天の川ならいくらでも用意してあげる

 星に願ったって叶わないことなんてとうの昔から知っている。
 それでも藁にも縋る思いで書き出した願いは、願いではなく目標で、君への何にも変えられない愛情でもあった。これが叶えば僕も彼女も幸せになる。してみせる。だから、神様だか星座だかなんだか知らないけれど、頼むから。僕の願いを叶える手助けだけでもしてはくれないか。

「彼女が僕の物になりますように。」
「彼女が一生傍にいてくれますように。」
「彼女が僕のもとから離れて行きませんように。」

 積もる想いは短冊一枚じゃ足りえない。数センチにも積まれたソレに一枚ずつ彼女への願いを書いていく。まだまだ時間はたっぷりある。彼女の事を願いながら更かす夜も悪くない。