文 | ナノ
(新手の告白)

※江ノ島くんが絶望バレしてる設定





「僕の幸運は、不運という糧が大きいほど大きな幸運が舞い戻ってくるんだ」

「人間の絶望は、希望という糧が大きいほど大きな絶望を味わうんだぜ?」

僕に、そう言ったのはまったく別々の正反対の人間。
でも、どこか似ている2人…

盲信的に希望を信じ人生を捧げる彼と絶望を存在意義としすべてをそそぐ彼

そんな2人が自分を好きになるとは、思いもしなかった。



「苗木くん!君の希望の光に僕という糧を加えて更に輝いて欲しいんだ!!」

「苗木!そのどんな絶望にも染まらない頭を色んな絶望で埋め尽くしてあげて、絶望で表情を歪ませてあげたいんだ!」


教室でまったりとしていた僕に鼻息荒く、飛び込んできた2人に僕はハッキリ言って、ドン引きした。

「え、狛枝くんに江ノ島くん…どうしたの?」

「最近、苗木をどーしたら絶望させられるかなぁとか苗木をどーしたら幸せな絶望に浸らせる事ができるかなって考えてたんだけど…結果、俺の苗木になればいいじゃんってなったわけよ!」

「苗木くんは希望なんだ!絶望なんかしないし、まず苗木くんは僕のだからね!」

「え、なんでそんな話になっちゃったの?っていうか、ツッコミ処が多くて僕には手に負えない…」

朝からなんでこんなことに…最初は気付かなかったけど、これって遠回しに告白だよね?
本当だったら、嬉しいけど、男にされても悲しいだけだよ…。
僕は、ハァーと溜め息を溢して、肩を落とした。

「「結局はどっちと一緒になって、幸せになるの!!」」

2人の勢いに押されて、僕はもう半泣きだ。
「どっちかなんて、選べないよ…二人ともそ「そうだよね…こんなに正反対だし、急に言われてさ…苗木くん!僕は、君を絶対に手に入れるからね!」

狛枝くんに喋ってるのを邪魔されて、更に決意表明をして騒ぐだけ叫んで、自分の教室に帰っていった。

「もう、苗木ぃー!あんなんキッパリ振ってやればよかったんだ!」
ギューっと抱き締められながら、「2人だから選べないんだよ…それに、そっくりだしさ」なんて言えなかった。




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