文 | ナノ
(宝に手を出した代価)

※絶望シスターズの弟が苗木だったら設定。


僕を一言で説明するなら【普通】という言葉が当たるだろう。
すべてが普通で、好きになる芸能人や好きになる物なんかもランキングの1位になるようなものばかり。
他の人と少し違うとするならば、すべてにおいて前向きって所かな!

まぁ、僕は普通すぎるほどの平凡なんだけど…双子のお姉ちゃんがちょっと…いや、かなり変わっている。
双子の姉・むくろ姉ちゃんは、軍人になってしまうほどのミリタリーマニア。
双子の妹・盾子姉ちゃんは、ファッション雑誌のモデルをしてるカリスマギャル。

でも、そんな2人は不幸というか絶望することが大好きで、小さい頃から僕に何かしらしてくる。

むくろ姉ちゃんはそこまででもないんだけど、盾子姉ちゃんの絶望好きは筋金入りで、小さい事から多きことまで絶望と名のつく物には飛びつく。

1つ違いという事もあって、学校でも家でも顔をよく合わせる仲良し姉弟なんでけど…僕が告白したりすると、必ず見に来てフラらるのを見て喜んだりする。
最初にそれをされた時は流石に、大声で怒ってケンカになってしまったりもした。

でも、なんだかんだ言っても僕はお姉ちゃん2人が大好きなんだ。

最近、僕は帰り道を人に尾行されてる。
世間で言うストーカーっていう奴みたいで、男だし平凡だから最初は盾子姉のファンの人かと思って、特には気にしてはいなかった。
でも、ポストに僕の写真が入ってたり下駄箱にラブレターが入ってたりしたのを見て、向こうの狙いは僕なんだって分かった。
女の子にストーカーに合ってたなら、まだ良かった。
男だと分かったのは、ポストに入っていた写真に白い液がベッタリとついていて、男なら嗅いだ事のある匂いが鼻をついて、僕と同じ性別と嫌でも分からされた。

姉ちゃん達に話せば、喜ばせるだけだろうから、仕方なくむくろ姉ちゃんに相談した。

「むくろ姉ちゃん?今、大丈夫?」
「ん?誠…どうした?」
「ちょっと、相談が…」
「相談…?盾子が何かしたのか?」
「違うよ!盾子姉ちゃんは何もしてないよ!」

むくろ姉ちゃんの部屋に入ると、銃の手入れをしていたようで、僕に気付くと体をこちらに向けて微笑みながら相談に乗ってくれた。

「う…すごい言いにくいんだけど…僕…す、ストーカーにあってるみたいで…」

今まであった事とか証拠をすべて見せ、どうすればいいのかなぁ…と洗いざらい話した。

「…」ガチャンッ
「はい!?え!?むくろ姉ちゃん!!!」

僕の相談を静かに聴いてたのに終わった瞬間に、ピシッと体を固めた姉さんはさっきまで手入れしていた銃を手に持ち、部屋を出て行ってしまった。

「や、ややややヤバイ!!!」

むくろ姉ちゃんの目は瞳孔が開いて、マジギレな目をしていた。
こうなったら、僕1人なんかじゃ止められない。

「じゅ、盾子姉ちゃんんん!!!!!助けてぇええええ!!!」
「誠じゃ〜ん!どうしたの?私に苛められに来たの?」

隣の部屋にいた盾子姉ちゃんに助けを求め、成り行きをすべて話すと盾子姉ちゃんもむくろ姉ちゃんと同じ反応をした。

「ありえない!!なにそれ!!私達の誠になにしてくれてんの!!!!!誠!いくわよ!!」
「え!?行くってどこに!?」
「学校よ!!多分、まだストーカーは学校にいるわよ!」

盾子姉ちゃんはそれだけ叫んで部屋を飛び出した。

「ま、待ってよ!!!!」

僕も後を追ったけど、玄関から道路に出た時にはすでに姿は見えなくなってた。
どこにあんな体力があるんだ…ってか、これからストーカーに会うって事!?僕まだ心の準備というか、嫌なんだけどぉおおおお!!!





希望ヶ峰学園…苗木誠のクラス…

「覚悟は出来てるんだろうな…?私達の誠に手を出して、生きていられると思うなよ?」
「ひ、ひぃいいいい。」
「むくろちゃん!!待って!」
「盾子…あんたも来たの?」
「こんな面白そうな事来ないほうがおかしいでしょ?それに、私達の誠に汚いもの見せたお礼しなきゃ。」
「…まぁ、いいわ。誠を怯えさせた代償。きっちり払ってもらうから。」
「その前に、動けないように足もいじゃう?」
「うあああああ」

ガチャ…

「まって!!!姉ちゃん!!」

僕が学校に着くと、まだ部活をしている人達がたくさん居て、その人達に姉を見なかったかと聞いていくと、
「銃を持ったむくろ姉ちゃんが僕のクラスに走っていた。」
と、聞きクラスに急いだ。
クラスに入ると、むくろ姉ちゃんが銃を男の子の頭に突きつけて、盾子姉ちゃんが足をひねり上げていた。
周りの机やイスは散乱して、窓ガラスは割れ大変なことになっていた。


「誠!!誠!助けてくれ!それで、俺とお前の仲を姉さん達に説明して誤解を解いてくれ!」
「ご、誤解?って言われても…僕、君を知らないし…」
「な、何を言ってるんだよ…この間、ノートを拾って俺に笑顔でお礼言ってくれたじゃないか…それから俺ら付き合ってるだろ?」
「え…ノート…あ!あの時の!…でも、つ、付き合うって…そんな事約束した覚えないよ…」

僕に腕を伸ばして、徐々に近寄ってくる知らない男の子。
恐怖を感じて段々と体の芯から凍える感覚に、震えが止まらなくなってきた。
足がガクガクと震え、仕舞いには足が体重を支えられなくなり、膝をついて床に倒れてしまい、さらに男の子との距離が近づいた。

「うぐっ!!ああああああああああああ!!」
「それ以上、動いたら打つぞ?」
「ちょっと〜・・・私達の誠を怯えさせないでよ。」

その瞬間、姉ちゃん達が男の子を押さえつけた。
僕に、手が届く寸前でその手は床に落ち…そして、僕の意識も一緒に落ちた。
最後に見た景色は、男の子の苦痛に歪む顔を姉2人の無表情なんだけど怒りに満ちた顔…。





気付くと、家のベッドで姉ちゃん2人に看病されていた。
2人は、僕の最後の記憶に残っている怖い表情じゃなくて、いつもの意地悪なんだけど優しい表情をしていた。

「ね、姉ちゃん…」
「誠!大丈夫か?」
「ちょっと!誠〜男の癖にあれぐらいで倒れるなんて情けないわよ!」
「う…ごめん…でも、ありがとう・・」
「…いいんだ。もう少し寝てろ?」
「う…ん…」



僕はその日から3日熱を出して、寝込んだ。
久々に学校に行くと、あんな事があった教室は何も無かったように綺麗になっていて、みんな普通にすごしていた。
ストーカーの件もあれから何も無くて、とりあえず安心はした…でも、しばらくはノートを拾って貰っても、無表情でお礼を言おう!そう心に誓った。


END




初パラレルです!
でも、パラレルのようなもの多々ありましたがwwこれが始めてのパラレルということで!!笑))
ここは、あえてお姉ちゃんと弟設定で絶望希望書いてみました。
なんか、×(カケル)というか+(タス)って感じですが…ちゃんとカケルです!!いつまでも苗木は結婚させてもらえずに3人で暮らす予定ですww

読んでいただきありがとうございました!






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