文 | ナノ
(妄想からでた誠)

「ん。この表紙…十神くんと苗木くん…だよね…」

不二咲は、洗濯から帰る途中の廊下で苗木と十神が表紙の薄い本を見つけた。
裏や表を見たが名前もなく、書いてあるのは【十神×苗木】の文字。
これは、どうしようと悩みに悩んだ挙句大和田くんに相談することにした。

「大和田くん…相談が…」
「あ?おお!不二咲じゃねぇか!どうした?俺に相談って・・?」
「うーん…それが、さっき本を拾ったんだけど、誰のか分からなくて…」
「本?ああ、この本か…こんな本作るのは山田しかいねぇだろうが!!」
「あ!そうだよね!山田くんって、絵上手だもんね!」
「分かったら、届けに行こうぜ?いくんだろう?でも、その前に中見てみようぜ!前からあいつがどんなの描くのか気になってたんだよな〜」
「え!そ、そんなのわるいよ…」
「気にすんなよ!減るもんじゃねぇんだから!」
「え、で、でも〜」
「さぁ、見るぜ〜って…何だこれ…」
「え!?きゃぁ!!!」

中身を見ると、十神と苗木のキスシーンやR18な絵ばかりの漫画。
大和田は声にもならないほど驚いているし、不二咲は小さく悲鳴を上げると手で顔を隠した。

「…俺らは何も見なかった。これは山田の部屋に放りこんで知らないふりするぞ。」
「…ど、どどどどうしよう…」
「俺らは何も見てない!!!!行くぞ!!」

大和田は「何もみてない!」ともう一度叫ぶと、不二咲の手を引いて歩き出した。
不二咲は今だに混乱して、半分引っ張られるように歩き出した。

「で、十神くんはどう思う?」
「は?何故お前に俺の意見を聞く?自分の意見を言ってから俺に聞いたらどうだ?」
「え。いや、俺は…」
「お前はいつもそうだ!そうやって…」
「うあ〜ひどいよ!」

山田の部屋に着くと、扉の前で苗木と十神が話していた。
その様子は、痴話げんかの様で最近はずっと一緒にいる2人なので、見た目はちょっと雰囲気がさっきの本に似ている。

「あ…本当だったんだ…あの本の中身…」
「う、ウソだろ?苗木と十神が…」

バサッと大和田が手に持っていた本を足元に落として固まった。

「あ。大和田くんに不二咲さん!って…ん?何か落としたよ?」
「本?のようだが…図書室にはそんな本ないだろ?どこから持ってきたんだ?」
「ああああ!!みるな!!!」
「苗木くん!!だめぇええ!!!」

苗木が手に取り表紙を見た瞬間、顔色が真っ赤から真っ青に変わった。
バッと中身を見て、魂が抜けたように体が崩れ落ちた。

「あ…あああ…なんで…どうして…」
「どうした?苗木…!?な、なんだこれは!!この本を作ったのは…山田だな!!!」

苗木の体を支えながら、本を見る十神は顔を真っ赤にさせて怒り出した。
大和田もあ〜あ。と頭をかきながら2人を哀れに思い、不二咲はもうカタカタと震えている。

ガチャ…

「なんですか!!僕の部屋の前でギャーギャーと」

そこに現れたのは、ちょうど部屋にいた山田…今話していた問題の人物だ。

「あ。あああ!探してたんですよ〜!僕たちのコラボ作品!どこに落としたのかと思ってたんですよ〜!」

十神の手にあった本を指差すと、見つかった喜びから叫びだした。
その声に、現実に引き戻された苗木は半泣きで自分の部屋へと走り出した。

「な、苗木くん!!まって!」
「おい!苗木!!」

走りだした苗木を追いかけ、不二咲と大和田は廊下を走ってその場を離れた。

「…山田…覚悟はできてるだろうな・・・」
「へ?うあああああああああ!!!」

十神は山田の胸倉を掴み壁にたたき付けたが、突如聞こえた甲高い声に目線を向けた。

「白夜さまぁ!!なにやってるんですかぁ〜!!って、その本はそこのデブと作った私の妄想本!!」
「妄…想…だと?じゃあ、覗き…見たわけじゃないのか…」
「へ?何を見たんですか〜?」

ガタガタと怯えた山田にも少しはなれた所にいたジェノサイダーにも十神の呟きは聞こえなかった。


「苗木くん…?あんなの気にすることじゃないよ!ウソなんだもん!」
「そうだぜ!苗木!男ならあんなことでくよくよすんなよ!」
「大和田くん…男だからショックうけれるんじゃ…」

苗木は部屋に閉じこもりしばらく出てくることはなかった。

「うあ…なんで…この間十神くんとHしたのもキスしたのも見られてたんだ・・もう、山田君と顔あわせられないよ…」

大和田と不二咲が扉の外で必死に励ましてるなか、部屋の中の苗木はあんな事やこんな事を口走ってしまった!と痴態を見られた事で頭がいっぱいで、苗木が出てくるまで誤解は解けずみんなの勘違いが続くのだった

END




十神くんにもっと!もっと!と言っていた苗木の姿を見られたと思い、十神は嫉妬で怒ってました^^
本編からはぜっんぜん分からないですよね…orzすみません…
苗木くんもあんなに、あんあんいってる姿を十神君以外に見られたというショックでひっきーです^^w

読んでいただき、ありがとうございました!





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