人はそれを運命と呼ぶ

 視えない君に恋をした。
 僕の半身が見えない君に。僕は恋をしてしまった。

 彼が視えなければ、僕は心を開けないはずなのに。どうしようもなく君に僕のことを知ってほしいと思ってしまう。彼が視えなければ、他の人間と何も大差ないのに。君のように彼が視えない人間なんて、いくらでもいるのに。どうして、どうして君にだけ僕は恋焦がれてしまうんだろう。