灰崎くんとつるむ黒子くんの話
『ピアスをしたい黒子くん』


「灰崎くん」
「あ?」
「ボクも灰崎くんと同じピアス付けてもいいですか」
「やめとけって、お前痛いの嫌いだろうが」
「我慢します!」
「やめとけやめとけ。開ける時は我慢出来たとしてもな、もしボールがピアスに当たってみろ、耳抉られる痛みは相当だぜ?」
「黄瀬くんだって灰崎くんだってしてるじゃないですか!」
「……俺ぁ、身長あるしぶつかるヘマもしないし?お前よりガタイのいいやつもいんだろ?ちょっとしたスクリーンの際にでもぶつかったらどうすんだ、危ねーだろが」
「……灰崎くんがやさしくてイラッとします」
「そこは喜んどけよ!!」



***


「ピアッサー買ってきました!開けて下さい!」
「お前ほんとそういうところだけ変に行動力あるー……」
「さぁ!ぐいっと!お願いします!」
「ほんと無駄に男前な……待ってろ、氷取ってくる」
「氷?」
「耳朶冷やして感覚殺すんだよ、多少は痛くなくなんだろ」
「なるほど……」

「……行くぞ」
「はいっ……」
ーーぱちんっ!
「……っ、」
「ホントは医者とか専門家にニードルで開けてもらう方が綺麗に出来っけど。ま、上手く行った方だろ」
「ありがとう、ございます……」
「ふぅん……まさかシルバーのを選ぶとはねぇ……あのカラフルズに誤解されんじゃね。俺知らねえからな」
「……いいですよ」
「あ?」
「別に彼らにボクの交友関係まで支配される気はありませんし」
「カッケェー」
手を伸ばして今自分が開けてやった耳を触る。滑らかな肌に現れた金属の感触。
俺が、付けた傷。
「……痛いか」
「――っ、すこしだけ」
「はは、炎症起こして熱っつくなってら、」
「んっ……指気持ちいです。もっと触っててください」
「何?誘ってんの」
「そんな訳ないです」
「つまんねぇの。で、これが念願のファーストピアスってヤツだな。1週間くらい穴が安定するまで外すなよ、付けたままで消毒しとけ」
「1人じゃやりづらいです」
「世話の焼ける……毎日俺ントコ来る気か?」
「えっ駄目ですか?」
「……悪かねえ、けど、さあ……」
「じゃあ黄瀬くんに頼みます」
「おい馬鹿それは辞めとけ。自ら死地に向かう必要はねえ。つうか俺が殺される」
「じゃあ黄瀬くんに頼みます」
「テツヤ!!!??」
「……ボクは灰崎くんにお願いしたいんですよ」
「〜〜ッチ、分かったよ。ちゃんと1人のやり方を教えてやっから、1週間後にまた見てやる」
「了解です隊長!」
「お前ほんと調子狂うわー」
「ふふ」
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