文 | ナノ
(名だけの恋人)

(ムクロサイド)




「今日も、何か絶望ないかなぁ〜」
「じゅん・・・昨日、最高の絶望見つけたからしばらく飽きないっていってたじゃない。」
「あー・・・あれ飽きちゃったーテヘ!」
「はぁ・・・」

じゅんとむくろの超高校級の絶望こと絶望ブラザーズ。
2人は、休日1日で暇を持て余していた。

「絶望的に飽きっぽいことにすらぜ・つ・ぼ・う!はぁ〜快感〜」
「はいはい・・・って、あれ苗木じゃない?」
「え?俺のおもちゃがきたの?」

丁度、むくろが部屋の窓から外を見ると視界に小さい人影が見えた。
じゅんは苗木を【おもちゃ】と言って、毎日構いに良く。
自他共に認める絶望的に飽きっぽいじゅんが生まれてから初めて、こんなに何かに執着してるかもしれないとむくろは関心していた。

「なーえーぎー!俺に会いに来たのー?」
「え、江ノ島くん!・・・と、むくろくん!おはよう!」
「おはよう苗木。休みにどうしたの?」

ハートを散らして、さっきまで絶望!絶望!と騒いでいた人間とは思えないほどだ。


むくろが関心し始めてから、しばらく経ってじゅんから『苗木と俺付き合ってるから。よろしく。』とむくろに威嚇交じりに告げられた。
むくろは最初は苗木を自分に惚れさせて、酷いフり方をして絶望させるつもりなのか・・・と思っていた。
でも、何日経っても苗木がじゅんに惚れるというよりも、じゅんが苗木にべた惚れといった感じで、むくろが想像していた感じにはならなかった。


「今日は、晴れてるからむくろくんと江ノ島くんと出かけようかなって思って・・・誘いに来たんだけど・・・2人とも用事あったかな?」
「僕達はなにもないよ。これから出かけようとしてた所だし、丁度よかったよ!」
「・・・」
「本当に!?よかったぁー」

苗木は、ホッと胸を撫で下ろし笑顔でじゅんとむくろの名前を呼んだ。
むくろはその笑顔に癒されながら、玄関で待ってて。と大声で告げると、部屋に引っ込んだ。
用意をする為に窓から離れると、自分の腕をじゅんが掴んでいることに気付いた。
じゅんは、下を向いたまま何も言わないが、顔を上げなくても表情は手を取る様にわかる。

「じゅん・・・」
「なんで…なんで苗木はいつも俺は江ノ島のままなのに、むくろは名前呼び名なわけ?」

やっぱり…。
むくろは口からため息が零れ落ちた。
いつ頃だっただろうか・・じゅんが自分にこんな攻撃的で怒りと嫉妬の篭った目で睨んでくるようになったのは…。

じゅんに付き合ってると言われて、苗木達が本気で恋をしてると気づいてから、むくろは弟をよろしく。と苗木に挨拶をしに行った事があった。
苗木は、泣きそうな笑顔で逆にお礼を言ってきた。
むくろは、こんな人ならじゅんでも好きになってしまうのは納得だと、笑ってしまった。
その日から苗木はよくむくろに相談にむくろの所に訪れるようになった。
でも、話すことはじゅんの好きな事…好きな物…好きな食べ物…始めての恋人で苗木はじゅんの相談やノロケをむくろにしていた。

むくろも苗木も友達として接していた・・でも、その関係を由としない人物がいたのだ。
江ノ島じゅん…苗木の恋人…。
いつの間にか、むくろを名前呼びするようになってからじゅんの態度はあからさまに変わっていった。

「じゅん…お前、苗木に名前呼びしていいぜって言った?」
「は?恋人なら、言わなくなって名前よびだろ?」
「いや、じゅんは苗木のまんまじゃん。」
「え…苗木はマコトっていうより、苗木って感じじゃん?」
「はぁ…本当は、言わないでって言われたけど…苗木は本当はお前を名前で呼びたいけど、呼べないんだよ。この間相談されたんだ…どうやったら、自然によべるかなって…。」
「自然…って…。いや、普通に俺に言えば良いじゃん。」
「だから、じゅんがいつまでも苗字呼びだから、苗木が言い出しにくいんじゃん。」
「…」
「はぁ…ほら、公園のある動物園のチケット…やるから2人でゆっくり話してこい。」
「…ありがとう。」

じゅんは最初は申し訳なさそうにしてたが、気にするな。とむくろに言われると、そう!?じゃあ、誠とイチャイチャしてくる!と元気よく出て行った。

「まったく…手のかかる弟…」

自分の心がズキズキと痛みを発しているのを無視して、むくろは苗木の後姿を窓からこっそりと見つめた。

END





はい!ムクロちゃんが片思いで終わりました。
これの、じゅんサイドを書いてこの話は完結なのでちょっと最後は尻切れトンボみたいな?あれ?日本語まちがってますかね?ww
でも、いつも話は思いつきのままに書いているのでこの先のストーリーは思いついてない/(^o^)\

読んでいただきありがとうございます!次も是非見てくださると嬉です!






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