文 | ナノ
(今日は何回目?)

「苗木誠!・・・好きだ!付き合ってくれ!」

コロシアイ学園生活が始まってから、仲良くなった石丸くん。
誰も、死ぬこともなく最初は何も起こるかわからずビクビクしてたけど、始まってしまえばしょうがない。
脱出のためにみんなで力を合わせて、【殺人】という手段以外を探す毎日。
ある日、部屋でされた告白にはビックリしたけど、僕はすごく嬉しくて一生懸命笑って最大限の喜びを伝えた。

でも、石丸くんはすぐに殺されてしまった。
あんなに手を繋いで、一緒に出ようって言ったのにあっさりと肉片に変わってしまった。

捜査をしても裁判をしても犯人は出てこない・・・
霧切さんも何も言わずに、そっぽを向いてるし・・・どういうことなんだよ!!


そこで、僕の意識が覚醒した。
今までの事が夢であると理解するのに、しばらくかかった。
でも、夢であったのは確かだ…だって、僕は石丸君と仲よくなんてしてないもの。

嫌な夢だったなぁ・・・
そこまで考えて、シャワーを浴びてからさっさと、みんなのいる食堂に向かった。

そこには、夢で肉片になっていた石丸くんも待ってた。
夢だと、分かっていても仲間を心配してしまうのは、当たり前だ。

「苗木くん…大変なんです!!十神くんが!!」
「え!?十神くんが…ころ・・・され…た?」

実は、寝る前に十神くんに告白されてキスまでされた。
断りはしたけど、でも去り際に見せた優しそうに微笑したのに心が動いたのは秘密だ。
でも、あの綺麗な優しそうな笑顔を最後に彼は、僕の前から消えてしまった。
ちゃんと答えをしてないのに・・・。

捜査・裁判の結果…黒幕の仕業だと突き止めた。
もう少し・・・もう少しというところで、僕はまた放送の音で目を覚ました。


目を薄く開けてから、もう一度閉じて現実を受け入れる準備をした。
僕に好意をもつ男女問わずの仲間達が死んでいく・・・そんな夢だか現実だかわからないものを繰り返して繰り返して繰り返し・・・

そろそろ、そんな夢も終わりにしよう・・・



僕が、目をあけると江ノ島さんが視界に入った。

「ああ。苗木?やっと気がついたの?」
「江ノ島さん・・・」
「もう、現実逃避ってよくないよー?苗木が眠ってから3年間・・・つまらなくてしょうがなかったんだからー」
「・・・」

僕の周りで眠る特殊加工されたみんなの死体。

江ノ島さんは最初・・・僕に大好きとだけ言ってきた・・・
でも、周りの人が邪魔になってコロシアイをさせるように仕向けた・・・
結果、僕以外は冷たくなった。

そのコロシアイの原因が【僕】だなんてなんて・・・なんて皮肉なものだろう。
必死に僕が止めに叫んだ声は、悲鳴と怒声にかき消されて、次々と消えていく薄い仲間の絆に僕は自ら意識を飛ばした。


僕の世界の中でもみんなは、僕が原因でコロシアイを繰り返した。
もう、これ以上何度もみんなを殺し合わせるわけにはいかない・・・。


「江ノ島さん・・・。」
「苗木・・・これで、ずっと一緒だね。」
「そうだね・・・いままで江ノ島さんの思い通りにいかなかったものなんてなかったもんね。」
「うん・・・人だって物だって全部思い通りなんだから。」
「そっかぁ・・・ごめんね。」
「は?」
「ううん。ちょっと、また寝るから・・・すぐ起きるよ・・・すぐに」
「おやすみ。苗木」


僕は、それ以来目を覚ます事はなかった。


END



ニコニコ動画にあるじん(自然の敵P)様のカゲロウデイズを聞いて、浮かんだ話ですww
ループで話を繰り返す苗木くん。
まさに、カゲロウデイズでしたら何にでも思い通りになってる江ノ島さんが唯一思い通りにならなかった、苗木。
苗木はざまぁみろって笑ってやってるでしょうw

読んでいただきありがとうございました!
是非、次も見ていただければ幸いです!





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