毒も蜜もあまいって知ってたかい?
「散々騙されてたのになぁんでゆーまくんは俺と一緒に居るんですかねぇ?」
「え、だってお前をひとりにしないって言っただろ?」
(……ほんっとゲロ甘だぜゆーまくん)
「ん?なんか言ったか?あ、そういえばアリトたちが飯行くらしいんだけどお前は?」
「……行かねぇよバァカ」
「えーそっかぁ」
「ゆーまくんは行けばいいんじゃないっすかぁ?アリトくんはきっと喜びますよぉ
遊馬くんは人気者ですし?」
「うん…?」
「こちとらひとりには慣れてるんでね」
遊馬を残し足早にその場を去る。
(ひとりには慣れている)
「……なぁんちゃって」
これで遊馬が罪悪感を抱けばいい。
わざと『ひとり』を強調したのだってそのためだ。言葉の矛盾を、言うだけではなにも守れないってことも。
そして遊馬はきっとアリトとの約束を断るだろう。俺をひとりにはしないために。
これはある意味の信頼といっていい。
だってそうだろう?遊馬くんはとぉっても優しいんだから。
そして目の前の角を曲がる。きっとそのときには。
「ベクター!」
背後からかかる声。ほんっと遊馬くんは優しくって反吐が出る。
ああ危ないちゃあんとびっくりしてあげないと。
遊馬くんのその甘ちゃんでお馬鹿なところ、だぁいすきだぜ。
オチ別バージョン(甘め)
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