王道学園とたかくろ
▼王道学園と腐男子テッちゃんと高尾

「今日は何読んでんのー?」
「おや、高尾くんこんにちは。今日はヤンデレ王道学園モノです!」
「……一応聞いてあげるけど王道学園って何?」
「全寮制男子校ですよ知らないんですか?」
「健全なDKはそんなもん知らねーっつの!」
「実はこの学園は生徒会が学校を支配してるんです…!その生徒会は尽くイケメン揃いで、その中に季節外れの特待生が転校してきて波乱を起こすんです!」
「生徒が学校を仕切るってやべーやつじゃん」
「役職は異なりますが、だいたい俺様会長と堅物な副会長、チャラ男な会計、庶務に不思議ちゃんなどが鉄板ですね!セットで元不良のチームを率いる風紀委員とかチワワ系親衛隊とかもいますね。そんな様式美溢れる学園を平凡(実は脱ぐとすごい)な特待生が掻き回すんです」
「へぇ、そうなんだ…」
「実は暗い過去持ちのイケメンが異色な特待生に異様な執着を見せる泥沼コメディです!」
「……それ、面白いの?」
「もちろん!」
「……つかそれってまんまお前らじゃね?」
「は?まっさか何言ってんですか!」
「俺様、堅物なのだよ、チャラ男ってかシャラってる男、お菓子好きな妖精さんと裏ボス?」
「はっそういえば……!『陰の薄いボクがいつの間にか王道学園を体験していた件について』…!?」
「安いラノベのタイトルかな?」
「どっちかっていうとかわいい子がいるファンタジー世界に転生したいですね」
「『転生したらギャルゲ界のモブだった件について』?」
「おお、有りです!」
「有りなんだ……んで?黒子はその学園を掻き回す特待生になりたい訳?」
「いやボクは別にイケメンと良い仲になりたい訳じゃないので」
「バッサリいくねえwww」
「ボクはそんな王道主人公を見守るモブです!」
(……まあどっちかってぇとアンチ王道の主人公だよな)
「ん?何か言いました?」
「いんや?じゃあ俺はそれを遠巻きに心配する友人ポジ、実は情報屋だった設定とかどう?」
「良いですね!顔面と権力で迫る生徒会より気の置ける親友ポジですよ!実は誰よりも主人公を思ってて陰ながら支え続けている…1番美味しい所です…!」
「マジで?ラッキー。んで?その親友ポジは恋人に昇格できんの?」
「…っ、え、っと、なると思います!でも親友という立場も捨てがたいというジレンマです……、あの、近いです、よ?」
「んじゃあ俺は欲望に素直に恋人ポジを狙おうっかな?」
「っ、わ、?」
「俺は親友に甘んじる気はねえし、……覚悟しとけ?」
「ーーッ!いいですね!そんな感じです!!」
「…………はぁ。お前はそういう奴だよ……」
「?」



終わり。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -