耐えられなくなり半泣きで江ノ島くんの方に振り返ろうとした。
が、ピタリと硬いナニかが僕のお尻に当たった。

「え、えの…江ノ島くん?」
「アハハ…苗木のいやいやって声聞いてたらたっちゃった」

効果音を入れるなら、ギギギ…というのがピッタリなぐらい体を固まらせて振り向くと、ニヤニヤしながら見下ろしてくる江ノ島くんと目があった。

「こうしたのは苗木なんだし、責任とってよな!」
「い、嫌だぁぁぁぁ!!」


まぁ、呆気なく捕まりそのまま部屋に連れてかれ、無理矢理責任とらされました。

今度から、何がなんでも江ノ島くんには聞いたりしないよ!


END




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