嫌われない黒子っち
(※ときどきwwwなどが入りますので気になるかたはお気をつけ。)





「キャアアアアア!!」

放課後、絹を裂くような声が響きわたる。
その場に居た黒子は思わず両手で耳を覆い、なんで女性の方はこうキンキン声で叫ぶんですかね、とため息をついた。
咄嗟に耳を塞いだのにも関わらず、その声は頭にはくわんくわんと木霊して、ちょっと頭が痛い。

「どうした!」
「何があったんスか!?」

叫び声にばたばたとこちらへ来るバスケ部員たち。
黄瀬くんたちが入口に来た所では彼女――えーとなんて名前なんでしょうか……分からないからAさん(仮)としましょう――Aさん(仮)が黄瀬くんに抱きついた。
黄瀬くんは若干ひきつった顔でAさんを受け止めた。おい、モデルさんよ顔、顔。怖い怖い。

「わたし、黒子くんに呼び出されて来たら部室めちゃくちゃで…それを問い詰めたら告白されて、断ったら襲ってきたの……怖かったあ……」

ええええええ。呼び出されたのボクなんですけど!?てか野郎に襲われて怖かったっていうなら野郎に抱きついてんじゃねえよ…おっと失礼ボクのキャラがぶれてしまいました。危ない危ない。
まあ、荒らされた部室と泣いている美女を見りゃ美女を信じるのは当然ですが、さて、ボクを知っている彼らはどうでしょうか。

「そんなの嘘っスよねー?」
「だよな!」

黄瀬くんと青峰くんは信じられないという顔でAさん(仮)を見ている。おい、モデル「触んな」って小声で言ってるの聞こえてます。
ほかの部員はヒデーとか最低なんて声をあげていますがこれはまさかボクに向けられてると考えていいのでしょうか。
とんだ濡れ衣ですが。

「ボクが女性を襲うわけないでしょ「嘘つかないで、怖かったんだから!」
「ちょ、被せてこないでくださいよ。それにAさん(仮)「Aさんって誰なのよ!?」待って、ちょっと話を聞いて。はい、あなたは美人かもしれませんが、失礼ながらボクのタイプじゃありません、ていうか化粧ケバケバの、なんか変な匂いする方なんてお断りします。あっ、いつも気になるんですがあなたのような方のあれって何の匂いなんですか?樹海?なんか変なものがいっぱい混ざった匂いしますよね?まあ、もしあなたを好きになったとしても自分に苦痛な匂いの人なんて勘弁ですよ。」
(どこかで樹www海wwwとwかwって笑っているひとがいますが無視しておきましょう。)
「というかあなたなんてことしてるんですか部室は使ってますけどボクだけの物じゃないんですよ!それをこんなぐちゃぐちゃにして「それは黒子くんがやったんでしょ!」だから被せてくんなって。ボクはそんなことしませんよ?部室荒らしたのがボクならなんでボクのロッカーも壊すんですか。ボクに利益ねえじゃねえですか!馬鹿か!部室荒らしてる時間があったらバスケの練習するわ!!あっ、そうだ今度青峰くんにシュートを教えてもらうんでした。ね?」
「お、おう…?」
(食い気味のAさん(仮)wwwくそわろwwwって言ってるのはさっき笑ってた人ですかね。ちょいちょい吹き出す声が聞こえますがこのシリアスムード考えろこれがKYか。そうなのか。)
「知っての通りそもそもボクには部室を五分足らずで荒らすような力がありません。見てくださいこの力こぶ!」
「黒ちんねえしー」
「というか平均男性でもロッカー壊せるような鈍器もったらそうそう動き回れませんよね?どんなゴリラですか。あっあなた出来たんですか?そうですか素晴らしいですねメスゴリさんって呼んでいいですか?(またメスゴリで吹いた人がいた)ああそうそうさっきいい忘れましたがあなたの奇行はこのペン型カメラに記録されてます。よかったですn……「う、嘘よ!全部黒子くんの嘘よ!!」
「……だから何回言えば分かるんですか被せてくんなって言ってるでしょうが!ちょっとお前は黙ってろビッ……おっとすみません口が滑りました」
(ビッチ涙目wwwって笑ってるあの人とは仲良くなれそうです)
「…そもそもなんでボクに襲われたコワイって言ってんのに黄瀬くんに抱きついてんですか?普通男性に怯えるでしょう?仮にも、ほんっとうに仮定ですけど!あなたレイプされたんですよ?襲われるってのはそういうことですよ?レイプされた女性がどんな悲しいことになるかなんていくらあなたが馬鹿でも分かるでしょう?それともあなたのようにイケメンなら抱きついてもいいなんて考えじゃないですよね?そもそも襲われた女性というのはそうされた事を言えないものだと聞きましたが違うんですか?私襲われた怖かったなんて言えますか?でもあなた言えましたね?それで抱きついたんですもんね?そういう考えでいいんですよね?」
「……っそれは、」
「あ、そうだあなた確か3軍のマネでしたよね?ボク3軍とは少し関わりがありまして、あなたは自分の仕事を他のマネに押し付けて1軍覗いてるんすって?こんな強豪校なんですよ、ひとりいないだでどれだけ大変か分かりますよね?そうそう先程あなたがタイプじゃないと言いましたが、自分の仕事すらこなせないあなたと自分の仕事+あなたの面倒をきちんとこなしている他のマネージャーの
方がよっぽど魅力的ということですよ。人の労力もわからない、自分だけが可愛い、周りの見えない馬鹿は不快です。
とっとと出ていきやがれ、です」

ふう、一気に声を出したら疲れました。ふ、と、前を向けば何故かみんなが涙目。
Aさん(仮)もぽかーんとこちらを見ている。あ、そういえば途中から野次が飛んでこなくなりましたね、なんででしょう。
あれ、そういえば何の話でしたっけ?

「黒子っちいいいいいいい!!!もう!なんでそんな男前なんスかあああ!一瞬でも疑った俺が馬鹿っスうううう!」
「テツうううう!お前を疑った俺を殴ってくれええええええ!!」
「青峰っちずるいっス!殴るなら俺を!!」
「ちょ、え?」
「テツくんほんとイケメン!!抱いてえええ!」
「あ、こら。桃井さんあなたは軽い気持ちでそんなことを言ってはいけません。自分の身は大事にしましょう?」
「ああんもうテツくん紳士!だから好きいいいい!」
「あ、ありがとうございます?」
「ところで黒子」
「はい、なんでしょう?」
「あれの処理はどうする?」
「えー...どうでもいいです、言いたいこと言っちゃいましたし」
「そうか、部室の修理費なんか請求しておけばいいか。そうだ桃井」
「はいはーい!ちゃんと録画済みですよぉ!音声もバッチリ!」
「え?」
「まあ万が一も考えてな、部室に監視カメラをつけていたんだ」
「あ、そうだったんですか」

つまり緑間くんのペン型カメラは必要なかったんですね。よかった。
後は桃井さんと赤司くんがやってくれるでしょう。
やっぱり馬鹿なことは考えないほうがいいですね。

「さて、部活を始めましょうか」




(残念無念御愁傷様!)



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